2018.12.2その17 広島県呉市 呉ポートピアパーク
稲葉真由美(スポーツ局)
2018年12月2日、「よみひと知らず」は、7月に豪雨被害を受けた広島の呉市天応地区へ。日本テレビアナウンサー5人と広島テレビのアナウンサー2人が呉ポートピアパークで「読み聞かせイベント」を開きました。
これまでは仮設住宅に住む方々を対象に行ってきた交流ですが、今回は初めての「子どもたち」が対象。“絵本専門士”の資格を持つ杉上アナウンサーと“特技はバイオリン”の弘アナウンサーのコラボレーションも実現しました。
読み聞かせた本は「チャイコフスキーのくるみ割り人形」。集まった子どもたちは0歳から小学校高学年。子どもたちはアナウンサーの膝の上に座ったり、寝転がったり、思い思いの姿勢でバイオリンの生演奏にのせた名作に聞き入っていました。
杉上アナウンサーがページをめくるのに合わせて、弘アナウンサーが奏でる曲も変わっていくという生演奏ならではの楽しみに保護者の方からは「演奏会みたいで感動した」という感想もいただきました。
今回の訪問のきっかけは鈴江アナウンサーが発災から1週間で取材に向かったときにお世話になった「認定こども園天応」と「天応めぐみ幼稚園」。天応めぐみ幼稚園は土砂が敷地内に流れ込み、1階部分が埋まってしまったそうです。土砂を取り除き、元通りに子どもたちが通えるようになったのは4か月後の11月。今回よみひと知らずに参加してくれた保護者の方の中には「雨が強く降り出すといまだに子どもが怖がる」と話す方も複数人いらっしゃいました。私たちの取り組みで子どもたちが少しでも元気になってくれればいいなと改めて感じました。
「よみひと知らず」での交流が終わった後は天応地区と坂町を歩いてみて回りました。発生直後から現場で取材をしていた広島テレビの澤村アナウンサーがまだ豪雨の爪痕が残る街並を前に当時の状況を詳しく語ってくれました。実際の被害を目の当たりにして、改めて災害時の報道のあり方、視聴者への注意喚起について考えさせられました。
今回は取材でお世話になった保育園や幼稚園の先生方へのお礼の意味も込めて開催されたよみひと知らずでしたが、これからも1人でも多くの方を元気づけられるように活動していきたいと思います。
市來玲奈(編成局アナウンス部)
今年7月の豪雨災害で大きな被害を受けた広島県呉市天応地区。この地域の子供達を招いて、少し早いクリスマスイベントを開催しました。
パワーと元気を与えたい!と思い、臨んでいましたが、子供たちの純粋な笑顔に、私の方がパワーをもらいました。先輩方、スタッフの方々とゼロから作ったイベントで、このように人から人へ愛が伝わる瞬間に立ち合うことができて幸せでした。
そして、西日本豪雨の被災地は、今まで映像でしか見たことがなかったため、その深刻さを理解しているようで理解できていませんでした。実際にこの目で、多くの被害を受けた地の現状を目の当たりにし、そして足を踏み入れることで、自分の無知さを実感するとともに、生の情報を言葉で伝えていく大切さを学びました。初めての被災地取材、とても貴重な学びある時間になりました。
これからも積極的に回を重ね、誠意を持って真っ直ぐな心で被災地に寄り添っていきたいです。
弘 竜太郎(編成局アナウンス部)
この度「よみひと知らず」にて、広島県呉市を訪れ子供たちを対象にしたクリスマスイベントを行いました。沢山の子供たちが参加してくれたのですが、子供たちには毎回本当に驚かされます。声を出すコーナーでは、吹き抜けを破る勢いで大きな声を出してくれたり、絵本とバイオリンの読み聞かせでは一変、静かに物語を聞き入ってくれたり、サンタの登場にはこれでもかと反応を示してくれる。子供達の楽しむ姿を見て嬉しいと思うと同時に、その純粋な反応には感心させられ、いつしか自分が元気を貰っていました。
その後は被災地の視察に向かいました。 それまではテレビやネットの情報だけで、どこか分かったと自己完結させていた被災地の現状。今回実際に現地へ行き、積まれた瓦礫や建物の一階部分に流れ込んだ土砂を見て、自身の解釈と現状とのギャップを感じました。実際に現場に行くことで感じる景色や空気があり、行かなければ生まれない伝え手としての言葉があると思いました。
この状況で自分が出来る事は一体何だろう。それはとても小さな事かもしれない。だが一人一人の小さな力が集まれば、やがて大きな力となり得る。今回のよみひと知らずに参加して、その可能性を感じることが出来ました。
- 参加者
- 鈴江奈々・杉上佐智枝・郡司恭子・市來玲奈・弘竜太郎(日本テレビ)
- 馬場のぶえ・澤村優輝(広島テレビ) ほか