2009年04月30日
こんぴら歌舞伎 と 6月の公開録画
すっかり更新がおろそかになっておりました。ディレクターのまさです。ご無沙汰しております。
わたくし前日、香川へ行ってきました。仕事ではなく、プライベートで。
目的は歌舞伎観劇。琴平町で年に一度開かれる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」を観に行って参りました。
国の重要文化財である「金丸座」という江戸の香りがする芝居小屋での公演。“せり”や“回り舞台”が人力で動かされ、暗転(場内が暗くなること)の時には人海戦術で全ての雨戸を閉めるというアナログな世界。今年はこの芝居小屋で、今をときめく中村勘三郎丈をはじめとする人気役者の方々が、およそ1カ月にわたって公演を行いました。
東京の歌舞伎座はもちろん素晴らしい劇場です。舞台装置も、大きさも、威風堂々とした佇まいそのものも、“殿堂”と呼ぶに相応しい劇場です。歌舞伎座で観る歌舞伎はどれも美しく、素晴らしいものに間違いありません。
しかし、この都会の大劇場にもない“独特の雰囲気”が、この古い芝居小屋でしか観ることの出来ない“何か”を醸し出すのです。そして、その雰囲気を楽しむために今や全国からこの小屋に人が押し寄せ、地元の方々がチケット取りにくいほどの人気と言う「こんぴら歌舞伎」。
“箱(会場)”と“演者”、そして地元ボランティアの方々が中心となった“裏方さん”が一体となったこの芝居は、そこでしか味わえない“唯一無二”のエンターテイメントと言って良いでしょう。
な~んて、小難しいことはさておき、ホントに素晴らしい舞台でした! 楽しかったぁ!! 勘三郎丈一座のチームワークが、見物の人々を十二分に喜ばせ、「行って良かった」と思わせてくれました。
貯めに貯めたマイレージを使い果たしての香川行き。申込みが数十倍だったと言うチケットもラッキーなことに手にすることができました。その甲斐あって…いや、その甲斐以上のお土産を貰って来た感じです。
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閑話休題
クラシックを楽しむことと、歌舞伎を楽しむことにはいろいろな共通点があります。
劇場に足を運びたくなる理由は“演目”“出演者”などなどだったり、定番の作品は“人”によって違うものになるし、そこには長い時間をかけて連綿として受け継がれてきた“歴史”が感じられます。
もちろん、どちらの世界も“新作”や“意欲作”があるし、“古典”に対しての新しいアプローチもあります。
そして一番の共通点は、知れば知るほど面白い、ということ。
楽しみ方を知ることで、良いものに出会った時の喜びは何倍にもなるし、より深い感動を得ることができると思うのです。
現在、6月の公開録画に向けて、正指揮者の下野竜也さんのご協力をいただきながらチョットした準備をさせていただいています。「クラシックがもっと楽しくなるためのヒント」「読響の素晴らしさをもっと時間できるようなヒント」を皆さまにお届けしたいと思っています。
収録が近くなりましたらこのblogでも詳しいことをお知らせいたしますね。
久々の更新、少し長くなりました。今夜はこの辺で。
まささんこんにちは。はじめまして。
「こんぴら歌舞伎」観に行かれたのですね。私は抽選に漏れてしまい残念でした。ぜひあの舞台に立つ勘三郎さんを観たかったのに残念です。まささんも勘三郎さんがごひいきですか?
こうしてクラシックと歌舞伎が好き、と言う方と接点を持つことが出来て嬉しいです。これからもいろいろなブログを期待しています。
>bananaさま
はじめまして。コメントありがとうございます。
勘三郎さんのお芝居が大好きで、かなり観ている方だと思います。拝見するたびに学ぶ事ばかりです。
歌舞伎とクラシックは知るほどに共通点があるような気がしてとても興味深いです。
まさ様、スタッフの皆様、こんにちは。
閑話
歌舞伎は勧進帳を一度だけ観たのみですが今回は巷で噂の「ルーヴル美術館展」!で見つけたギリシャ神話を紹介します。
プルートに掠奪され妻となったプロセルピナは半年を冥界で残り半年を地上で暮らす事となりました。これを悲しんだプロセルピナの母で農耕の神であるケレスは娘が地上にいる期間を春・夏とし又、娘のいない期間を秋・冬としました。
そう言えば冥王星はプルートと命名さたことを思い出したのですが、この掠奪シーン?にご興味の方はどうぞ上野を訪ねて下さい。因みに私は前日に優遇入場券を購入したので入場制限で並んでいる方々を横目にVIPルートで入場できました^^
歌舞伎は17世紀初頭に生まれたようですが今回の展示絵画は17世紀中頃に描かれたものがほとんどです。
長々と失礼しました。
あっ、「深夜の音楽会」の制作現場を貴局ルーキーのダベアくんにも是非体験してもらいたいです。
>ベルキャットさま
ご無沙汰しています。「ルーヴル展」にお出かけになったのですね。会期終盤を迎え、連日かなりの人出と聞いています。「フランダースの犬」で主人公ネロが見たいと憧れた「ルーベンス」の絵画も“来日”とのこと。行きたいと思いつつ日が過ぎてしまいました。行けるかなぁ。