演奏レビュー

日時

2019年3月21日(木)2:35~3:35(水曜深夜)予定
BS日テレ 3月30日(土)朝7:00~8:00予定

3月放送プログラム

チャイコフスキー作曲 ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23

指揮
小林研一郎
ピアノ
牛田智大

(2019年2月14日 サントリーホールにて収録)


【3月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【チャイコフスキー作曲 ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23】
神童と騒がれた牛田くんも今年ハタチ。「夢見る少年の感性」は失わないままスケールの大きなピアニストへの成長ぶりを見せてくれました。豊潤な音色、壮大な音量、安定した技術によって、チャイコフスキーのロシア的ロマンを惜しみなく表現し、まったく禁欲的でないその音楽づくりは、キラキラしたピアノ・コンチェルトの理想形のようでもあります。 牛田くんの溢れる思いに応えて、コバケンもオーケストラを鳴らしまくり、なんともゴージャスなチャイコフスキーでした。 すでに得ていた人気に甘んじず、昨年浜松国際ピアノコンクールに挑戦した彼の決意、そして見事第2位と聴衆賞を受賞した自信。大人のピアニストとしての勝負は、いよいよこれからです。

演奏者の略歴

小林研一郎(指揮)
小林研一郎(指揮)
Ken-ichiro Kobayashi
1940年福島県いわき市出身。東京芸術大学作曲家及び指揮科を卒業。74年第1回ブダペスト国際指揮者コンクール第1位、特別賞を受賞。ハンガリー国立響の音楽総監督をはじめ、チェコ・フィル常任客演指揮者、日本フィル音楽監督など国内外の数々のオーケストラのポジションを歴任。2002年5月の「プラハの春音楽祭」オープニングコンサートの指揮者に、東洋人として初めて起用されたほか、ハンガリー政府より民間人最高位の“星付中十字勲章”を授与された。11年、文化庁長官表彰受賞。13年、旭日中綬章受章。
現在、日本フィル桂冠名誉指揮者、ハンガリー国立フィルおよび名古屋フィルの桂冠指揮者、九州響の名誉客演指揮者、東京芸術大学、東京音楽大学およびリスト音楽院(ハンガリー)名誉教授。東京文化会館音楽監督、長野県芸術監督団の音楽監督を務めており、今年4月には群馬響のミュージック・アドバイザーに就任する。
録音の分野では14年4月から読響と取り組んだブラームスの交響曲全集が絶賛を博している。
牛田智大(ピアノ)
牛田智大(ピアノ)
Tomoharu Ushida
1999年いわき市生まれ。3歳でピアノをはじめ、5歳で上海のコンクールで優勝。8歳から5年連続でショパン国際ピアノコンクールin ASIAで第1位受賞。2012年に浜松国際ピアノアカデミー・コンクールにて最年少第1位受賞。同年、日本人ピアニストとして最年少でユニバーサルよりCDデビューを果たした。18年11月の浜松国際ピアノコンクールでは、第2位及び聴衆賞を受賞。これまでにプレトニョフ、カスプシクら巨匠の指揮で、ウィーン室内管、ロシア・ナショナル管、ハンガリー国立フィルなどと共演している。
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