3月9日(水)深夜1:59〜2:59

指 揮 シルヴァン・カンブルラン
ヴァイオリン ヴィヴィアン・ハーグナー
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)

ドビュッシー作曲(コンスタン編曲):
<ペレアスとメリザンド>交響曲

コルンゴルト作曲:
ヴァイオリン協奏曲から

※2010年11月27日 東京芸術劇場にて収録



第9代常任指揮者
シルヴァン・カンブルラン特集!

今回は、2010年に読響第9代常任指揮者に就任された、シルヴァン・カンブルランさんの特集です。

シルヴァン・カンブルラン
ベルギー王立モネ劇場、フランクフルト歌劇場、SWR響などの要職を歴任し、2012年のシーズンからシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督に就任するなど、オーケストラ・オペラの両ジャンルで活躍中。
独創的なプログラミングと現代音楽への造詣の深さには定評がある。
2010年4月 読売日本交響楽団第9代常任指揮者に就任。


カンブルランさんが就任1シーズン目、2010年に掲げたテーマは<ペレアスとメリザンド>
19世紀末から20世紀にかけて数々の作曲家たちが、メーテルリンクの戯曲<ペレアスとメリザンド>に魅了され、傑作を残しました。
ペレアスとメリザンド
ベルギーの劇作家メーテルリンクが書いた戯曲。あらすじは…
ある国の王子ゴローが森の中で若く美しいメリザンドに出会い、城に連れて帰り妻にする。ゴローの異父弟ペレアスは、メリザンド に惹かれやがて愛し合うようになる。それを知ったゴローは嫉妬に狂いペレアスを殺してしまう。メリザンドはショックのあまり病の床に伏すが、瀕死の状態ながらも子供を授かる。ゴローは自分のしたことを後悔しながらも、メリザンドにペレアスとの仲を問いただす。しかし思うような答えが得られないまま、子を産みさらに容態が悪化したメリザンドは静かに息を引き取る。

カンブルランさんが選んだ3つの〈ペレアスとメリザンド〉
シェーンベルク/交響詩<ペレアスとメリザンド>
フォーレ/付随音楽<ペレアスとメリザンド>
ドビュッシー(コンスタン編曲)/<ペレアスとメリザンド>交響曲

シルヴァン・カンブルラン インタビュー


Q.〈ペレアスとメリザンド〉をテーマにを選んだ意図は?
私はいつも聴衆に特別なテーマを与えたいと思っています。それは皆さんがドラマのように理解できるものです。今回は「ペレアスとメリザンド」をテーマに3曲選びました。




3つは同じ物語なのですが、3つの違うスタイルで演奏されています。それを聴衆に積極的に聴いて頂きたいと思いました。それぞれの作曲家の違いを聴き比べて頂きたいと思います。今後もこの様なテーマを毎回シーズンごとに何か企画していきたいと思っています。
今回は、ドビュッシーのオペラ〈ペレアスとメリザンド〉を、ルーマニアの作曲家コンスタンが編曲した交響曲をお送りしました。

コンスタン(1925〜2004)
ルーマニアに生まれ、パリで学んだ作曲家。舞台や映画の音楽を数多く手がけ、
アメリカのテレビドラマ「トワイライトゾーン」のテーマ音楽の作曲者でもある。


ドイツのヴァイオリニスト
ヴィヴィアン・ハーグナー


続いてお送りしたのは、ドイツのヴァイオリニスト、ヴィヴィアン・ハーグナーさんの演奏で、
コルンゴルト作曲ヴァイオリン協奏曲。


ヴィヴィアン・ハーグナー
ベルリン・フィル チェコ・フィル ミュンヘン・フィルなど
世界の一流オーケストラと数多く共演。知性と情熱をあわせもった音楽性が高い評価をうけている。

コルンゴルト(1897〜1957)
19世紀末にウィーンで活躍。20世紀にアメリカに亡命し、ハリウッドの映画音楽界で活躍した。ヴァイオリン協奏曲は1945年に完成。自身が1930年代後半に書いた映画音楽の素材を引用しており、前衛的な響きの中に映画音楽風のロマンティックなメロディーが盛り込まれている。

ヴィヴィアン・ハーグナー インタビュー


Q.コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲の魅力は?
コルンゴルトはとても想像力豊かで、彼の用いるメロディーというのはすごく独創的です。
彼独自の、いつでも口ずさめるような美しいメロディーがこの曲にも多く現れてきます。

今回の放送では、第1楽章と第3楽章をお送りいたしました。




読響2011年−2012年
シーズンプログラム情報!


読響の2011年−2012年シーズンも素晴らしいコンサートが目白押し!
出演者やプログラムの聴きどころについて、記者会見が行われました。



常任指揮者シルヴァン・カンブルランさんが、就任2シーズン目に
打ち出したテーマは〈ロミオとジュリエット〉
愛と悲劇の物語をどのように描き出すのか興味はつきません。



正指揮者の下野竜也さんは20世紀ドイツの作曲家ヒンデミット
作品と共に、平和への祈りをテーマとする現代の作品を紹介します。



桂冠名誉指揮者(元常任指揮者)スタニスラフ・スクロヴァチェフスキさんは、
ファンからの熱いラブコールに応え、ブルックナーで再登場!



ドイツで活躍する指揮者、上岡敏之さんは、マーラーの交響曲第4番や、
R.シュトラウスの管弦楽選集を。日本のオーケストラを指揮する
貴重なチャンスも見逃せません。



今日本で最も熱い注目を浴びるピアニスト、辻井伸行さんによる、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番〈皇帝〉。



名指揮者ズデニェク・マーツァルさんはマーラーの交響曲第5番で
読響初登場!
さらに、東京オペラシティでの新しいシリーズもスタートします。
読響の新しいシーズン、どれもこれも聴き逃せないものばかりです!

チケットのお申し込み・お問い合わせは・・・
「読売日響チケットセンター」 03-3562-1550(平日 10:00〜18:00)

シルヴァン・カンブルラン(読売日響第9代常任指揮者) Sylvain Cambreling(conductor)
1948年フランス・アミアン出身。バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)交響楽団の首席指揮者およびクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を務めており、独創的なプログラミングと、現代音楽に対する深い造詣が高く評価されている。オペラの分野ではベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽総監督を務め、またザルツブルク音楽祭への出演のほか、パリ・オペラ座の主要な指揮者として多くの作品を指揮。 これまでにウィーン・フィル、ベルリン・フィル、クリーヴランド管、ロサンゼルス・フィルなどを指揮。
2010年4月、読売日響第9代常任指揮者に就任。 2012年のシーズンから、シュトゥットガルト歌劇場の音楽監督に就任することが決まった。
ヴィヴィアン・ハーグナー(ヴァイオリン) Viviane Hagner(Violin)
ヴィヴィアン・ハーグナーは、その高度で知的な音楽性と情熱的な芸術性で際立った賞賛を浴びているヴァイオリストである。ミュンヘンに生まれ、12歳で国際デビューを果たし、その翌年にはテルアビブにて、ズービン・メータの指揮によるイスラエル・フィルとベルリン・フィルの歴史的なジョイント・コンサートに出演。以来、ベルリン・フィル、シュターツカペレ・ベルリン、チェコ・フィル、バイエルン国立管、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ミュンヘン・フィル、シカゴ響、ニューヨーク・フィル、ボストン響、フィラデルフィア管などといった、世界の主要なオーケストラと共演している。
ヴィヴィアン・ハーグナーは、日本音楽財団の厚意により、1717年製作のストラディバリウス「サセルノ」を借り受け、演奏している。読売日響とは2000年1月に初共演。翌2月にはヨーロッパツアーにも出演し、フランクフルトでモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を演奏した。