2014年7月16日(水)深夜2:44〜3:44
BS日テレでは
7月26日(土)朝7:00〜8:00に放送

コンサートマスター 小森谷巧
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 松井咲子(AKB48)

♪ヴィヴァルディ作曲:
4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 RV.580から第1楽章
(合奏協奏曲集<調和の霊感>作品3から第10番)

♪チャイコフスキー作曲:
弦楽セレナード ハ長調 作品48 から第4楽章

♪クライスラー作曲:
美しきロスマリン

♪シューベルト作曲:
交響曲 第7番 ロ短調 「未完成」

♪マスネ作曲:
タイスの瞑想曲

※2014年4月3日東京オペラシティ コンサートホール



≪読響初?指揮者のいない演奏会≫
今回は、「指揮者のいない演奏会」と題して、「指揮者なし」で行った演奏会の模様をお届けいたしました。
「指揮者のいない演奏会」をまとめたのは、今年で読響コンサートマスター就任15年となる小森谷巧さん。
小森谷巧
両親に手ほどきを受け、桐朋学園音楽家ディプロマコースを経て、ウィーン国立音大へ留学。その後英国へ渡る。徳永二男、ヨゼフ・スーク、イフラ・ニーマンの各氏に師事。リピツァヴァイオリンコンクール、フムル国際コンクール等で、特別賞、シェリング賞などを受賞。英国王立音大の演奏ディプロマを首席で獲得し、帰国。
1999年より読響のコンサートマスターを務める。


〜小森谷巧(読響コンサートマスター)×松井咲子(AKB48)〜
松井  「指揮者のいない演奏会」と聞いた時には、「そのようなことは可能
     なのかな?」と思ったのですが実際に演奏してみていかがでしたか?

小森谷 実は、皆さんが思っているよりは簡単なんです。それは、指揮者が
     いる場合でも皆で音を聴き合い、指揮者が出せない指示はお互い
     アイコンタクトを取る習慣があるからです。指揮者がいないと自分たちで
     積極的に音楽と関わっていかなければならないので、いい演奏ができる
     ことも多いと思いますね。

松井  実際に指揮者なしで演奏してみて演奏にどのような効果がありましたか?
小森谷 緊張感が普段より非常に増していました。逆に、普段よりものびのびと
     弾けたという部分もありましたね。一言で言うと「爽快感」と言いますか…
     とても楽しかったですよ。


♪ヴィヴァルディ/4つのヴァイオリンのための協奏曲
この曲でソロを務めたのは4人の読響メンバー!
読響
コンサートマスター
小森谷 巧
読響アシスタント・
コンサートマスター
伝田 正秀
読響第2ヴァイオリン
首席契約団員
瀧村 依里
読響第2ヴァイオリン
首席代行
肥田 与幸


松井  今回演奏した「4つのヴァイオリンのための協奏曲」というのは、ソリストが4人というあまり見ることがない編成ですが、
     4人のソリストの方は読響で普段演奏されている方々ですよね。

小森谷 ええ、もちろんそうです。アシスタント・コンサートマスターや首席など読響の中心となっているヴァイオリニストです。
松井  その4人で演奏してみていかがでしたか?
小森谷 「若さ」や「パワー」「エネルギー」などを感じました。それぞれの音楽に個性が表れていたので、4つの個性が
     ぶつかり合っているような演奏でした。


♪チャイコフスキー/弦楽セレナード
この曲では、小森谷さんの発案で「立奏」による演奏となりました。

松井  私のイメージでは立って演奏すると体全体が使えるというメリットがあるのではと思うのですがいかがでしたか?
小森谷 その通りです。音としても弾いている側としてものびのびすると思います。
松井  普段座られて演奏することが多いかと思うのですが、普段と違う立奏で演奏することによって皆さんの気持ちの面で
     変化はありましたか?

小森谷 普段は目線が座った低い位置ですが、立ったことによってより緊張感が増していました。何よりも「のびのびと弾きたい」
     という気持ちが強かったです。「後ろの人たちが見えにくいのでは?」という話もありましたが、そのリスクを考えるよりも
     のびのびと良いチャイコフスキーを演奏したいと思いました。


♪シューベルト/交響曲 第7番「未完成」

松井  小森谷さんは読響のコンサートマスターを務めて15年経つそうですが、小森谷さんが考える現在の読響の魅力は
     どのようなところでしょうか?

小森谷 演奏が熱いことやどんなときでも全力なところですね。一人一人が積極的に音楽に取り組んでいる方ばかりなので、
     私はとても信頼していますし頼もしい仲間たちです。

松井  指揮者がいない交響曲 第7番「未完成」ですが、指揮者なしでのシンフォニーではどのように皆さんと合わせて
     いかれましたか?

小森谷 30年以上コンサートマスターをしている経験によると、楽器の上げ下げや管楽器の方たちと同じような感覚で息を
     吸うことが合図になりますね。

松井  リハーサルでのメンバーの皆さんの様子はいかがでしたか?
小森谷 普段より口数が多かったです。「ここどうしようか。」「こっちの方法で行きますか。」など演奏についての方針を語り合う
     ことが、指揮者がいるときよりも多かったですね。あとは、皆の視線をいつもより感じました。

松井  今回の「指揮者のいない演奏会」は読響だからこそできたのでしょうか?
小森谷 読響は皆仲間意識が強く、一人一人の演奏技術も高いので、「読響は指揮者なしでもここまでできるぞ」ということを
     知っていただき、聴いていただければと思います。


小森谷巧(読響コンサートマスター) Takumi Komoriya(concertmaster)
両親に手ほどきを受け、桐朋学園音楽科ディプロマコースを経て、ウィーン国立音大へ留学。その後英国へ渡る。徳永二男、ヨゼフ・スーク、イフラ・ニーマンの各氏に師事。
リピツァヴァイオリンコンクール、フムル国際コンクール等で、特別賞、シェリング賞などを受賞。英国を中心に欧州で活躍。「The STRAD」で好評を得る。英国王立音大の演奏ディプロマを首席で獲得し、帰国。
1987年、東京交響楽団に入団、首席コンサートマスターとして活躍。1993年よりストリングス アンサンブル「ヴェガ」のディレクター。94、96年には東京交響楽団ヨーロッパ公演のソリストとして、ウィーン、ミュンヘン、リスボン、バレンシアの各地で好評を博す。
91年、第1回出光音楽賞受賞。また、96年、2007年にはソロアルバムをCDリリース。
99年より読売日本交響楽団のコンサートマスター、現在にいたる。
ソリストとしては、東京を中心に定期的にリサイタルを行い、常に高い評価を得、読売日響、東京響、ロイヤルチェンバーオーケストラ、仙台フィルなどとも協演をしている。室内楽奏者として、各地のさまざまな音楽祭で活躍しているほか、06年から、ルートヴィッヒ弦楽四重奏団、08から、ザ・グランド・トリオを結成し活動している。またこれまでに、ギュンター・ピヒラー、ネルソン・フレーレ、ジャン・ワン、などとも共演している。
近年は指揮者としても古典派の作品を中心に演奏活動をしている。07年には、クラシカ・ハヤマのスパークリングオペラ 「ラ・ボエーム」を指揮し、好評を博した。
伝田正秀(読響アシスタント・コンサートマスター) Masahide Denda(assistant concertmaster)
ウィーン国立音大、ウィーン市立音楽院などで、掛谷洋三、中澤きみ子、ゲオルギ・バデフ、ルートヴィヒ・ミュラー、ギュンター・ピヒラーの各氏やアルテンベルク・トリオ・ウィーンに師事。日本クラシック音楽コンクール全国大会グランプリ、日本音楽コンクール第2位ほか受賞多数。2006年に仙台フィルのコンサートマスターに就任し、6年間在籍。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏したCDや小品集などをリリース。昭和音楽大学非常勤講師。2014年4月、読響アシスタント・コンサートマスターに就任。
瀧村依里(読響第2ヴァイオリン首席契約団員) Eri Takimura(violin)
兵庫県神戸市生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校卒業、第15回ABC新人オーディション合格、東京藝術大学内にて安宅賞受賞、同大学首席で卒業。東京藝術大学大学院を修了後、ウィーン国立音楽大学大学院を卒業。2013年12月より読響第2ヴァイオリン首席契約団員を務める。
肥田与幸(読響第2ヴァイオリン首席代行) Tomoyuki Hida(violin)
東京音楽大学卒業、桐朋学園大学研究科修了。神奈川県新人演奏会に出演。イタリアのピエディルーコ音楽祭、蓼科音楽祭など出演。現在は読売日本交響楽団に在籍する他、ソロや室内楽などで活躍している。
これまでに村上 豊、中村幾代、浦川宣也、瀬戸瑤子、吉川朝子、藤原浜雄の各氏に師事。