日時
2019年7月18日(木)2:29~3:29(水曜深夜)予定
BS日テレ 7月27日(土)朝7:00~8:00予定
7月放送プログラム
ショパン作曲 ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21
ラモー作曲 歌劇〈優雅なインドの国々〉組曲(鈴木優人編)
(2019年4月4日 サントリーホールにて収録)
【7月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー
新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。
【ラモー作曲 歌劇〈優雅なインドの国々〉組曲(鈴木優人編)】
偉大なる鍵盤奏者・指揮者の父を持つ鈴木優人さんにとっては、指揮・演奏・作曲・編曲などの仕事が別々のものではなく「音楽家」という一つの職業の中にまとまっているのですね。ラモーのオペラ・バレ(オペラの合間にバレエが入ってくるオムニバス形式の舞台演目)を鈴木さん自身が編纂し、指揮棒なしで踊るように拍子をとりながら立ったままリズムの決め所でチェンバロを弾く姿は、音楽家という仕事の喜びにあふれていました。バロック時代の舞曲が持つフィジカルな面白さが強調され、とても肉感的な魅力を感じる演奏でした。
【ショパン作曲 ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21】
フランスの新星レミ・ジュニエが、ポエジーあふれる音で奏でるショパン。テクニックに任せてばりばり弾きまくるタイプではなく、ひとつひとつの音を慈しむように奏で、観客はよほど注意深く耳をこらしていないと繊細な表現の襞を聴き逃してしまうほど。ショパンのピアノ協奏曲のドラマ性はむしろ影を潜め、楽譜の隅っこに隠れた小さな宝物を探し出すような演奏でした。
演奏者の略歴
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鈴木優人(指揮)
Suzuki masato -
1981年オランダ生まれ。東京芸術大学指揮科を経て、同大学院古楽器科修了。オランダ・ハーグ王立音楽院修了。指揮者として国内外のオーケストラと共演するほか、鍵盤奏者(チェンバロ、オルガン、ピアノ)としても活躍している。音楽監督を務めるアンサンブル・ジェネシスでは、オリジナル楽器でバロックから現代音楽まで意欲的なプログラムを展開している。
2015年にはラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)を指揮したバッハ〈マタイ受難曲〉で高い評価を得ており、17年にはモンテヴェルディの歌劇〈ポッペアの戴冠〉を指揮して絶賛された。昨年9月にはBCJの首席指揮者に就任。また、昨年から世界的ヴィオラ奏者タメスティとのデュオでチェンバロを弾く「バッハ・プロジェクト」を開始し、今夏にはヴェルビエ音楽祭やシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭などに出演する。
作曲家としても活躍するほか、13年からスタートした調布国際音楽祭のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるなど、多岐にわたり活動している。第18回ホテルオークラ音楽賞受賞。NHK・FM「古楽の楽しみに」にレギュラー出演中。読響には16年6月《読響アンサンブル・シリーズ》で鮮烈なデビューを果たし、17年8月《三大交響曲》で成功を収めた。
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レミ・ジュニエ(ピアノ)
Rémi Genet - 瑞々しい感性で世界各地の聴衆を魅了するフランスの新星。史上最年少でボン国際ベートーヴェン・コンクールに入賞し、わずか20歳で2013年のエリザベート王妃国際コンクール第2位に輝いた。これまでにクリヴィヌ、デ・ワールト、ローレルらの指揮で、サンクトペテルブルク・フィル、スイス・ロマンド管、ベルギー国立管、イル・ド・フランス国立管、ルクセンブルク・フィルなどと共演している。世界各地でリサイタルを開催するほか、ラ・ロック・ダンテロン音楽祭、コルマール音楽祭など国際的な音楽祭にも定期的に登場。15年にリリースしたデビューCD『オール・バッハ・アルバム』は、フランスの権威ある年間最優秀賞ディアパドソン・ドール賞を受賞した。今回が読響初登場。