8月放送予告
2023年8月17日(木)2:29~3:29(水曜深夜)予定
BS日テレ 8月26日(土)朝7:00~8:00予定
8月放送プログラム
グリンカ作曲 歌劇<ルスランとリュドミラ>序曲
ラフマニノフ作曲 パガニーニの主題による狂詩曲 作品34
シューベルト作曲 交響曲第5番 変ロ長調 D485から第4楽章
(2023年6月8日 ミューザ川崎シンフォニーホールにて収録)
(2023年3月9日 サントリーホールにて収録)
【8月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー
- 新井鴎子プロフィール
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読響プレミアの音楽監修を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛ける。
著書に、「音楽家ものがたり」(音楽之友社)、「おはなしクラシック」(アルテスパブリッシング)等。
現在、東京藝術大学客員教授(インクルーシブアーツ研究)、横浜みなとみらいホール館長。
ロン=ティボー・コンクール優勝の三浦謙司さんと読響の待望の初共演。ご本人も公開コンサートでは初めての演奏というラフマニノフのパガニーニ・ラプソディを詩情あふれる音色で披露してくださいました。ラフマニノフのコンチェルトといえば「映える」音楽、大ホールの3階のお客様にまで届く派手なサウンドが特徴でもあるわけですが、三浦さんの演奏は、すぐ隣に座っている家族に聞かせるようなインティメート(親密)な音楽作りで、それが逆にとても新鮮でした。(アンコールでドビュッシーの「月の光」を囁くように聴かせたのも頷けます。)
24の変奏曲を大きな一続きの物語として紡いでいくのではなく、ひとつひとつの変奏のキャラクターを際立たせ、ラフマニノフの作曲技法のサンプルを置いていくような演奏がこの作品の乾いた魅力を引き出していました。
演奏者の略歴
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三浦謙司(ピアノ)
KENJI MIURA -
2019年11月アルゲリッチが審査員長を務めたロン・ティボー・クレスパン国際コンクールにて優勝及び3つの特別賞獲得、新たな才能としてその名を世界に知られることになる。
これまで第4回マンハッタン国際音楽コンクール金賞受賞、第1回Shigeru Kawai国際ピアノコンクール優勝、2017年スタインウェイコンクールベルリン第1位をそれぞれ獲得。第9回浜松国際ピアノコンクールで奨励賞及びにAAF賞を受賞。
ウィグモアホール、ベルリンコンツェルトハウス、ラジオ・フランス大ホール、浜松アクトシティの他、モスクワ国際音楽の家、東京文化会館、浜離宮朝日ホールなど世界中の数々の会場に招かれる。 これまでにフランス国立管弦楽団、ウラジミール・スピヴァコフ氏率いるモスクワ・ヴィルトゥオージ、新日本フィル、東京交響楽団、神奈川フィル、関西フィルなどと共演。
ルール・ピアノ・フェスティバル、リヨン・ショパン・フェスティバル、別府アルゲリッチ音楽祭、東京・春・音楽祭など世界各地のフェスティバルから招きを受ける。
1993年神戸生まれ。4歳から自らピアノを始め、13歳で英国政府主宰の音楽とダンス専門教育のための奨学金を獲得、単独渡英しロンドン・パーセル・スクールに入学。ロシャン・マガブ及びウィリアム・フォンのもとでピアノを学ぶ。 2011年、ロンドン王立音楽アカデミー、ベルリン芸術大学、カーティス音楽院の受験にすべて合格、ベルリン芸術大学にてクラウス・ヘルヴィヒ氏に師事、研鑽を積む。
2012年夏、音楽の世界から一度離れる決意をし、ベルリン芸術大学を中退。日本で様々な仕事をしながらボランティア活動にも参加。2014年4月、同じくベルリン ハンス・アイスラー音楽大学に入学、エルダー・ネボルシン氏に師事。
ワーナークラシックス・ジャパンより2022年11月4日、新アルバム《アイデンティティ》をリリース。
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米田覚士(指揮)
SATOSHI YONEDA -
1996年岡山市生まれ。幼少よりピアノを始め、桃太郎少年合唱団、岡山市ジュニアオーケストラに所属し打楽器を担当。2016年東京藝術大学音楽学部指揮科に入学、2020年3月同大学を卒業。
平成30年度安宅賞受賞。指揮法を小田野宏之、高関健、ピアノを長瀬智弘の各氏に師事。
2017年6月に東京音楽大学特別講座指揮公開マスタークラスのオーディションに選出され、パーヴォ・ヤルヴィ氏のレッスンを受講。同年8月に熊本県立劇場にて山田和樹氏による公開講座を受講。
2017年東アジア教育フォーラム特別演奏会 Voice of Okayamaにて岡山大学交響楽団、早稲田大学グリークラブ、岡山県内大学合唱団と、混声合唱オーケストラのためのカンタータ「土の歌」を指揮。
2020年渋谷区文化総合センター大和田開館10周年記念演奏会にて大和田祝祭管弦楽団と「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏した。
2021年フジテレビ主催、ノイタミナpresentsシネマティック・オーケストラコンサートにて東京21世紀管弦楽団へ客演した。
2021年10月、第19回東京国際音楽コンクール<指揮>に入選(日本人最高位)・奨励賞受賞。
2022年以降、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、富士山静岡交響楽団、愛知室内オーケストラ、大阪交響楽団、岡山フィルハーモニック管弦楽団などを指揮し、活動の幅を広げている。
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鈴木優人(指揮)
MASATO SUZUKI -
1981年オランダ生まれ。東京藝術大学卒業および同大学院修了。オランダ・ハーグ王立音楽院修了。
指揮者として国内外のオーケストラと共演するほか、鍵盤楽器奏者としても活躍している。
音楽監督を務めるアンサンブル・ジェネシスでは、オリジナル楽器でバロックから現代音楽まで意欲的なプログラムを展開している。
2018年にバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の首席指揮者に就任。
BCJオペラシリーズのプロデューサーを務め、20年のヘンデル<リナルド>は、バロック・オペラの新機軸として高く評価された。また、19年から世界的ヴィオラ奏者タメスティとの「バッハ・プロジェクト」を開始し、ヴェルビエ音楽祭などに出演。22年4月にはドイツ・ハンブルク響に、23年3月~4月には名門オランダ・バッハ協会に客演し、J.S.バッハ<マタイ受難曲>(前13公演)を指揮した。
作曲家としても活躍するほか、13年から調布国際音楽祭のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるなど、活動は多岐にわたる。
NHK-FM「古楽の楽しみ」に出演中。芸術選奨文部科学大臣新人賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、渡邉曉雄音楽基金音楽賞など受賞多数。20年4月から読響の指揮者/クリエイティヴ・パートナーとして多くの公演を指揮するほか《アンサンブル・シリーズ》をプロデュースして好評を博している。 九州大学客員教授