演奏レビュー

日時

4月19日(木)2時29分~3時29分(水曜深夜)予定
BS日テレ 4月28日(土)朝7:00~8:00予定

4月放送プログラム

ラフマニノフ作曲 パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
レスピーギ作曲 交響詩「ローマの松」

(2018年2月16日 サントリーホールにて収録)

指揮
ユーリ・テミルカーノフ
(読響名誉指揮者)
ピアノ
ニコライ・ルガンスキー
 

【4月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【ラフマニノフ作曲 パガニーニの主題による狂詩曲】
現代のロシアを代表するピアニスト ルガンスキーのピアノは、もう非の打ち所がないうまさ。私はラフマニノフの曲には、響きが豊かに潤っていて、あまり磨き過ぎていないピアノの音がふさわしいと思うのですが、ルガンスキーの音楽はまさにその通りでした。
「磨き過ぎていない良さ」ということを、ちょっとお酒に例えて表現してみると・・・
日本酒の中でも、精米歩合が高い(米を磨きに磨いた)吟醸酒より、精米しない純米酒の方が、コクがあり深い味わいを楽しめるように思います。ルガンスキーが紡ぎだす音には純米酒を味わう時の「こく」と「深さ」を感じられるのです。
豊潤な音をクリアに響かせるという一見矛盾したことを両立させる彼の演奏技術は、「冷徹」でまったく隙がない・・・映像的に見所でもあると思います。コンサートの日、サントリーホールにはルガンスキー&読響の初共演に期待するお客様で埋め尽くされていました。是非、その拍手の響きもお楽しみ下さい。

演奏者の略歴

ニコライ・ルガンスキー(ピアノ)
ニコライ・ルガンスキー(ピアノ)
Nikolai Lugansky
現代ロシアを代表するピアノの名手が、読響と初共演を果たす。
1972年モスクワ生まれ。モスクワ音楽院で名ピアニストのニコラーエワ、ドレンスキーに師事し、94年のチャイコフスキー・コンクールで最高位(1位なしの2位)に入賞。水際立った技巧とみずみずしい叙情で高い評価を受け、世界的名声を確立した。これまでにテミルカーノフ、プレトニョフ、ヴァンスカらの指揮の下、欧米の一流オーケストラに客演を重ねるほか、室内楽でもヴァイオリンのレーピンやチェロのマイスキーらと共演している。
ユーリ・テミルカーノフ(指揮)
ユーリ・テミルカーノフ(指揮)
Yuri Temirkanov
1938年、旧ソ連・コーカサス地方のナルチク生まれ。66年に全ソ連指揮者コンクールで優勝し、レニングラード・フィル(現サンクトペテルブルク・フィル)でムラヴィンスキーのアシスタントに任命された。その後、レニングラード響の首席指揮者、キーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の音楽監督などを経て、88年からサンクトペテルブルク・フィルの音楽監督の地位にあり、現在までロシア音楽界の頂点に君臨し続けている。
欧米では、ロイヤル・フィルの首席指揮者、ドレスデン・フィル、デンマーク国立放送響の首席客演指揮者、ボルティモア響の音楽監督などの要職を務めたほか、客演指揮者としてウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロンドン響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ニューヨーク・フィル、フィラデルフィア管、ボストン響、シカゴ響、クリーヴランド管など、世界中の一流楽団と共演を重ねている。
読響には2000年から客演し、ロシア音楽を中心としたレパートリーで圧倒的名演を披露してきた。2015年に読響名誉指揮者に就任、今回が7回目の共演となる。
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