第13回 ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝!
ピアニスト 辻井伸行
2009年6月 クラシック音楽界最大のビッグニュースが
日本全国に感動を呼んだ―
ピアニスト・辻井伸行
日本人初!ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝
2009年6月 クラシック音楽界最大のビッグニュースが
日本全国に感動を呼んだ―
ピアニスト・辻井伸行
日本人初!ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝
今回この快挙を記念し、辻井さんと読響の共演が急遽予定され、
その模様を「深夜の音楽会」で放送することとなりました。
今回タクトを握るのは、読響正指揮者・下野竜也さん。辻井さんが通っている上野学園音楽学科で、教鞭をとられている下野さんですが、辻井さんは下野さんに授業を教わったこともあるそうです。 前日リハーサルが終わった後、読売日響の練習所でお2人にお話を伺いました。
〜 古市幸子 × 辻井伸行 × 下野竜也 〜
古市:お2人の初共演。リハーサルを終えて、いかがですか?
辻井:オーケストラも素晴らしいし、下野先生も素晴らしくて、とても
やり易かったですね。
下野:オーケストラと一緒に音楽を作っていこう、という空気を彼から受けて、
そしてオーケストラの皆さんも、辻井君の演奏にどんどん引き込まれて
いっている、という様子を感じられて、とても楽しかったです。
古市:下野さんが最初に辻井さんのピアノを聴いたのはいつ
だったんでしょうか?
下野:生で聴いたのは、学校だったんです。
辻井:そうなんです、上野学園の授業で・・・。
古市:最初の出会いは、指揮者とソリストではなく、先生と生徒
だったんですね?
下野:はい。彼がいっぱい取っている授業の1つで。時期的に、ちょうどコンクール優勝直後で、こちらもちょっと緊張しました。
スーパースターがやってくる!という感じで。でも本当によく勉強してきてくれて、音楽について一緒に討論したり・・・
楽しい時間でした。
2003年 読響と初共演
グリーグのピアノ協奏曲を演奏
この「深夜の音楽会」の公開収録だったんですよね?
辻井:はい、あの時はまだまだオーケストラとの共演の経験が少ない頃で、
そんな中、プロのオーケストラと共演できて、とても嬉しかったです。
昔からの憧れの曲でもありましたし・・・。
(VTRを見て・・・)
下野:14歳で・・・信じられないですよね。オーケストラと渡り合って・・・。
やはり昔から、綺麗な音ですよね。研ぎ澄まされていますね。
古市:今回は、ヴァン・クライバーンコンクール、本選で弾いた曲
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏していただきますが、
辻井さんは、この曲にどんな想いがありますか?
辻井:僕は、小学校3年生の時にロシアに行ったことがあり、公園で
走り回ったりして、自然の雄大さなどを感じました。それをイメージ
しながら、オーケストラと一体となって、いい音楽を作っていきたいです。
下野:きっと、コンクールを優勝なさってからいろんな経験をしたと思います。
その経験が良い面で演奏に現れているので、僕は彼の演奏から、
いろんな色が出てくるのを、いろんな想いが出てくるのを、指揮台の上で
待っていよう、と思っています。
辻井:これから、もっともっと、人間的にも音楽的にも、成長していきたいと
思っているので、皆さんに長い目で見ていただきたいと思います。
これからも、応援宜しくお願い致します。
♪ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
今回、辻井さんは「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」の決勝で弾いた、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を披露。磨き上げられた巧みなテクニックと、繊細な音色で、会場全体を魅了しました。客席には、皇太子殿下もご臨席され、辻井さんと読響の熱演をご堪能されたとのことです。
そして、鳴り止まない拍手に、辻井さんはアンコールを2曲演奏。
ショパンのノクターン第8番(作品27−2)と、辻井さんオリジナル曲の「川のささやき」です。
今回の放送では、そのうちの1曲「川のささやき」をお送りします。
♪辻井伸行:川のささやき
オリジナル曲をいくつも発表している辻井さん。
この曲は、お父様と一緒に神田川沿いを散歩していた時に、川のせせらぎが 聞こえてきて、それが川がささやいているように聞こえたのだそうです。
会場のお客様はもちろん、下野さん、オーケストラ団員の方たちも、辻井さんの澄んだ音色で奏でる「川のささやき」に、 うっとりと聴き入っていました。