《特別企画!下野竜也のスペシャルレクチャーコンサート開催!》
今回、番組特別企画として、「下野竜也によるレクチャーコンサート」を開催いたしました。シューマンの交響曲第4番を演奏する前に、読売日本交響楽団正指揮者・下野竜也さんが、「この曲が作られた時のエピソード」や、「楽譜に記された音符や記号を、どのように演奏に反映させていくのか」といったことを、スクリーンを使って楽しく分かりやすく解説。会場のお客様も、初めて明かされる“マエストロ下野の音楽創りの裏側”を見ることができ、興味津々な様子で聞いていらっしゃいました。ここでは、その内容を少しだけご紹介しましょう。
ロベルト・シューマン
シューマン(1810-1856)が生涯2番目に作曲した交響曲で、妻・クララへのプレゼントとして書かれたものです。しかし初演の演奏会では、人気ピアニストだったクララとフランツ・リストも共演。その陰にすっかり隠れてしまったこの交響曲は、良い評価を得ることが出来ませんでした。さらに、指揮者は予定されていたメンデルスゾーンから代役に変更されるなど、悪条件が重なり、楽譜の出版は見送られることとなったのです。
しかし10年後、交響曲第2番・第3番「ライン」の成功を受け、シューマンはこの曲を改訂。ようやく出版に至り、世に送り出されました。
この曲は、「第1楽章冒頭の旋律」が曲全編に渡って様々な形で登場してきます。
その変化から、シューマンの心情を読み取ってみよう。
●第1楽章は楽譜にクレッシェンド(<)・デクレッシェンド(>)がありますが、第2楽章にはついていません
⇒第2楽章は、「回想シーン」 ・・・・下野さんは、あえて淡々と演奏することで「夢の中」の現実味がない雰囲気を作り出し、
他の楽章との差別化を演出します。
●第2楽章半ばで、この旋律の別バージョン(長調)がコンサートマスターのソロで奏でられます。
⇒シューマンが素敵な女性をイメージして書いた=「クララの思い出」・・・・好きな女性のことを思い出しているかのような
キラキラとした旋律です。
《音の衝突》
第1楽章半ばで、チェロ、コントラバスの音(ラ)と、ヴァイオリンの音(シ♭)が重なる所がある。
これら2つの音は、音の差が半分しかないので「半音」であり、ぶつかってしまう・・・・気持ちのぶつかり合い!?
⇒チェロ・コントラバスの4部音符に、
クララへの切ない想いが託されている!・・・・一筋縄では行かない恋心。シューマンのクララへの想いを楽譜の中に
見つけながら、音楽は作られていきます。
今回、番組特別企画として、「下野竜也によるレクチャーコンサート」を開催いたしました。シューマンの交響曲第4番を演奏する前に、読売日本交響楽団正指揮者・下野竜也さんが、「この曲が作られた時のエピソード」や、「楽譜に記された音符や記号を、どのように演奏に反映させていくのか」といったことを、スクリーンを使って楽しく分かりやすく解説。会場のお客様も、初めて明かされる“マエストロ下野の音楽創りの裏側”を見ることができ、興味津々な様子で聞いていらっしゃいました。ここでは、その内容を少しだけご紹介しましょう。
〜 シューマン作曲 交響曲第4番 〜
《曲の背景》ロベルト・シューマン
シューマン(1810-1856)が生涯2番目に作曲した交響曲で、妻・クララへのプレゼントとして書かれたものです。しかし初演の演奏会では、人気ピアニストだったクララとフランツ・リストも共演。その陰にすっかり隠れてしまったこの交響曲は、良い評価を得ることが出来ませんでした。さらに、指揮者は予定されていたメンデルスゾーンから代役に変更されるなど、悪条件が重なり、楽譜の出版は見送られることとなったのです。
しかし10年後、交響曲第2番・第3番「ライン」の成功を受け、シューマンはこの曲を改訂。ようやく出版に至り、世に送り出されました。
〜 楽譜の様々な箇所から、シューマンの心情を読み取る 〜
《第1楽章冒頭の旋律》・・・この曲のテーマ この曲は、「第1楽章冒頭の旋律」が曲全編に渡って様々な形で登場してきます。
その変化から、シューマンの心情を読み取ってみよう。
●第1楽章は楽譜にクレッシェンド(<)・デクレッシェンド(>)がありますが、第2楽章にはついていません
⇒第2楽章は、「回想シーン」 ・・・・下野さんは、あえて淡々と演奏することで「夢の中」の現実味がない雰囲気を作り出し、
他の楽章との差別化を演出します。
●第2楽章半ばで、この旋律の別バージョン(長調)がコンサートマスターのソロで奏でられます。
⇒シューマンが素敵な女性をイメージして書いた=「クララの思い出」・・・・好きな女性のことを思い出しているかのような
キラキラとした旋律です。
《音の衝突》
第1楽章半ばで、チェロ、コントラバスの音(ラ)と、ヴァイオリンの音(シ♭)が重なる所がある。
これら2つの音は、音の差が半分しかないので「半音」であり、ぶつかってしまう・・・・気持ちのぶつかり合い!?
⇒チェロ・コントラバスの4部音符に、
クララへの切ない想いが託されている!・・・・一筋縄では行かない恋心。シューマンのクララへの想いを楽譜の中に
見つけながら、音楽は作られていきます。
〜 楽員の皆さんにも、この曲に対する様々な思いを聞いてみました! 〜
ティンパニ 菅原 淳さん
難しいところ:第1楽章 練習番号M(313小節〜)
その理由:他楽器が16分音符であるのにティンパニだけが8分音符でさびしい。
1人だけ飛び出している感じがするが、ハマるとちょっと気持ち良かったりも!?
その理由:ヴィオラのメロディが素敵だから!
主役ではないけれど、弾いていてとても
気持ちいいんです♪
その理由:オーボエと一緒のメロディが弱奏で、 高音域の為難しい。いかにオーボエの邪魔に ならないように吹くか、が重要なので・・・。
ヴァイオリン 榎本吉孝さん
楽しいところ:第4楽章 練習番号AA(811小節〜)
その理由:木管楽器と1stヴァイオリンがメロディを弾き、ホルンと2ndヴァイオリンが
リズムを刻んでいる。その後打ちのリズムが、クライマックスに向けて躍動感を
与えているところなので。
難しいところ:第1楽章 練習番号M(313小節〜)
その理由:他楽器が16分音符であるのにティンパニだけが8分音符でさびしい。
1人だけ飛び出している感じがするが、ハマるとちょっと気持ち良かったりも!?
ヴィオラ 渡邉千春さん
好きなところ:第2楽章 392小節〜その理由:ヴィオラのメロディが素敵だから!
主役ではないけれど、弾いていてとても
気持ちいいんです♪
トロンボーン 纉c(くわた) 晃さん
難しいところ:第2楽章 394小節〜その理由:オーボエと一緒のメロディが弱奏で、 高音域の為難しい。いかにオーボエの邪魔に ならないように吹くか、が重要なので・・・。
ヴァイオリン 榎本吉孝さん
楽しいところ:第4楽章 練習番号AA(811小節〜)
その理由:木管楽器と1stヴァイオリンがメロディを弾き、ホルンと2ndヴァイオリンが
リズムを刻んでいる。その後打ちのリズムが、クライマックスに向けて躍動感を
与えているところなので。