演奏レビュー

日時

2017年5月18日(木)午前2:29~3:59(水曜深夜)
BS日テレでは2017年5月27日(土)朝6:30~8:00に放送

出演

指揮 シルヴァン・カンブルラン(読響常任指揮者)
管弦楽 読売日本交響楽団
司会 松井咲子

曲目

♪メシアン作曲
彼方の閃光
※2017年1月31日サントリーホールにて収録

20世紀最大の作曲家 オリヴィエ・メシアンの大作「彼方の閃光」
メシアン作品のスペシャリストと呼ばれる常任指揮者 シルヴァン・カンブルランが読響と創り上げた「彼方の閃光」を全曲お送りしました

2017年 1月31日 サントリーホール公演

オリヴィエ・メシアン(1908-1992)
フランス・アヴィニョン生まれ
独自性の強い音楽作品を創作したことにより20世紀ヨーロッパの現代音楽に大きな影響を与えた作曲家。
パリ・聖トリ二テ教会のオルガニストを60年以上務めた。
パリ国立高等音楽院の作曲科教授としてピエール・ブーレーズなど才能ある多くの若手作曲家たちを情熱をもって育成した。

彼方の閃光
1987年から91年にかけて作曲されたメシアン最晩年の作品。
指揮者ズービン・メータとニューヨーク・フィルハーモニック管弦楽団から創立150周年を記念して委嘱された。1992年10月5日にニューヨークで初演されたが同年4月28日に亡くなったメシアンはその演奏を聴くことはできなかった。

読響常任指揮者 シルヴァン・カンブルラン インタビュー
メシアンの作品を愛し28才から指揮をしてきたシルヴァン・カンブルラン。
メシアンが「彼方の閃光に」込めた思いを伺いました

読響常任指揮者
シルヴァン・カンブルラン

この曲はメシアンが想像する死後の世界を音響的な技巧を用いて描いた作品です。
この作品には木管楽器で鳥の歌を表現する楽章(第9曲「生命の樹に棲む多くの鳥たち」)があります。
メシアンは「生命を宿す大樹には亡き人の霊や魂の化身となった鳥が集まり今も私たちにその魂が聴こえるようにさえずり続けている」と話していました。
メシアンは生前、世界中のあらゆる所でたくさんの鳥の鳴き声を録音しました。
鳥のさえずりを楽器で演奏できるように楽譜にしたかったのです。
そうする事で永久の世界と私達をつなぐ架け橋を創りたかったのです。
「彼方の閃光」は礼拝や祈りの音楽ではありませんが、彼の音楽を魂や心で受け止めて何かを感じ取ってほしいのです。

演奏者の略歴

シルヴァン・カンブルラン(指揮)
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
Sylvain Cambreling (conductor)
幅広いレパートリーと斬新なプログラム、色彩感あふれる演奏が持ち味の読響常任指揮者。1948年フランス・アミアン生まれ。これまでにブリュッセルのベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽総監督、バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)響の首席指揮者を歴任し、現在はシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督とクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を兼任している。また、巨匠セルジュ・チェリビダッケの後任として、ドイツ・マインツのヨハネス・グーテンベルク大学で指揮科の招聘教授も務める。
客演指揮者としてはウィーン・フィル、ベルリン・フィルを始めとする欧米の一流楽団と共演しており、オペラ指揮者としてもザルツブルク音楽祭、メトロポリタン・オペラ、パリ・オペラ座などに数多く出演している。
録音にも積極的で、読響とは≪幻想交響曲ほか≫≪ペトルーシュカほか≫≪第九≫≪春の祭典/中国の不思議な役人≫≪スコットランドほか≫をリリースしている。
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