演奏レビュー

日時

2015年8月20日(木)午前2:44~3:44(水曜深夜)
BS日テレでは8月29日(土)朝7:00~8:00に放送

出演

指揮・トロンボーン クリスチャン・リンドバーグ
トロンボーン 桒田晃(首席トロンボーン奏者)
管弦楽 読売日本交響楽団
司会 松井咲子

曲目

♪サンドストレーム作曲
永遠のエコー(2本のトロンボーンと管弦楽)

♪ベートーヴェン作曲
交響曲第7番 イ長調 作品92 第1、4楽章
※2015年5月22日サントリーホール

トロンボーンのパガニーニ、クリスチャン・リンドバーグ登場!

天才トロンボーン奏者クリスチャン・リンドバーグさんが7年ぶりに読響と共演。今回は指揮者として登場!

クリスチャン・リンドバーグ

クリスチャン・リンドバーグ
1958年スウェーデン生まれ。17歳でトロンボーンを始め、数々のコンクールでの優勝経験を持つ。2000年にはノーザン・シンフォニアへ初めて指揮者として登場し、大絶賛を博した。また、近年は作曲家としても才能を発揮している。

サンドストレーム作曲「永遠のエコー」
スペインの都市カサレスの自然・歴史・伝説などを描いた作品。今回リンドバーグさんは指揮とソロを務め、もう一人のソリストは読響・首席トロンボーン奏者の桒田晃さんが務める。曲中、ある動物が出てきたり、サイレンが鳴りだしたり、リンドバーグさんの詩の朗読など、注目する点が多い新しいスタイルの協奏曲となっている。

クリスチャン・リンドバーグ 特別インタビュー!

今回演奏された「永遠のエコー」はリンドバーグさんが作曲家のサンドストレームさんと何度もセッションを重ねて作り上げた作品。リンドバーグさんにとって思い入れのあるこの作品をなぜ読響と演奏したいと望んだのか、リンドバーグさんにお聞きしました。

それはもちろん、良いトロンボーン奏者がいるからです。私は1991年にコンクールの審査員として初めて来日しました。皆さん素晴しい演奏でしたが、そこで桒田さんは第2位を受賞しました。その時の演奏は深く記憶に残っています。その素晴しい演奏者が、私の大好きな読響の首席トロンボーン奏者なのですからこの作品を演奏する最高の環境だと思いました。

また、今回はリンドバーグさんお気に入りのベート―ヴェン作曲「交響曲第7番」も演奏。リンドバーグさんにこの曲の魅力もお聞きしました。

オーケストラは小編成ですが、あらゆる色彩感が音楽に織り込まれている素晴しい作品です。ベートーヴェンは天下無双の作曲家ですね。彼の音楽には底知れない深さがあります。

この「交響曲第7番」にはトロンボーンが登場しません。そのことをお聞きすると…?

とても残念ですが仕方ありません。小さな思い出話があります。若い頃日本や世界中の演奏者で結成されるオーケストラにいた事があるのですが、私が20代の時指揮者のセルジュ・ボドが振ることになったのです。期待に胸を膨らませていたのですが…なんと演目がベートーヴェンの交響曲第7番だったのです!あの時は頭に来てトロンボーン奏者の出る幕のないつまらない曲だと、とても残念に思いました。なぜならトロンボーンは何もする事がないのですから。

演奏者の略歴

クリスチャン・リンドバーグ(指揮・トロンボーン)

クリスチャン・リンドバーグ(指揮・トロンボーン)
Christian Lindberg (conductor and Trombone)

1958年スウェーデン生まれ。17歳でトロンボーンを始め、その2年後にはストックホルム王立音楽大学への入学と同時にストックホルム王立歌劇場管の団員となる天才ぶりを発揮。その後、英国王立音楽大学へ留学し、数々のコンクールでの優勝経験を経て、世界中でトップ・ソリストとして活躍。これまでにべリオ、クセナキス、武満徹、タネジといった現代の作曲家たちから80を超える作品を献呈されている。英国王立音楽大学ではプリンス・コンソート名誉教授の称号を付与され、2005年にはスウェーデン国王より栄誉ある“Litteris et Artibus”勲章を授与された。スペインのヴァレンシアでは本人の名を冠したクリスチャン・リンドバーグ国際トロンボーン・コンクールが開催されている。熱心な誘いを受けて2000年にノーザン・シンフォニアへ初めて指揮者として登場し、大絶賛を博した。その後、ほどなくしてスウェーデン・ウィンド・アンサブルとノルウェー・アークティック・フィルハーモニーの首席指揮者に就任。これらの楽団とツアーやレコーディングに積極的に取り組みつつ、フィレンツェ五月祭管、ロッテルダム・フィル、スウェーデン放送響、ヘルシンキ・フィルなどへ客演し、指揮者としても高い評価を得ている。また、近年は作曲家としても才能を発揮し、シカゴ響などでその作品が演奏されている。読響とは2008年にソリストとして共演、指揮者としては今回が初共演となる。

桒田晃(トロンボーン)

桒田晃(トロンボーン)
Akira Kuwata(Trombone)

1970年北海道出身。東海大学付属第四高等学校を経て武蔵野音楽大学入学。在学中新日本フィルハーモニー交響楽団に入団。トロンボーンを山下晴生、真弓基教、神谷敏の各氏に師事した。1991年二本管弦打楽器コンクール第2位。1997年大阪トロンボーンコンペティションソロ部門第2位(1位なし)。1997年2月読響に入団、首席トロンボーン奏者を務めている。トロンボーン・クァルテット・ジパング、ブラス・ジャパン、カスタムブラスクインテット、アンサンブル・ターブのメンバーとしても活動している。武蔵野音楽大学、桐朋学園大学の非常勤講師。2006年にソロCD「COLORS」をリリースした。

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