2月9日(水)深夜1:59〜2:59

指 揮 キンボー・イシイ=エトウ
指 揮 シルヴァン・カンブルラン
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)

ドヴォルザーク作曲:
交響曲第8番 ト長調 作品88

※2010年10月28日 昭和女子大学人見記念講堂にて収録

シルヴァン・カンブルラン作曲:
金管五重奏のためのディベルティスマン

※2010年7月13日 東京芸術大学奏楽堂にて収録



10年ぶりに登場!
キンボー・イシイ=エトウ

ヨーロッパやアジアで活躍する指揮者キンボー・イシイ=エトウさんが10年ぶりに読響に登場!
お送りしたのはドボ8の愛称で有名なドヴォルザークの交響曲第8番です。

キンボー・イシイ=エトウ
ベルリン・コーミッシェ・オーパー
首席カペルマイスターとして数々のオペラを指揮
ヨーロッパやアジアの数々のオーケストラに客演
現在 大阪交響楽団の首席客演指揮者 
マグデブルグ劇場(ドイツ)の音楽監督

〜古市幸子 × キンボー・イシイ=エトウ〜

古市:読響とは実に10年ぶりの共演ですね?
キンボー:はい。日本デビューをしたのがいきなり読響さんだったので、
     すごく新鮮な気持ちで戻って来られましたし、それなりに色々と
     手の内がわかっているので、逆にちょっと緊張してしまいました。
     知っている人が多く、僕にソルフェージュを教えてくれた先輩方も
     いるので。

古市:懐かしさもあれば、久しぶりに帰ってきた緊張みたいなものも
   あるんですね。

齋藤秀雄メモリアル基金賞・・・
音楽芸術文化の発展に貢献し、将来一層の活躍が期待される若手チェリスト・指揮者に贈られる。
古市:そして昨年は、齋藤秀雄メモリアル基金賞の受賞、
   おめでとうございます。

キンボー:実は一度、この賞はお断りしているんですよ。
古市:前の年に辞退されているそうですね。

キンボー:そうなんです。ですが小澤征爾先生の関係者の方から事務所に
     連絡があって、「また受賞ということになっているんだけど…」
     という話になって…。もしどうしても賞を貰うということになったら、
     次世代を育成する団体に賞金を寄付するとかそういうことでも
     しないと。受賞をして、受け皿みたいにして賞金を渡すという
     ことだったら、人の為になっていますし。結果的に、
     ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラの方に寄付しました。

1992年〜小澤征爾に指揮法を師事
1996年〜98年タングルウッド音楽祭にて小澤征爾の副指揮を務めた

小澤征爾
第9回齋藤秀雄メモリアル基金賞贈賞式にて

古市:でも小沢征爾さんのお気持ちは嬉しいですよね。
キンボー:贈賞式の時に、小澤先生が「キンボー、私はあなたのことを
     見ているということを忘れないでください」っておっしゃったんですよ。
     この言葉は今までのすべてのメイクアップですよね。何が答えか
     まだ分かっていないですよ。先生は何を僕に教えたかったのか
     まだわからないんです。けれども、僕のことを何か見てくれて
     いたっていうことだけでいいんじゃないかなと思います。


古市:さて今回は、ドヴォルザークの交響曲第8番を演奏されますが、
   聴きどころはどんなところでしょうか?


キンボー:この曲は、アメリカや他のカルチャーの影響を受けている
     「新世界」とは違います。ボヘミアの土の匂いというか、そういうのが
     出せるという点で、この曲は読響さんにすごく合っていると
     思います。その部分を聞いて頂きたいです。
     とにかく音色そのものが8番にとても合っています。



特集!第9代常任指揮者シルヴァン・カンブルラン!!

独自のセンスが光るプログラムで注目を集めているカンブルランさん。就任2年目となる2011年からのラインナップについて、記者会見が行われました。
就任1シーズン目のテーマ「ペレアスとメリザンド」に続き、就任2シーズン目にカンブルランさんが打ち出したテーマは、「ロミオとジュリエット」。人間にとって最も普遍的な「愛」「悲劇」の物語。ここから生まれた様々な音楽作品をとりあげます。


私のテーマ「ロミオとジュリエット」というのは、大勢の方が取り上げています。色々な作曲家がこのテーマで書いていますが、 「愛と死」以外にも「喜び」という要素があります。それと比べると「ペレアスとメリザンド」というのは「愛と死」という二つの要素だけです。しかし「ロミオとジュリエット」の場合では、皆様が微笑まれるシーンもあると思います。


今回はもうひとつ、カンブルランさんの知られざる顔をご紹介しましょう!

カンブルランさんは、かつてリヨン国立管弦楽団でトロンボーン奏者を務め、この楽団のメンバーによる金管五重奏団のために、「ディヴェルティスマン」を作曲しました。カンブルランさんが20代前半に書いたというこの曲。作曲者立ち会いのもと、実に30年ぶりに東京藝術大学の学生たちによって演奏されました。

本当に楽しい時間でした。30年も前のことですから。すごく懐かしく、昔のはにかむ思い出がたくさん蘇ってきました。最近すっかり忘れていましたが、トロンボーンを吹いていた若い頃の自分を思い出しました。

次回の放送は、そんなシルヴァン・カンブルランさんを特集します!

3月9日(水)放送
指揮:シルヴァン・カンブルラン
ヴァイオリン:ヴィヴィアン・ハーグナー

ドビュッシー作曲(コンスタン編曲)
 「ペレアスとメリザンド」交響曲
コルンゴルト作曲
 ヴァイオリン協奏曲から

どうぞお楽しみに!
キンボー・イシイ=エトウ (指揮者) Kimbo Ishii-Eto(conductor)
幼少期を日本で過ごしヴァイオリンを風岡裕氏に学ぶ。12歳で渡欧しウィーン市立音楽院でワルター・バリリ、その後ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイらに学んだ後に指揮に転向。
ニューヨーク州カユーガ室内管弦楽団の音楽監督を7シーズン務めた後、2007年よりアマリロ交響楽団(テキサス州)第16代音楽監督に就任。また2006年より2年間、ベルリン・コーミッシェ・オーパーの首席カペルマイスターとして質の高いパフォーマンスを披露し、その後も客演として度々指揮している。
2009年大阪交響楽団(旧 大阪シンフォニカー交響楽団)首席客演指揮者に就任。2010年12月より、ドイツのマグデブルグ劇場音楽監督に就任。
シルヴァン・カンブルラン(読売日響第9代常任指揮者) Sylvain Cambreling(conductor)
1948年フランス・アミアン出身。バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)交響楽団の首席指揮者およびクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を務めており、独創的なプログラミングと、現代音楽に対する深い造詣が高く評価されている。オペラの分野ではベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽総監督を務め、またザルツブルク音楽祭への出演のほか、パリ・オペラ座の主要な指揮者として多くの作品を指揮。 これまでにウィーン・フィル、ベルリン・フィル、クリーヴランド管、ロサンゼルス・フィルなどを指揮。
2010年4月、読売日響第9代常任指揮者に就任。 2012年のシーズンから、シュトゥットガルト歌劇場の音楽監督に就任することが決まった。