9月19日(水)深夜2:14〜3:14

指 揮 藤岡幸夫
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 松井咲子

ムソルグスキー作曲(ラヴェル編曲):
組曲<展覧会の絵>

吉松 隆作曲:
朱鷺によせる哀歌

※2012年7月5日 東京オペラシティ コンサートホール



≪世界中で人気の高い名曲!組曲「展覧会の絵」≫
藤岡幸夫さんの指揮で、ムソルグスキー作曲(ラヴェル編曲)組曲「展覧会の絵」をお送りしました。
藤岡幸夫
慶應義塾大学文学部卒業。1994年ロンドンにてデビュー。BBCフィルとの録音、NHK大河ドラマ「平清盛」の劇中音楽の指揮を務めるなど、国境を越えて幅広く活躍中。関西フィルハーモニー首席指揮者。

組曲「展覧会の絵」は、ロシアの作曲家・ムソルグスキーが作曲したピアノ曲。
のちにラヴェルが大編成のオーケストラ用に編曲を施し、一躍有名になった。
ムソルグスキー(1839〜1881)
ロシアの作曲家。
国民主義の音楽を確立した「ロシア5人組」の1人。
陸軍士官学校を経て、官吏を本職としながら独創的な作品を多く残した。
ラヴェル(1875〜1937)
フランスの作曲家。
生涯をパリで過ごしたが、母がスペイン系であったことから、
「ボレロ」「ハバネラ」などスペイン的な作品も多い。

〜指揮者・藤岡幸夫&MC・松井咲子〜

松井:組曲「展覧会の絵」の原曲であるピアノ版の魅力ですが、
   ピアノはオーケストラと違って1回音を出したらそのまま
   音に幅が出ないというか、オーケストラの方が人数が多い分
   音に幅が出ると思うんですけど、ピアノはそうではなくて。
   でもそれもひとつの魅力かな、と私の中では思っているんですけど。



藤岡:ムソルグスキーがこのオリジナルのピアノ曲を書く前は、とても
   落ちぶれていて、その中で唯一の友達が画家のハルトマンだった。
   ところがある日そのたった一人の友達が死んでしまいます。
   それでハルトマンの小さな個展に行った時にムソルグスキーが
   衝撃を受けるわけです。
   「一体今まで俺は何をやっていたんだ!」と、そう思ってこの曲を
   書いているんです。この曲はただ絵の説明をしているのではなくて、
   とにかく親友への思い、芸術への思い、それから自分への怒りすべてが
   込められているんですよ。ピアノバージョンの持つ強烈なモノクロの、ムソルグスキーの親友への思いというものを、
   僕は絶対オーケストラでも表現しようと意識しています。

松井:先程のリハーサルを見させて頂いてその演奏とお話がすごくリンクして、「なるほどな」、と勉強になりました。
   この作品を読響で聴く最大の魅力は?

藤岡:読響というと、僕のイメージはゴージャスなんですよ。豪華絢爛。一人一人個々のプレーヤーがすごく
   目立つ曲なので、すごく楽しみにしています。

松井:ひとつ私の中で疑問があるんですけど、これだけオーケストラの方の人数が多いと、「こう演奏したい」
   という自分の意思を持っている方が多いと思うのですが、意見が食い違ったときはどうするんですか?

藤岡:色々言われたらもちろん僕が聞く耳を持つし、僕自身もそれを
   参考にするし、僕よりも先輩の音楽家の方々もたくさんいます。
   ただ他の方に「こうじゃないか?」と言われても
   「とりあえず、今回は僕のこのやり方でやらせていただけませんか」
   というのが僕の仕事なんです。逆に言えばオーケストラの方達も
   指揮者によって違うということも分かっているから引き出しが
   いっぱいあるんですよ。
   「この指揮者はこっちの引き出し」という風にやってくれるのは
   やっぱりプロですね。



≪吉松隆作曲「朱鷺によせる哀歌≫
吉松 隆(1953〜)
東京生まれ。幼少よりピアノに触れ、14歳で作曲家を志す。
NHK大河ドラマ「平清盛」の音楽を手がけるなど、現代の日本を代表する作曲家。「朱鷺によせる哀歌」は、日本の本州に生息する最後の朱鷺が死んだことに吉松さんが心を痛め、その思いを音楽にした作品。



この曲のオーケストラ配置は、上から見ると、朱鷺が羽を広げた形に見えるよう、スコアに指定がされている。
指揮とピアノを中心に、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロが左右に同数ずつ分かれて並んで「両翼」となり、最後方に一列に並んだコントラバスが「尾」を表している。


読響コンサートへの誘い!!〜 from野本洋介(打楽器)

打楽器
野本洋介

10月27日(土)PM6:00 サントリーホール

ツェンダー/「般若心經」-バリトンとオーケストラのための
      (創立50周年記念 読響委嘱作品/世界初演)
細川 俊夫/「ヒロシマ・声なき声」
      -独奏者、朗読、合唱、テープ、オーケストラのための

指揮:シルヴァン・カンブルラン
バリトン:大久保光哉
アルト :藤井美雪
合  唱:ひろしまオペラルネッサンス合唱団(合唱指揮=もりてつや)

今回のプログラムは、現代曲ということで、新しい響きだったり、新しい音色がたくさん溢れる曲になるのではないかなと思います。特に打楽器は色々な奏法で演奏したり大忙しなことが多いのですが、そんなところも楽しみに聴きに来て頂けたらなと思います。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。

藤岡幸夫(指揮者) Sachio Fujioka(conductor)
東京生まれ。幼少よりピアノ、チェロを学ぶ。故渡邊暁雄の最後の愛弟子。サー・ゲオルグ・ショルティのアシスタントを務める。慶応義塾大学文学部卒。日本フィル指揮研究員を経て90年に英国王立ノーザン音楽大学指揮科に入学。92年「サー・チャールズ・グローヴス記念奨学賞」を特例で受賞。1994年ロンドンの夏恒例の名物「プロムス」にデビューし大成功を収めた後、海外オーケストラに数多く客演。マンチェスター室内管弦楽団首席指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団指揮者を歴任し、現在関西フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者。同楽団とは毎年40公演以上を指揮し13年目のシーズンを迎え、その一体感溢れる演奏は聴衆を魅了し、高い評価を得ている。06年スペイン・オペラへのデビューとなった国立オヴィエド歌劇場「ねじの回転」は、その年のスペインの新演出オペラのベスト・パフォーマンス・オブ・ザ・イヤーとなる。英シャンドスと契約、BBCフィルとCDを8枚リリース。また関西フィルとはALMRECORDSにシベリウス交響曲全曲録音を進行中。NHK大河ドラマ「平清盛」の劇中音楽の指揮を務めるなど、活躍の場はいとまがない。2002年度渡邊暁雄音楽基金音楽賞受賞。
公式ファンサイト https://www.fujioka-sachio.com