3月27日(木)午前2:35~<水曜深夜>放送 /BS日テレ 4月5日(土)午前7:00~ ※放送日時が変更になっておりますのでご注意ください
◆3月放送プログラム
・モーツアルト作曲 レクイエム ニ短調 K.626(鈴木優人補筆校訂版)
◆音楽監修 新井鷗子の演奏レビュー
弦楽器のビブラートを抑制し、贅肉をそぎおとしたすっきりとした響き。
世界最高のベルリンRIAS室内合唱団の温かくも明晰なハーモニーと読響がつくりだす、この現代にこそ聴きたいモーツァルトの「レクイエム」(鈴木優人補筆校訂版)です。
◆演奏者の略歴
鈴木優人(指揮)
1981年オランダ生まれ。東京芸術大学卒業および同大学院修了。オランダ・ハーグ王立音楽院修了。指揮者として国内外の楽団と共演するほか、鍵盤楽器奏者としても活躍している。音楽監督を務めるアンサンブル・ジェネシスでは、オリジナル楽器でパロックから現代音楽まで意欲的なプログラムを展開している。
2018年にバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の首席指揮者に就任。BCJオペラシリーズのプロデューサーを務め、2020年のヘンデル(リナルド)は、バロック・オペラの新機軸として高く評価された。また、2019年から世界的ヴィオラ奏者タメスティとの「バッハ・プロジェクト」を開始し、ヴェルビエ音楽祭をはじめ、欧州各地で演奏をしている。2023年3〜4月には、名門オランダ・バッハ協会に客演し、J.S.バッハ〈マタイ受難曲〉(全13公演)を指揮した。
作曲家としても活躍するほか、13年から調布国際音楽祭のエグゼクティブ・プロデューサーを務め、NHK-FM「古楽の楽しみ」に出演するなど、活動は多岐にわたる。
芸術選奨文部科学大臣新人賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、渡邉暁雄音楽基金音楽賞など受賞多数。
2020年4月から読響の指揮者/クリエイティヴ・パートナ一として多くの公演を指揮するほか、(アンサンブル・シリーズ)をプロデュースして好評を博している。
2023年4月から関西フィル首席客演指揮者。九州大学客員教授。
ジョアン・ラン(ソプラノ)
澄んだ歌声で聴衆を魅了し続けているイギリスを代表する歌手。英国王立音楽大学でタゴール・ゴールドメダルを得て卒業。〈ポッペアの戴冠〉でイングリッシュ・ナショナル・オペラにデビュー以降、〈真夏の夜の夢〉〈オルフェオ〉などに出演。コンサートのソリストとして、モンテヴェルディからマーラーまで幅広いレパートリーを歌い、特にバロック音楽を得意としている。
レオンハルト、鈴木雅明、ミンコフスキ、ガーディナー、ノリントン、ピションら名匠の指揮で、ロンドン響、ベルリン古楽アカデミー、コンチェルト・ケルン、バッハ・コレギウム・ジャパン、コンチェルト・コペンハーゲン、ロッテルダム・フィルなどと共演。CDも数多くリリース。読響初登場。
オリヴィア・フェアミューレン(メゾ・ソプラノ)
柔らかな声質で国際的に評価を得ているメゾ・ソプラノ。
ベルリン芸術大学で学ぶ。バイエルン放送主催の国際声楽コンクール優勝など受賞歴多数。ヤノフスキ、ハーディング、ヤーコプス、ツァグロゼクらの指揮で、ベルリン国立歌劇場、パリ・オペラ座、チューリヒ歌劇場や、ミュンヘン・オペラ・フェスティバル、ブレゲンツ音楽祭、ルール・トリエンナーレなど音楽祭にも出演。ベルリン・フィル、ロンドン響など著名楽団とも共演している。バロック作品にも情熱を注いでおり、鈴木雅明指揮のバッハ・コレギウム・ジャパンのバッハ〈マタイ受難曲〉やグラモフォン賞を受賞したモーツァルト〈ミサ曲ハ長調〉のCD録音にも参加。
読響とは2022年12月の鈴木優人指揮の〈第九〉公演で共演し、好評を博した。
ニック・プリッチャード(テノール)
J.S.バッハやモーツァルト作品で絶賛されている俊英。
1989年英クックフィールド生まれ。これまでにルセ、エメリャニチェフ、エガー、アイム、カーニン、ピションらの指揮で、エイジ・オブ・エンライトメント管、アンサンブル・ピグマリオンなどと共演。2021年8月には、BBCプロムスでモーツァルト〈レクイエム〉のソロを歌い、高い評価を得た。近年は世界各地でバッハ〈ヨハネ受難曲〉〈マタイ受難曲〉に福音史家として出演しており、2023年にグラモフォンからリリースされたガーディナー指揮〈ヨハネ受難曲〉がグラミー賞にノミネートされた。グラインドボーン音楽祭ツアーでの〈魔笛〉タミーノ、英国ロイヤル・オペラでの〈ウリッセの帰還〉アンフィノモなど、各地のオペラに出演している。読響初登場。
ドミニク・ヴェルナー(バス)
「深遠なバス」と高く評価されている実力派。
1970年ドイツのグリューンシュタット生まれ。教会音楽、音楽学、チェンパロを学び、声楽とオルガンでディプロマを取得。2002年ライプツィヒ・バッハ・コンクール優勝。コワン、ヘンゲルブロック、リリンク、ヘレヴェッヘ、鈴木雅明、S.クイケン、ホーネック、エラス=カサドらの指揮で、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ベルリン・ドイツ響、バンベルク響などと共演。世界各地のホール、国際音楽祭に出演している。バッハ・コレギウム・ジャパンには度々登場しており、<パウルス><ヨハネ受難曲>の独唱を務め、好評を博した。日独リートフォーラム主宰。キルヒハイム音楽祭芸術監督。読響初登場。
ベルリンRIAS室内合唱団
カラヤン、ベーム、ラトルら巨匠と共演してきた世界最高峰とされる合唱団。
1948年にベルリンの米軍占領地区放送局(RIAS)のために設立。ルネサンスやバロック時代の歴史的な解釈にもとづく演奏から、古典派やロマン派、新作の世界初演までレパートリーは多岐にわたる。2017年からジャスティン・ドイルが首席指揮者および芸術監督。ドイツ国内外で年間50回のコンサートを行い、文化大使として重要な役割を担っている。ベルリン古楽アカデミー、ヨーロッパ室内管、フライブルク・バロック管といったアンサンブル、またラトル、ヤーコプス、ネゼ=セガン、ヘンゲルブロックらの指揮者たちと長年にわたり共演。録音も数多く、グラモフォン賞、エコー賞など受賞多数。読響とは2018年以来、2度目の共演。