日時
2017年1月12日(木)午前2:29~3:59(水曜深夜・30分拡大版)
BS日テレでは2017年1月21日(土)朝6:30~8:00に放送
出演
指揮 ヘスス・ロペス=コボス
シルヴァン・カンブルラン
ピアノ ホアキン・アチュカロ
管弦楽 読売日本交響楽団
司会 松井咲子
曲目
♪ファリャ作曲
交響的印象〈スペインの庭の夜〉
※2016年9月16日サントリーホールにて収録
♪トゥリーナ作曲
交響詩〈幻想舞曲集〉 作品22
※2016年9月16日サントリーホールにて収録
♪デュティユー作曲
交響曲第2番〈ル・ドゥーブル〉
※2016年10月19日サントリーホールにて収録
極上のスペイン音楽特集
スペイン音楽の神髄を知る2人の巨匠が登場!
ヘスス・ロペス=コボス
1940年生まれ。マドリードで哲学、ウィーンで名教師スワロフスキーの下で指揮を学び、68年にフランスのブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。その後、ベルリン・ドイツ・オペラ音楽総監督、マドリード王立歌劇場音楽監督などを歴任した。
ホアキン・アチュカロ
1932年、スペインのビルバオ生まれ。
ベルリン・フィル、ニューヨーク・フィル、シカゴ響、フランス国立管など200を超えるオーケストラと共演し、スペインが生んだ伝説のピアニストと言われている。
プログラム1
ファリャ作曲 交響的印象〈スペインの庭の夜〉
指揮:ヘスス・ロペス=コボス ピアノ:ホアキン・アチュカロ
1915年に完成。オーケストラと独奏ピアノで南スペイン・アンダルシア地方の夜の風景を表現している。
1916年にアルボス指揮で初演。
その後、名ピアニストのリカルド・ビーニェスに献呈された。
ホアキン・アチュカロ インタビュー
ファリャ作曲交響的印象〈スペインの庭の夜〉の魅力とは?
「体つきはスペイン、身にまとうドレスはフランス」とこの作品は言われており、その名の通り ラヴェルやドビュッシー、デュカスの強い影響を受けています。
独特なスペインのリズム感もファリャならではの音楽です。
ピアノの重要性が軽視されたりもしますが、この作品はピアノ無しでは成り立ちません。
メロディだけでなくピアノの表現すべてがこの作品の重要な軸になっています。
私はこの作品をすでに200回以上演奏してきました。
もうすぐ300回になりますが、この作品に飽きたことは一度もありません。
なぜならスペインらしく表現力に富んでいる官能的な音楽だからです。
エロティックに近いとも言えます。
私はこの作品を愛していますよ。演奏する度に新しい発見があるのですから
同じスペイン出身の指揮者 ヘスス・ロペス=コボスとの共演
私たちは昔からの長い付き合いで、友達であり音楽の仲間です。
2人とも熟知してるこの作品をお互いの目を見ながら音楽を作り上げています。
同じ舞台に立てることを大変うれしく思います。
プログラム2
トゥリーナ作曲 交響詩〈幻想舞曲集〉 作品22
指揮:ヘスス・ロペス=コボス
スペインの作家ホセ・マスの小説「饗宴」にインスパイアされて作曲したピアノ曲を トゥリーナ自身が管弦楽版に編曲した。
1920年2月に原曲のピアノ版より先に初演された。
活気ある民族舞曲と幻想的な場面が相前後しながら曲が展開されていく。
ヘスス・ロペス=コボス インタビュー
交響詩〈幻想舞曲集〉の魅力について
この曲は作曲家トゥリーナがある素晴らしい作家に刺激を受けて作曲された作品です。
その小説に描かれた色彩や花々を連想させる作品となっています。
オーケストラの演奏だからこそより鮮明で新鮮な色彩感を引き出せるのです。
またスペイン民族音楽の影響もかなり濃く現れています。
素晴らしい踊りにインスピレーションを受けましたが、バレエのように踊るための音楽ではありません。
ラフマニノフのようなまさに交響的舞曲なのです。
プログラム3
デュティユー作曲 交響曲第2番〈ル・ドゥーブル〉
指揮:シルヴァン・カンブルラン
クーセヴィッキー財団の委嘱でボストン交響楽団創立75周年のために作曲された。
大小二つのオーケストラで構成されており、音楽で「対話」や「対立」を重ねている。
アンリ・デュティユー(1916 ~ 2013)
20世紀後半から21世紀にかけてフランス音楽で活躍した作曲家。
1963年までフランス国営放送局に勤めラジオや映画の音楽を手掛ける。2016年に生誕100周年を迎えた。
生前のデュティユーと交流があった読響常任指揮者 シルヴァン・カンブルランは2016年のプログラムテーマとしてデュティユーの作品を3曲取り上げてました。
2016年2月 〈音色、空間、運動〉
2016年6月 チェロ協奏曲〈遥かなる遠い世界〉
2016年10月 交響曲第2番〈ル・ドゥーブル〉
読響常任指揮者 カンブルランが語るデュティユーの魅力とは…?
シルヴァン・カンブルラン インタビュー
彼は非常に気品のある人でした。
話している相手の瞳を見つめて離さない。そんな姿が印象的でした。
デュティユーはまさに『ザ・フランスの作曲家』です。
ドビュッシーをはじめとする20世紀前半の作曲家の影響を受けています。
ラヴェルやミヨー、デュカス…もちろんメシアンもそうです。
彼は独自のリトミックや和声法を用いていますが、そのサウンドは典型的なフランス音楽です。
それほど多くの曲は書いていませんがひとつひとつがとても美しく 影響力のある曲なのです。
デュティユーはフランス音楽史においてメシアンと並び20世紀後半の最も重要な作曲家の1人です。
演奏者の略歴
-
ホアキン・アチュカロ(ピアノ)
Joaquín Achúcarro (piano) -
スペインの伝説のピアニストが26年ぶりに読響と共演する。
曲はファリャの「スペインの庭の夜」。語り草となっている美しいレガートが聴きものだ。
1932年、スペインのビルバオ生まれ。ピアニストとして早くから頭角を現し、59年にブゾーニ国際ピアノコンクールに入賞後、ロンドン響と共演して大きな注目を浴びた。ベルリン・フィル、ニューヨーク・フィル、シカゴ響、フランス国立管など200を超えるオーケストラ、そして、アバド、メータ、小澤征爾、シャイー、ラトルらそうそうたる指揮者と共演を重ねている。
-
ヘスス・ロペス=コボス(指揮)
Jesús López-Cobos (conductor) -
スペインが誇る世界的名匠。長年にわたってオペラとコンサートの両方で活躍し、劇的かつ格調高い音楽づくりで世界中にファンを持つ。
1940年生まれ。マドリードで哲学を修めた後、ウィーンで名教師スワロフスキーの下で指揮を学んだ。68年にフランスのブザンソン国際指揮者コンクールで優勝して一躍注目を集め、輝かしいキャリアをスタートさせた。81年から90年までベルリン・ドイツ・オペラ音楽総監督、86年から2001年までアメリカのシンシナティ響音楽監督、03年から10年までマドリード王立歌劇場音楽監督などを歴任し、その地位を不動のものとした。特にベルリン・ドイツ・オペラとのワーグナー「ニーベルングの指環」4部作の一挙上演は大きな話題を呼んだ。
また、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルヘボウ管、ロンドン響などの一流オーケストラ、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場などに客演し、高い評価を得ている。録音もシンシナティ響とのファリャ「三角帽子」やブルックナーの交響曲集(テラーク)ほか多数が出ている。
読響とは今回が初共演となる。
-
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
Sylvain Cambreling (conductor) -
幅広いレパートリーと斬新なプログラム、色彩感あふれる演奏が持ち味の読響常任指揮者。1948年フランス・アミアン生まれ。これまでにブリュッセルのベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽総監督、バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)響の首席指揮者を歴任し、現在はシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督とクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を兼任している。また、巨匠セルジュ・チェリビダッケの後任として、ドイツ・マインツのヨハネス・グーテンベルク大学で指揮科の招聘教授も務める。
客演指揮者としてはウィーン・フィル、ベルリン・フィルを始めとする欧米の一流楽団と共演しており、オペラ指揮者としてもザルツブルク音楽祭、メトロポリタン・オペラ、パリ・オペラ座などに数多く出演している。
録音にも積極的で、読響とは≪幻想交響曲ほか≫≪ペトルーシュカほか≫≪第九≫≪春の祭典/中国の不思議な役人≫≪スコットランドほか≫をリリースしている。