#022 日本人2人目の9秒台 “世界基準”の「伸びしろ」
これまで、日本の陸上男子100メートルで
「10秒の壁」を破った選手は
桐生祥秀選手の9秒98、ただ1人でした。
山縣亮太選手は10秒00。
そして、ここに割って入ったのが
サニブラウン選手、タイムは9秒99。
日本で2人目の9秒台突入を果たしました。
身長は188センチ。
ここにも速さの秘密がありそうです。
そこで、きょうのプライチ!はこちら。
「日本人2人目の9秒台
“世界基準”の伸びしろ。」
日本時間、5月12日。
アメリカの大学の大会で
100m決勝に出場したサニブラウン選手。
○実況
「サニブラウンが好スタート!
追い上げられながらも逃げ切りました!
タイムは9秒99!」
日本人史上2人目となる9秒台をマーク。
20歳2か月での9秒台は、
あのウサイン・ボルトさんの21歳8か月よりも
1年以上もはやいんです。
これはサニブラウン選手が中学3年生の時。
ガーナ人の父と日本人の母の間に生まれた
サニブラウン選手。
実はお母さんも元陸上選手。
息子の体を作る食事には特にこだわります。
この日は大盛りのタコライス。
○サニブラウン選手の母・明子さん
「うちの普通盛りは、かなり多めなので
“食いトレ”ですね。
お残しは禁止です」
○サニブラウン選手
Q好き嫌いは?
「大体何でも食べれます」
そのかいあってか中学生にして
身長184センチ、なんと股下90センチ。
そして、高校生になると…見事な肉体。
2015年、16歳で出場した
世界ユース選手権では200mで
ボルトさんが持つ大会記録を更新。
100mと200mで2冠を達成しました。
そんなサニブラウン選手をボルトさんも絶賛。
○ボルトさん
「サニブラウンは才能がある選手だと思います。
良い成績を出せるという自信を感じた。
この数年でさらに素晴らしい選手になるだろう」
2017年には初の日本一に輝いた
サニブラウン選手。
そのころの目標は。
○サニブラウン選手
「(9秒台は)条件とコンディションが
よければ出る気がする」
高校卒業後、
アメリカのフロリダ大学に進学した
サニブラウン選手。
取り組んでいるのが…。
○サニブラウン選手
「ウエイトトレーニングを始めて、
それによって上半身の筋肉がついて、
体幹などもしっかりして」
現在、身長188センチ、体重は83キロ。
その肉体は以前と比べても、
一回り大きく見えます。
北京オリンピック銀メダリスト塚原直貴さんは。
○塚原さん
「彼の体格からすると
日本人離れしている部分も当然あります。
大きなストライドで前に進むことができている」
今回のレースでは、100m走るのにおよそ44歩。
その歩幅は平均2.3メートル。
一方、桐生選手が9秒台を出したときの歩幅は
平均2.1メートルなので、
サニブラウン選手の方が20センチ大きいんです。
ちなみに身長195センチのボルトさんの
平均歩幅は2.4メートルで、
サニブラウン選手はこれに近いんですね。
○塚原さん
「レースを見ていただいてもわかる通りに、
見かけの速さは決してない。
ワンストロークぶんぐらいは
彼の方がストライドが広いので、
その分だけゆったり進んでいる。
まだ伸びしろとしては
持てあましているなというふうな感じはします」
9秒台を出したサニブラウン選手はレース後、
「正直、そんなに速く走っている感じはなかった。
9秒99なんでほぼ誤差かな」
とコメントしています。
そして、気になる東京オリンピックの代表争い。
熾烈になってきました。
こちら、現在のベストタイムで
並べてみましたが・・・
桐生祥秀選手
サニブラウン選手
山縣亮太選手のほかにも。
多田修平選手
飯塚翔太選手
ケンブリッジ飛鳥選手
と10秒0台の有力選手が
ずらりと並んでいますが、
オリンピックに出場できるのは、
「狭き門」となります。
男子100mで国ごとに与えられた出場枠は
最大で3人。
今回、サニブラウン選手は9秒台を出したことで
オリンピック出場に1歩近づいたと言えそうです。