• 2月11日(水)深夜2:44〜3:44

  • 指 揮 オスモ・ヴァンスカ
         広上 淳一
    トロンボーン  クリスチャン・リンドバーグ
    管弦楽 読売日本交響楽団
    司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)
  • アホ作曲
    交響曲第9番〜トロンボーンと管弦楽のための〜
  • ※2008年11月27日 東京芸術劇場にて収録

  • ブラームス作曲(シェーンベルク編曲)
    ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)
  • ※2008年12月15日 サントリーホールにて収録



今回は、「天才リンドバーグ」「トロンボーンのパガニーニ」「スーパーエンターテイナー」・・・・・など様々なキャッチフレーズを持つ、天才トロンボーン奏者、クリスチャン・リンドバーグさんの登場です!
あの超絶技巧のヴァイオリン曲、「熊蜂の飛行」までもトロンボーンで演奏してしまうリンドバーグさん。その驚くべきテクニックは、全聴衆の目と耳を釘付けにし、ホール全体がそのままリンドバーグさんの音に吸い込まれていくようでした。

カレヴィ・アホ作曲

《交響曲第9番〜トロンボーンと管弦楽のための》


カレヴィ・アホ(1949−)

現代フィンランドを代表する作曲家、カレヴィ・アホ。
これまでに14曲の交響曲を作曲しているが、交響曲でありながらソロ楽器をもつ協奏曲的な作品が多いことは、特徴の1つである。
交響曲第9番は、リンドバーグさんのために作曲された作品で、初演は1994年、オスモ・ヴァンスカさんの指揮とラハティ交響楽団にて行われた。
I.Andante-Vivace-Tempo I -Presto
II.Adagio-Poco piu mosso-Appassionato-Poco meno mosso
III.Presto-Cadenza-Tempo I -Andantino-Tempo I

★作品について、クリスチャン・リンドバーグさんにお話を伺いました。
アホ自身が、「是非演奏してほしい」「是非曲を書きたい」とストックホルムまで私に会いにやって来たのです。そこで私は、1日かけてトロンボーンの裏ワザを教え、曲についての様々な策を練り、アドバイスをしました。アドバイスをし過ぎて、思った以上の難曲になってしまいましたが、それも良い経験になったと思っています。

★リンドバーグさんについて、読響トロンボーンセクションにお話を伺いました。

山下:トロンボーンの、スライディングでのネックを忘れさせてくれるんですよね。
   音色だけで人を魅了する神々しさがあります。
古賀・次田:何もかもがズバ抜けてる感じがします!
纉c:ステージ上での立ち振る舞いや、音楽のテンションの高さを是非感じ取って
   いただきたい。


ブラームス作曲 (シェーンベルク編曲)

《ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)》
この作品は、ブラームスが作曲した「ピアノ四重奏曲」を、シェーンベルクがオーケストラ版に編曲したものです。ブラームスのことを尊敬していたシェーンベルクは、この編成だと弦楽器の音がピアノに埋もれてよく聴こえないと、オーケストラ版の編曲を試みたんだそうです。


ブラームス
(1833-1897)


管弦楽版へ編曲



シェーンベルク
 (1874-1951)

★作品について、指揮者広上淳一さんにお話を伺いました。

全く同じメロディなんですが、全く別の曲だと思ったほうが良いと思います。原曲の場合、ピアノパートが細かく動くんですが、それをあらゆる楽器に散りばめているんです。原曲にはないけれど、例えばチェロを16分音符で動かしてみたり。それから、大きいオーケストラにする為に、ティンパニーの他に、シンバル、大太鼓、シロフォンも入れています。「編曲版」ではなく、全く新しい1つの交響曲だと思って聴いて頂いたほうが良いと思います。

クリスチャン・リンドバーグ (トロンボーン)
Christian LINDBERG
1958年スウェーデン生まれ。17歳でトロンボーンを始め、スウェーデン王立音楽院、ストックホルム王立歌劇場管を経てソリストへ転向。ベルリン・フィル、シカゴ響、BBC響、ワルシャワ・フィル他と協演、フランク・マルタン・コンペティション優勝。’91年以降度々の来日公演も大好評を得る。作品の初演は300以上、 ソロCDは70枚を超える。完璧な超絶技巧と魅力溢れるエンターティナーぶりは”トロンボーンのパガニーニ”と称される。近年は指揮者として、ノルディック室内管とスウェーデン・ウインド・アンサンブルの首席指揮者他ロッテルダム・フィル、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響などへの客演、また作曲家としてシカゴ響、オーストラリア室内管、スウェーデン放送合唱団他の委嘱作品を手がけるなど、活躍は多岐に渡る。

オスモ・ヴァンスカ (指揮)
Osmo Vanska(conductor)
1953年生まれ。 シベリウス・アカデミーでヨルマ・パヌラに師事。1982年ブザンソン国際指揮者コンクール(フランス)での優勝を機に、活躍の場を世界に広げる。 1988年にラハティ響首席指揮者兼音楽監督に就任、以来タピオラ・シンフォニエッタ音楽監督、アイスランド響首席指揮者、BBCスコティッシュ響首席指揮者を歴任し、現在はミネソタ管音楽監督、ラハティ響桂冠指揮者の地位にある。客演指揮者としても、ボストン響、シカゴ響、クリーヴランド管、ニューヨーク・フィル、フィラデルフィア管、ベルリン・フィル、チェコ・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ロンドン・フィル、フランス国立管、ロイヤル・コンセルトヘボウ管など世界一流のオーケストラに招かれている。 これまで、BISレーベルにシベリウス及びニールセンの交響曲全集を残しており、ミネソタ管とのベートーヴェン交響曲全集もリリースされた。 2001年、クラシック音楽への貢献に対しロイヤル・フィルハーモニック協会賞を受賞。 読売日響には2002年、04年、05年、07年に続き、5度目の登場となる。

広上淳一 (指揮者)
Junichi Hirokami(conductor)
東京生まれ。東京音楽大学指揮科に学ぶ。第1回キリル・コンドラシン国際指揮者コンクールに優勝し、国際的な活動を開始。1991〜95年ノールショピング響首席指揮者、91〜00年日本フィル正指揮者、98〜00年リンブルク響首席指揮者、06〜08年コロンバス響音楽監督を歴任する傍らフランス国立管、ベルリン放送響、ウィーン響、コンセルトヘボウ管、モントリオール響、イスラエル・フィル、ロンドン響など欧米各地のオーケストラに客演。2007年サイトウ・キネン・オーケストラへの客演も絶賛を博した。またオペラの分野でも、シドニー歌劇場におけるヴェルディ《仮面舞踏会》や《リゴレット》が高く評価されたのをはじめ、国内外で活躍。2008年から京都市交響楽団常任指揮者。