演奏レビュー

日時

2019年9月19日(木)2:44~3:44(水曜深夜)予定
BS日テレ 9月28日(土)朝7:00~8:00予定

9月放送プログラム

ブラームス作曲 ヴァイオリン協奏曲 作品77

指揮
原田慶太楼
ヴァイオリン
コリヤ・ブラッハー

(2019年6月26日 東京芸術劇場にて収録)


【9月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【ブラームス作曲 ヴァイオリン協奏曲 作品77】
ドイツ・ロマン派の音楽とはこういうもの、と心の底から思わせてくれる素晴らしい演奏でした。ブラッハーさん個人の解釈がどうとかいうのではなく、ブラームスという作曲家がベートーヴェン、メンデルスゾーン、シューマン等とつながっていて、その伝統の上にあるからブラームスはこういう音楽、という揺るぎない確信を感じました。完璧なテクニックとあふれるロマンティシズム、主旋律からオブリガート(脇役の旋律)に至るまで、なぜブラームスがこの音を書いたのか、その理由がすべて納得できます。こんなに素敵なブラームスのヴァイオリン協奏曲は、一生のうちに何度も聴けるものではありません!

演奏者の略歴

原田慶太楼(指揮)
原田慶太楼(指揮)
Keitaro Harada
原田慶太楼は、2020年シーズンから、アメリカジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽&芸術監督に就任予定。2019年シーズンは、同オーケストラの次期監督としてオープニング・コンサートとクロージング・コンサートに出演する。 シンシナティ交響楽団およびシンシナティ・ポップス・オーケストラとは、この7月にアシスタント・コンダクターとして最後の共演を行った。アシスタントを務めたこの4年間で飛躍的な成長を遂げた。
2010年タングルウッド音楽祭で小澤征爾フェロー賞、13年ブルーノ・ワルター指揮者プレビュー賞、14・15・16年米国ショルティ財団キャリア支援賞を連続受賞。
1985年東京生まれ。17歳で単身渡米。インターラーケン芸術高校音楽科において、フレデリック・フェネルに師事。指揮法をロシアのサンクトペテルブルクで学び、06年21歳のときにモスクワ交響楽団を指揮してデビュー。11年ノースカロライナ・オペラにおいてオペラ・デビュー。14年には日本デビューを飾った。16年7月と18年7月にはパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)オープニングコンサートに出演。17年11月には、ブルガリア国立歌劇場において新演出『カルメン』を指揮、4公演完売となり大成功を収めた。翌年10月には同歌劇場と日本ツアーを実施、各地で高評価を得た。
これまでにロバート・スパノ、マイケル・ティルソン・トーマス、オリバー・ナッセン、ヘルベルト・プロムシュテット、ステファン・アズベリーなどに師事。現在、アメリカと日本を中心に、オーケストラ、オペラ、バレエ公演等で活躍中。
コリヤ・ブラッハー(ヴァイオリン)
コリヤ・ブラッハー(ヴァイオリン)
Kolja Blacher
ベルリン・フィル第1コンサートマスターを6年間務めた後、世界各地でソリストとして活躍し、ベルリン・フィル、ミュンヘン・フィル、ハンブルク北ドイツ放送響(現NDRエルプフィル)、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管等のオーケストラと、アバド、K.ペトレンコ、バレンボイム、キタエンコ、ヤンソンス、ユロフスキ等の指揮者と共演。また弾き振りでは、ドレスデン・フィル、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響、ルツェン音楽祭弦楽合奏団等と共演している。
アバドと共演したCDはディアパソン・ドールをはじめ数々の賞を受賞。近年は、『ニールセン:ヴァイオリン協奏曲』や『ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調、バーンスタイン:セレナード』をリリースした。
作曲家ボリス・ブラッハーを父に持ち、ベルリンで生まれ育つ。ベルリンで豊田耕児に、ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイに、ザルツブルクでシャンドール・ヴェーグに師事。現在、ハンス・アイスラー音楽大学教授を務める。
使用楽器はグァルネリ・デル・ジュス「Ex.ズッカーマン」またはストラディヴァリウス「トリトン」(いずれも1730年製、キミコ・パワーズ氏より貸与)。

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