≪読響初?指揮者のいない演奏会≫
今回は、「指揮者のいない演奏会」と題して、「指揮者なし」で行った演奏会の模様をお届けいたしました。
「指揮者のいない演奏会」をまとめたのは、今年で読響コンサートマスター就任15年となる小森谷巧さん。
小森谷巧
両親に手ほどきを受け、桐朋学園音楽家ディプロマコースを経て、ウィーン国立音大へ留学。その後英国へ渡る。徳永二男、ヨゼフ・スーク、イフラ・ニーマンの各氏に師事。リピツァヴァイオリンコンクール、フムル国際コンクール等で、特別賞、シェリング賞などを受賞。英国王立音大の演奏ディプロマを首席で獲得し、帰国。
1999年より読響のコンサートマスターを務める。
両親に手ほどきを受け、桐朋学園音楽家ディプロマコースを経て、ウィーン国立音大へ留学。その後英国へ渡る。徳永二男、ヨゼフ・スーク、イフラ・ニーマンの各氏に師事。リピツァヴァイオリンコンクール、フムル国際コンクール等で、特別賞、シェリング賞などを受賞。英国王立音大の演奏ディプロマを首席で獲得し、帰国。
1999年より読響のコンサートマスターを務める。
〜小森谷巧(読響コンサートマスター)×松井咲子(AKB48)〜
松井 「指揮者のいない演奏会」と聞いた時には、「そのようなことは可能なのかな?」と思ったのですが実際に演奏してみていかがでしたか?
小森谷 実は、皆さんが思っているよりは簡単なんです。それは、指揮者が
いる場合でも皆で音を聴き合い、指揮者が出せない指示はお互い
アイコンタクトを取る習慣があるからです。指揮者がいないと自分たちで
積極的に音楽と関わっていかなければならないので、いい演奏ができる
ことも多いと思いますね。
松井 実際に指揮者なしで演奏してみて演奏にどのような効果がありましたか?
小森谷 緊張感が普段より非常に増していました。逆に、普段よりものびのびと
弾けたという部分もありましたね。一言で言うと「爽快感」と言いますか…
とても楽しかったですよ。
♪ヴィヴァルディ/4つのヴァイオリンのための協奏曲
この曲でソロを務めたのは4人の読響メンバー!
読響
コンサートマスター
小森谷 巧
コンサートマスター
小森谷 巧
読響アシスタント・
コンサートマスター
伝田 正秀
コンサートマスター
伝田 正秀
読響第2ヴァイオリン
首席契約団員
瀧村 依里
首席契約団員
瀧村 依里
読響第2ヴァイオリン
首席代行
肥田 与幸
首席代行
肥田 与幸
松井 今回演奏した「4つのヴァイオリンのための協奏曲」というのは、ソリストが4人というあまり見ることがない編成ですが、
4人のソリストの方は読響で普段演奏されている方々ですよね。
小森谷 ええ、もちろんそうです。アシスタント・コンサートマスターや首席など読響の中心となっているヴァイオリニストです。
松井 その4人で演奏してみていかがでしたか?
小森谷 「若さ」や「パワー」「エネルギー」などを感じました。それぞれの音楽に個性が表れていたので、4つの個性が
ぶつかり合っているような演奏でした。
♪チャイコフスキー/弦楽セレナード
この曲では、小森谷さんの発案で「立奏」による演奏となりました。
松井 私のイメージでは立って演奏すると体全体が使えるというメリットがあるのではと思うのですがいかがでしたか?
小森谷 その通りです。音としても弾いている側としてものびのびすると思います。
松井 普段座られて演奏することが多いかと思うのですが、普段と違う立奏で演奏することによって皆さんの気持ちの面で
変化はありましたか?
小森谷 普段は目線が座った低い位置ですが、立ったことによってより緊張感が増していました。何よりも「のびのびと弾きたい」
という気持ちが強かったです。「後ろの人たちが見えにくいのでは?」という話もありましたが、そのリスクを考えるよりも
のびのびと良いチャイコフスキーを演奏したいと思いました。
♪シューベルト/交響曲 第7番「未完成」
松井 小森谷さんは読響のコンサートマスターを務めて15年経つそうですが、小森谷さんが考える現在の読響の魅力は
どのようなところでしょうか?
小森谷 演奏が熱いことやどんなときでも全力なところですね。一人一人が積極的に音楽に取り組んでいる方ばかりなので、
私はとても信頼していますし頼もしい仲間たちです。
松井 指揮者がいない交響曲 第7番「未完成」ですが、指揮者なしでのシンフォニーではどのように皆さんと合わせて
いかれましたか?
小森谷 30年以上コンサートマスターをしている経験によると、楽器の上げ下げや管楽器の方たちと同じような感覚で息を
吸うことが合図になりますね。
松井 リハーサルでのメンバーの皆さんの様子はいかがでしたか?
小森谷 普段より口数が多かったです。「ここどうしようか。」「こっちの方法で行きますか。」など演奏についての方針を語り合う
ことが、指揮者がいるときよりも多かったですね。あとは、皆の視線をいつもより感じました。
松井 今回の「指揮者のいない演奏会」は読響だからこそできたのでしょうか?
小森谷 読響は皆仲間意識が強く、一人一人の演奏技術も高いので、「読響は指揮者なしでもここまでできるぞ」ということを
知っていただき、聴いていただければと思います。