日時
2016年6月16日(木)午前2:44~3:44(水曜深夜)
BS日テレでは2016年6月25日(土)朝7:00~8:00に放送
出演
指揮 シルヴァン・カンブルラン
ピアノ 辻井伸行
管弦楽 読売日本交響楽団
司会 松井咲子
曲目
♪ベート―ヴェン作曲
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15
※2016年2月5日東京芸術劇場
世界的なピアニスト、辻井伸行登場!!
今回は世界的なピアニスト、辻井伸行さんの演奏でベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15をお送りいたしました。
辻井伸行&松井咲子スペシャル対談!!
辻井さんと番組MCの松井さんが初対談!
2003年以来、読響と多くの共演をされてきた辻井さんにお話を伺いました。
松井 私、本当に辻井さんを尊敬しているのですが、実は同じ高校に通っていまして…。辻井先輩が3年生の時に私は1年生で東京音大附属高校に通っていました。
辻井 そうなんですか!それは偶然ですね。
松井 高校の時の思い出など何かありますか?
辻井 音楽高校ということで、お互い刺激しあえる仲間ができて非常に毎日が楽しかったです。
松井 今回、こういう機会で辻井さんと一緒にお仕事できること、本当に嬉しく思います。
辻井 ありがとうございます。
14歳で読響と初共演。辻井さんが語る読響の魅力
松井 辻井さんは14歳の時に読響と初めて共演をされましたが、その時の思い出は何かありますか?
辻井 非常に嬉しくて…まだ中学生だったので無心で演奏していました。
松井 国内ツアーを通して、読響の雰囲気をどのように感じましたか?
辻井 皆さん温かい方ばかりで本当に優しいですし、いざ演奏となると皆さん、素晴らしい演奏でした。もちろん回を重ねるごとにお互いの息も合い、良くなる部分もあり、やりたいことが分かり合えてどんどん違う演奏にもなってきますし、本当にお互い良い音楽が作れる。こうして素晴らしいオーケストラとツアーが出来るということは本当に光栄だなと思います。
松井 初めて共演をされた2003年と今の読響を比べて何か変わったことはありましたか?
辻井 初めて共演させていただいた時も、もちろん素晴らしかったのですが、さらに、また素晴らしくなっていると感じました。音に厚みがありますし…自分の演奏も中学生の時と今とでは違いますが、オーケストラもさらに進化しているので、それを見て自分も頑張らなければという気持ちでいつも演奏しています。
辻井さんが思うベートーヴェン作曲「ピアノ協奏曲」とは?
松井 今回お送りするのはベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番です。辻井さんの演奏はとても華やかで聴いている私たちも幸せな気持ちにさせてくれると思いました。辻井さんはこの作品にどういったイメージを持って演奏されていますか?
辻井 非常に壮大でスケールが大きく、若々しい感じがするので、大好きな曲です。ベートーヴェンは大好きな作曲家ですし、生涯取り組んでいきたいので勉強になりました。
松井さんが抱えるピアノについての悩み
松井 辻井さんの演奏は素敵だと思います。私もピアノを勉強していて自分の思いを音にしたり、イメージを表現するのがとても難しく悩んでいます。どうしたらいいと思いますか?
辻井 僕が演奏するうえで一番大切にしていることは、“作曲家がどう書いたのか”を楽譜から読み取り、イメージを膨らませて自分なりに音にして練習することです。作曲家がこの作品に込めたイメージなどをいつも弾き込んで考えて、音にしています。
松井 ありがとうございます。
辻井さんが思う松井さんの演奏
松井 辻井さんはこのインタビューのために私のピアノ演奏を聴いてくれたそうですね!?
辻井 ショパンの「革命」とあと、AKB48のメドレー曲なども聴きました。
松井 感想など恐れ多いですが…いかがでしたか!?
辻井 元AKB48というアイドルでいらしているにもかかわらず、クラシックの勉強もされて…何でも出来て本当に素晴らしいなと思いました。
松井 恐れ多いです。ありがとうございます。…今日から頑張ります(笑)
辻井 いやいや。ですがこうして高校が一緒だなんて偶然ですし、ご一緒できて良かったです。
松井 本当にありがとうございます。高校生の自分に言い聞かせたいです。
初共演のマエストロ・カンブルランの印象は?
松井 話は戻りますが、今回初共演のマエストロ、読響常任指揮者のシルヴァン・カンブルランさんはどんな方だと思いましたか?
辻井 彼は現代音楽を得意とされていらっしゃるということで、最初はアカデミックな方なのかなと思っていましたが、とても明るくて、陽気な方で共演していて楽しかったですし、ぜひまた共演させていただけたらなと思っています。
2006年から7年間読響正指揮者を務め、2013年に首席客演指揮者に就任した下野竜也さんが今シーズンをもって首席客演指揮者を退任されることが発表されました。
そんな下野さんに今の心境と読響への思いについてお話を伺いました。
10年間もお世話になれると思っていなかったので感謝につきます。
本当によく10年間もこのような素晴らしい場を与えて頂いたことに感謝しています。
寂しいというよりは充実して良い10年間を過ごさせて頂いたということに尽きますね。正指揮者から首席客演指揮者になった時もそうですが、今回も何か特に「終わりか。」という感じではなくて・・・
お別れというよりは読響も新しい時代に行かれると思うし、僕も初めてオーケストラの音楽監督になるということが控えてますし、「さよなら」というよりは「またお互い頑張ろう」みたいな雰囲気で今、最後のシーズンを過ごしているのが本当にこの10年間がより良きものだったんだなと思っています。
演奏者の略歴
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
Sylvain Cambreling (conductor)
幅広いレパートリーと躍動感あふれる緻密な演奏で高い評価を得ている読響常任指揮者。
1948年、フランス・アミアン生まれ。これまでにブリュッセルのベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽監督、バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)響の首席指揮者を歴任し、現在はシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督とクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を兼任する。また、巨匠セルジュ・チェリビダッケの後任として、ドイツ・マインツのヨハネス・グーテンベルク大学で指揮科の招聘教授も務める。
客演指揮者としてはウィーン・フィル、ベルリン・フィルを始めとする欧米の一流楽団と共演しており、オペラ指揮者としてもザルツブルク音楽祭、メトロポリタン・オペラ、パリ・オペラ座などに数多く出演している。
録音にも積極的で、読響とは《幻想交響曲》《ペトルーシュカ》《第九》《春の祭典/中国の不思議な役人》《スコットランドほか》をリリースしている。
辻井伸行(ピアノ)
Nobuyuki Tsujii (Piano)
2009年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初優勝して以来、国際的に活躍している。11年はカーネギーホールの招聘でリサイタル、12年はアシュケナージの指揮でロンドン・デビュー、ゲルギエフの指揮でサンクトペテルブルクにデビュー。13年にはイギリス最大の音楽祭「BBCプロムス」に出演し「歴史的成功」と称賛された。14年にはゲルギエフ指揮でミラノ・デビュー、またパリ・デビュー・リサイタルはルーヴル美術館から世界へインターネット中継された。15年には佐渡裕指揮でウィーン・デビュー、ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルとのドイツ及び日本で共演。16年3月にはドレスデン・フィルと、ベルリンのフィルハーモニーをはじめとするドイツ・ツアー、4月にはロンドンでのリサイタル・デビューが高評を得た。16年夏以降もオルフェウス室内管弦楽団との二度目の日米ツアーをはじめ、日米豪欧での公演が多数予定されている。
07年よりエイベックス・クラシックスより継続的にCDを発表し、2度の日本ゴールドディスク大賞を受賞。作曲家としても注目され、映画《神様のカルテ》で第21回日本映画批評家大賞を受賞。
09年、文化庁長官表彰(国際芸術部門)。10年、第11回ホテルオークラ音楽賞及び第1回岩谷時子賞受賞。13年、第39回日本ショパン協会賞受賞。