日時
2015年3月26日(木)午前2:29~3:29(水曜深夜)
BS日テレでは4月4日(土)朝7:00~8:00に放送
出演
指揮 準・メルクル
テノール 永田峰雄
ソプラノ 安藤赴美子
チェロ ダニエル・ミュラー=ショット
管弦楽 読売日本交響楽団
司会 松井咲子(AKB48)
曲目
ワーグナー作曲
歌劇〈ローエングリン〉から第3幕への前奏曲
ワーグナー作曲
歌劇〈ローエングリン〉から“はるかな国”
ワーグナー作曲
歌劇〈タンホイザー〉から“おごそかなこの広間よ”
チャイコフスキー作曲
ロココの主題による変奏曲 イ長調 作品33
チャイコフスキー作曲
イタリア奇想曲
チャイコフスキー作曲
バレエ音楽〈くるみ割り人形〉から“花のワルツ”
※2015年1月11日横浜みなとみらいホール
国際的に活躍する指揮者、準・メルクル登場!!
国際的に活躍している準・メルクルさんの指揮で新春ガラコンサートの模様をお送りいたしました。
今回のプログラムは華やかなワーグナーとチャイコフスキーの作品です。
準・メルクル
ドイツ人の父と日本人の母を持つドイツ出身の指揮者。幅広いレパートリーに情熱的な指揮が好評を呼び、これまでに数多くの名門歌劇場でオペラを指揮。特にワーグナーなどのドイツ音楽の指揮には定評がある。
読響とは今回が待望の初共演。
指揮者 準・メルクル インタビュー
Q ワーグナー作品の魅力とは?
ワーグナーは「音楽形式を用いて感情を表現する」という手法を覆した作曲家だと思います。彼の作品では感情表現が先行して音楽や音楽形式が形成されています。
ワーグナーはあらゆる作曲家の中でより多くの感情とメッセージを持っています。従来の作曲法に新たな光をもたらした革新的な作曲家です。
Q 読響とは初共演ですが、いかがですか?
読響はドイツのオーケストラに似ておりドイツ音楽の伝統と奏法の知識を身につけています。
豊かな音楽性と音楽や意見を交換する積極的な姿勢には驚きましたが好感が持てました。
また、読響の音は深みのある音や迫力のある演奏、暗さや緊張感・内向的な音質も引き出し、変化に富んだ活気的で表情豊かな音色なので今回のプログラムには良く合います。
Q チャイコフスキー・プログラムの聴きどころは?
今回のチャイコフスキーの作品には聴きどころがたくさんあります。
ひとつは「ロココの主題による変奏曲」を含む全てにダンス的な要素が含まれていることで、まるで美しいものを様々な側面から眺めているようです。
チャイコフスキーの作品は色彩がとても鮮やかですが、音楽の形式は非常に明瞭でしっかりとした構成で書かれています。
メルクルさんの華麗なワーグナーとチャイコフスキーの熱演に会場からは大きな拍手が送られました。
演奏終了後のメルクルさんにお話しを伺うと・・・
オーケストラは本当に素晴らしかったです。
音楽に触発された見事な演奏と鋭敏な対応で作品の本質を捉えた素晴らしい演奏でした。
ホールの音響も鮮明で暖かみのある響きでとても気に入りました。
ですから今日の公演にはとても満足しています。
演奏者の略歴
準・メルクル(指揮者) Jun Märkl (conductor)
1959年ドイツ・ミュンヘン出身。ドイツ人ヴァイオリニストの父と日本人ピアニストの母を持つ。
ピアノ、ヴァイオリン、指揮をハノーファー音楽大学で学んだ後、ミュンヘンでチェリビダッケに、米・ミシガン大学でマイヤーに師事する。1986年にドイツ音楽評論会の指揮者コンクールで優勝し、その後ボストン響の奨学生となり、タングルウッド音楽祭にてバーンスタインと小澤征爾の薫陶を受けた。
ルツェルン、ベルン、ダルムシュタットの各歌劇場で指揮経験を深め、1991年にザールラント州立劇場の音楽総監督に就任。1994年にはマンハイム歌劇場の音楽総監督に転身した。その間の1993年にはウィーン国立歌劇場に〈トスカ〉でデビューし成功を収め、以後同歌劇場でも数々のオペラを指揮。その他バイエルン国立歌劇場、ドレスデン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、英国ロイヤル・オペラ、メトロポリタン・オペラなどにも多数出演している。オーケストラの指揮者としてはフランス国立リヨン管とライプツィヒ中部ドイツ放送(MDR)響の首席指揮者を歴任し、ミュンヘン・フィル、ハンブルク北ドイツ放送響(NDR)、パリ管、ボストン響、シカゴ響などにも客演している。
国内ではN響、水戸室内管、新日本フィル、東京響へ客演し、札幌のPMF音楽祭への出演や国立音楽大学の招聘教授として後進の育成にも熱心に取り組んでいる。
読響とは今回が初共演である。
永田峰雄(テノール) Mineo Nagata(Tenor)
新潟県長岡市に生まれ東京藝術大学を卒業、その後同大学院を修了している。
1986年第1回日本モーツァルト・コンクール優勝。1988年と1989年にはザルツブルク・ゾンマーアカデミーコンクール優勝とモーツァルテウム音楽院最優秀賞を相次いで受賞した。
1991年にアサヒビール芸術文化財団の奨学生として渡欧。同年のザルツブルク音楽祭〈サティリコン〉に出演したのを契機に翌年ライプツィヒ歌劇場と契約、以後ヴュルツブルク歌劇場、トリーア歌劇場、ギーセン歌劇場、ボン歌劇場、ミュンスター歌劇場の専属歌手としてドイツを中心にヨーロッパで活躍した。
国内では1998年の〈魔笛〉タミーノを皮切りに、〈ラインの黄金〉〈ドン・ジョヴァンニ〉で新国立劇場に登場。2003年にはシューマン〈詩人の恋〉を天皇陛下の御前で演奏したことで話題となった。
安藤赴美子(ソプラノ) Fumiko Ando(Soprano)
札幌市出身。国立音楽大学卒業後、同大学院を修了。国立音楽大学オペラ研究所第3期生を修了し文化庁派遣芸術家在外派遣員としてイタリア留学後、ロームミュージックファンデーション在外研究生として再度渡伊し研鑽を積んだ。
2006年の東京二期会〈ラ・ボエーム〉ムゼッタ、2007年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本(小澤征爾指揮)〈スペードの女王〉クロエで注目を集め、009年には宮本亜門の新演出による東京二期会〈椿姫〉ヴィオレッタに抜擢され、プリマ・ドンナとしての存在感を印象づけた。その後も新国立劇場等に数多く出演し、韓国・セジョン文化会館や愛知トリエンナーレでは〈蝶々夫人〉の題名役を演じ、大成功を収めた。
ダニエル・ミュラー=ショット(チェロ) Daniel Müller-Schott(Cello)
1976年ドイツ・ミュンヘン生まれ。ワルター・ノータス、ハインリヒ・シフ、スティーヴン・イッサリースに師事し、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの指導も受けた。1992年に15歳で「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」で優勝し、国際的な注目を浴びた。
これまでに世界各地で演奏活動を展開し、2014年1月にはベルリン・フィルとの共演も果たした。チェロ作品のレパートリー拡大にも熱心で、プレヴィンとルジツカからはチェロ協奏曲を献呈されている。優秀な室内楽奏者としても引く手あまたで、ムターとプレヴィンとともにトリオを結成し、世界各地で演奏している。
読響とは今回が初共演である。