10月12日(水)深夜2:44〜3:44

指 揮 大友直人
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)

サン=サーンス作曲:
交響曲第3番 ハ短調 作品78 「オルガン付き」
ヴォーン・ウィリアムズ作曲:
タリスの主題による幻想曲から

※2011年2月3日 東京オペラシティ コンサートホール



今回は、大友直人さんの指揮で、
オルガンにまつわる2つの作品をお送りしました。

サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」
サン=サーンス(1835−1921)
19世紀フランスの作曲家。オルガンとピアノのヴィルトゥオーソとしても活躍した。交響曲第3番は、オーケストラにオルガンを加えた壮大なシンフォニーとなっている。


指揮者・大友直人 インタビュー
♪サン=サーンス「交響曲第3番」の聴きどころは?
この曲は、サン=サーンスの代表的なオーケストラ作品ですが、オーケストラの歌わせ方や楽器の使い方が本当に巧みに出来ていると思います。管楽器はもちろんですが、弦楽器もかなり目立ったソリスティックな動きをするところがあるので、そういった意味でもオーケストラを存分に楽しんでいただけると思います。また、この曲にはピアノも入っています。サン=サーンスは自身もピアニスト・オルガニストとして有名でしたので、鍵盤楽器をオーケストラの中に上手く混ぜるというような作曲法も楽しんでいただければと思います。

♪オーケストラとオルガンが一緒に演奏する難しさは?
パイプオルガンは、ホールによってみんな違います。ですからその演奏するホールのオルガンと、オーケストラのバランスをとるのは技術的に難しいところです。音量のバランスや音色の作り方は主にオルガニストの力量によります。今回の新山恵理さんは素晴らしいオルガニストで、短いリハーサルの中でも上手く作ってくださり、安心して演奏できます。

 


ヴォーン・ウィリアムズ タリスの主題による幻想曲
タリス (1505ころ−1585)
16世紀に活躍した、イギリスのオルガニスト。その頃の教会音楽では、合唱を複数のグループに分けて歌い交わす「交唱」という演奏スタイルが盛んに行われていた。


ヴォーン・ウィリアムズは、その「交唱」の響きを再現するために、オーケストラを、
弦楽四重奏一組、大小二つの弦楽合奏(第一弦楽オーケストラ、第二弦楽オーケストラ)
という編成に分け、立体的なサウンドを作り出している。


ヴォーン・ウィリアムズ
(1872‐1958)


指揮者・大友直人 インタビュー

♪「タリスの主題による幻想曲」について
この曲は弦楽器だけの作品ですが、なかなか凝った作りになっていて、非常に多声的な、色々な声部が混ざり合う書き方になっています。ほとんどは一緒に動いているのですが、時々遠くからエコーのように、遠くから響いてきます。そういう空間を上手く使った作曲法ですよね。


読響が贈る
あなただけのホームコンサート


読響が、今シーズンからスタートした「あなただけのホームコンサート」。シーズンプログラムの年間会員の方の中から抽選で1名様だけに贈られるスペシャルプレゼントが先日贈呈され、その模様をお送りしました。

初の当選者となったのは、埼玉県にお住まいの松田浩章さん。今回は、奥様とのちょっと早い金婚式のお祝いと、地域の方々への感謝の気持ちを読響の音楽を通して伝えたい、という思いをこめて応募されました。
演奏されたのは、松田さんが「思い出の曲」としてリクエストした、ドヴォルザーク「弦楽四重奏曲第12番」。また、この日は松田さんの誕生日で、読響メンバーの演奏する「ハッピーバースデー」の曲に合わせ、松田さんのご家族やご友人、地域の方々が歌でお祝いしました。


読響コンサートへの誘い!!


首席クラリネット
藤井洋子
11月24日(木) PM7:00 東京オペラシティコンサートホール
11月25日(金) PM7:00 サントリーホール


メンデルスゾーン/序曲<フィンガルの洞窟>作品26
ショーソン/愛と海の詩 作品19
ワーグナー/歌劇<さまよえるオランダ人>序曲
ドビュッシー/海

指揮:シルヴァン・カンブルラン(読売日響常任指揮者)
メゾ・ソプラノ/林美智子

今度のカンブルランさん指揮のドビュッシー「海」ですが、実は初めてお会いした時のプログラムに「海」が入っていて、その時はとにかく、有名なカンブルランさんにお会いできることをとても楽しみにしていました。月日を重ねて何度も共演し、また同じ曲を一緒に演奏することができて、すごく楽しみです。この曲は、管楽器が色のパレットのように使われていて、カンブルランさんの指揮で演奏すると特におもしろくて、ワクワクします。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。

大友直人(指揮者)  Naoto Otomo(conductor)
現在、東京交響楽団常任指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、東京文化会館音楽監督、琉球交響楽団ミュージックアドバイザーを兼任。 在京オーケストラの定期演奏会にとどまらず、これまでにコロラド交響楽団、インディアナポリス交響楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団などへの客演も行い、欧米での活躍にも大きな期待が寄せられている。 また1988年日生劇場における「魔弾の射手」でのオペラデビュー以来、オペラの指揮も高く評価されている。特に、2006年プッチーニ音楽祭にて三枝成彰作曲オペラ「Jr.バタフライ」を指揮し、大いに注目を集めた。近年では教育的活動にも力を注ぎ、「こども定期演奏会(東京交響楽団)」や「東京音楽コンクール(東京文化会館主催)」などを行うほか、国際音楽セミナー「ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン」を盟友である指揮者アラン・ギルバートと毎年開催するなど、活発な活動を行っている。 2000年第8回渡邉暁雄音楽基金音楽賞、2008年第7回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。