日時
12月13日(木)2:45~3:45(水曜深夜)予定
BS日テレ 12月22日(土)朝7:00~8:00予定
12月放送プログラム
アザラシヴィリ作曲(小林幸太郎編曲) 無言歌 -チェロ独奏と8本のチェロのための-
マルティヌー作曲 チェロ協奏曲第1番 H.196
ほか
(2018年10月11日 東京芸術劇場にて収録)
【12月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー
新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。
【アザラシヴィリ作曲(小林幸太郎編曲) 無言歌 -チェロ独奏と8本のチェロのための-】
アザラシヴィリの「無言歌」は、もともとはチェロ10本とピアノのための曲ですが、今回は遠藤さんのソロとチェロ8人による編曲版で、まさに読響チェロ・セクションの団結力と友情を感じさせる演奏となりました。甘美で感傷的な主題のメロディが色合いを変えて何度も繰り返され、気心の知れたメンバーだからこその音の対話が生まれていました。(余談ですがこの曲は指揮者の山田和樹さんが指揮者を目指すきっかけとなった曲でもあります。)
【マルティヌー作曲 チェロ協奏曲第1番 H.196】
2017年に読響のソロ・チェロ奏者として入団した遠藤さんは、それまで10年以上ソリストとして活躍してきた演奏家です。今回「協奏曲」のソリストとして颯爽とステージにあらわれた遠藤さんは華やかな威厳に満ちていて、彼女のこれまでのキャリアを感じさせるものでした。遠藤さんがオーケストラの首席奏者として弾くソロと、協奏曲のソリストとして弾くソロとでは、こんなにも音色や音圧や「抜け感」が違うのかと、改めて彼女の音楽的なバランス感覚のすばらしさに拍手です。マルティヌーのチェロ協奏曲は、管弦楽と独奏楽器が複雑に絡み合い丁々発止の掛け合いをしながら音楽を作っていく曲。読響のメンバーとして演奏を積み重ねてきた経験が、ソロとオーケストラとの間に親密かつ緻密なアンサンブルをつくることへ大きく役立っていることを感じました。
演奏者の略歴
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遠藤真理(チェロ)
Mari Endo -
2003年第72回日本音楽コンクールで第1位、06年「プラハの春」国際コンクールにて第3位(1位なし)、08年エンリコ・マイナルディ国際コンクールにて第2位。
神奈川県出身。東京芸術大学を首席で卒業。臼井洋治、河野文昭、山崎伸子、藤森亮一、クレメンス・ハーゲンの各氏に師事。07年ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学マギスター課程を満場一致の最高点で卒業。同年神奈川県より文化賞未来賞を、09年12月には齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞した。
06年9月にリサイタルデビュー。これまでにアンサンブル金沢、新日本フィル、東京シティ・フィル、東京都響、東京フィル、東京響、神奈川フィル、札幌響、山形響、名古屋フィル、日本センチュリー響、九州響、など国内主要オーケストラに招かれ、小林研一郎、井上道義、飯森範親、山田和樹、ゲルハルト・ボッセ、ジャン・ピエール・ヴァレーズ、ルドヴィーク・モルローなど国内外で活躍する指揮者と共演。ドイツ・キームガウ春の音楽祭、神戸国際芸術祭では世界で活躍中の若手奏者を集めたアンサンブル・ラロと、ザルツブルクにてザルツブルク・ゾリステンとも共演するなど、室内楽奏者としても活躍中。またウィーン室内管、プラハ響とも共演し、国内外のアーティストから高い評価を得る。
10年NHK大河ドラマ「龍馬伝」の「龍馬伝紀行」(第三部)での音楽演奏を担当。同曲が収録された「Cello Melodies 龍馬伝紀行Ⅲ」をはじめ3枚のソロ・アルバムと、川久保賜紀(ヴァイオリン)、三浦友理枝(ピアノ)とのトリオ・アルバム「RAVEL」、そして今年の7月には読売日本交響楽団(指揮:小林研一郎)とのドヴォルザーク:チェロ協奏曲のCDもエイベックス・クラシックスよりリリースされている。ソリストとして活動しながら2017年4月より読売日本交響楽団のソロ・チェロ奏者にも就任。
12年4月より、NHK-FMのクラシック音楽番組「きらクラ!」(毎週日曜日/全国放送)でパーソナリティを務めるなど活動の幅を広げ、その朗らかな語り口で、子供向けのコンサートにも力を注いでいる。
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角田鋼亮(指揮)
Kosuke Tsunoda -
東京芸術大学大学院指揮科修士課程並びにベルリン音楽大学国家演奏家資格課程修了。2002年、安宅賞受賞。06年、第3回ドイツ全音楽大学・指揮コンクールで最高位を獲得。08年、第4回カラヤン生誕100周年記念の同コンクールでも2位入賞を果たした。10年、第3回マーラー指揮コンクールでは最終の6人に残った。08年、ドラマ『新春スペシャル・のだめカンタービレ』においては千秋真一役の指揮指導を務めた。16年、第11回名古屋ペンクラブ音楽賞を受賞。
これまでに、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、ブランデンブルグ交響楽団、上海歌劇院管弦楽団、札幌響、群馬響、仙台フィル、東京都響、東京響、東京フィル、日本フィル、新日本フィル、神奈川フィル、名古屋フィル、セントラル愛知響、アンサンブル金沢、京都市響、大阪フィル、日本センチュリー響、大阪響、九州響等と共演している。
現在、大阪フィルハーモニー交響楽団指揮者、セントラル愛知交響楽団指揮者、仙台フィルハーモニー管弦楽団指揮者を務めている。19年4月にはセントラル愛知交響楽団常任指揮者の就任が決まっており、いま日本で最も期待される若手指揮者の一人として活躍の場を拡げている。