モーツァルト 作曲「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」
ライナー・ホーネック&鈴木康浩 初共演!
モーツァルトの名曲を読響ならではのお二人が初共演。
聴き所、見所がたっぷりなプログラムです。
聴き所、見所がたっぷりなプログラムです。
ヴァイオリニストのライナー・ホーネックさんは
1961年、オーストリア出身。1992年からウィーン・フィルの
コンサートマスターとして活躍しています。
読響との共演も多く今回で4回目となります。2006年に
ライナーさんは、兄で指揮者のマンフレッド・ホーネックさんと
読響でブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」を共演し話題となりました。
ヴィオラの鈴木康浩さんは1976年生まれ。
99年に桐朋音楽大学を卒業。
2006年から読響のソロ・ヴィオラ奏者を務め
読響の中核を担う一人として読響メンバーから厚い信頼を
寄せられています。
モーツァルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」はモーツァルトが23歳のときに 作曲されました。協奏交響曲とは複数のソロ楽器を持った交響曲のことで、18世紀後半に 流行した形式です。
ソロのヴァイオリンとヴィオラ、オーケストラとソリスト二人が対話をしているような表現が多く モーツァルトの孤独や悲しみが表されている第2楽章は美しいといわれています。
お二人は、この作品の演奏を何度も経験されていますが、初共演ということでお話を伺いました。
初共演の感想は?
ライナー:鈴木さんはとてもフレキシブルなので 気持ちよく演奏することができます。 これまでに この作品を何度も演奏しています。 時には 2人で曲の解釈 リズム テンポについて話し合い 弾き方を揃えなければならないこともあります。 しかし 鈴木さんとは 話し合いをせずに自然に 演奏することができました。
鈴木:世界のウィーン・フィルのコンサートマスターであるライナーさんとの共演ということで緊張していましたが、練習のときから気さくで〈ナイス・ガイ〉な方だったんです。ライナーさんが演奏するモーツァルトはすごくエレガントで軽いんですね。
軽いと言ってもフワフワした軽さではなく力強さのなかに軽さがある。これは実際に演奏すると とても難しいことなんですけど、とても素晴らしいんです。このことを、今回の共演で自分が吸収できたかどうかが、お楽しみということで、がんばります。
自分のオケでソリストとして演奏する感想は?
鈴木:読響の皆さんが、とても温かいのでうれしいのですが、その温かさがプレッシャーとなって 最初の練習のときはお腹が痛くて痛くてしょうがなくて、早く帰りたいという気持ちでした。
ライナーさんは、自分のオケの中でソリストとして演奏するときはいかがですか?
ライナー:難しいことですね。同僚であるオケのメンバーは好意的に思ってくれるものです。
しかし、自分が唯一無二のソリストであることを証明しなければなりません。
プレッシャーもありますが いい演奏であればメンバーは温かくサポートをしてくれますよ
演奏の見所とは?
鈴木:1楽章はとてもマエストーソで堂々としたフィーリングがあって2楽章に大きい感情の流れがあって、それがヴァイオリンとヴィオラの対話となりますね。そこが、一番見所だと思います。
そして、すべてを飲み込んで3楽章で明るく終わることができるので、とても起承転結ができている曲だと思います。
ライナー:第2楽章はとても美しく聴き応えがあります。そして曲の最後のパッセージは2人にとってハイライトとなりますね。
鈴木:一番最後は、演奏のテクニック的にソリストにとってはとても難しんです。
僕が弾いたあとにライナーさんが弾くのですが、そこは本当にハイライトだろうということですね。
読響初登場!
期待の女性指揮者 マリン・オルソップ
指揮者 マリン・オルソップさんはニューヨーク出身。
2007年にアメリカのボルティモア交響楽団の音楽監督に迎えられ、
パワフルな指揮ぶりで「ダイナミック・アメリカン・コンダクター」と 呼ばれています。
読響に初登場となるマリン・オルソップさんにお話を伺いました。
指揮者を目指したきっかけは?
私は2歳からピアノを始め 5歳からヴァイオリンを弾いていました。
9歳のときに父が バーンスタインが指揮する
ニューヨークフィルのコンサートに連れて行ってくれました。
バーンスタインを見た瞬間 「指揮者になりたい」と思ったのです。
女性指揮者として苦労されたことは?
性別に関係なく指揮者になることは難しいと思います。指揮者になる機会が多くあるというわけでもないからです。私は常に自分自身を誰かと比較したことはありません。
女性が様々な分野で活躍できる時代となったのは幸運なことだと思います。
もし、私が生まれた時代が30年前だったら指揮者には、なれていなかったと思います。
次世代の女性が活躍する場を作るという非常にうれしい責務を感じています。
日本のクラシックファンへメッセージ
ブラームスは私にとって大切な作曲家です。
12歳で初めてブラームスを聴いたとき、音楽が人生を変えるという経験をしました。
みなさんも、演奏を聴いて同じことを感じていただけたらと思います。