#013 虐待止められぬ背景は
千葉県野田市で10歳の女の子が死亡した事件では
傷害の疑いで逮捕された父親だけでなく
虐待を止めなかった母親も逮捕されました。
母親自身も夫から暴力、
DVを受けていたということですが
実はこれが子どもへの虐待が表に出にくい原因となっています。
そこで今夜の「プライチ!」は。
「止められない子どもへの虐待、
背景に“配偶者からの暴力”も」
zeroが訪ねたのはDV加害者の更生と
被害者の回復支援を行っているNPOです。
代表者によるとDVを受けた被害者が
配偶者による児童虐待を止めるのは難しいといいます。
NPO法人 女性・人権支援センター「ステップ」
栗原加代美 理事長
「夫から暴力をふるわれている場合は恐怖で
もし自分が(虐待を)止めたら自分にも身体的暴力がふるわれる、
命が危険と考えると止めることができなくなってしまいますし
もうひとつは“マインドコントロール”があるんですけど…」
DVによる「マインドコントロール」とは
どういうことなのでしょうか。
NPO法人 女性・人権支援センター「ステップ」
栗原加代美 理事長
「DV被害者の場合は自分の考えていることや行為を
夫から否定されていきますので
自分が考えるということをだんだんなくしていく。
そうすると考える習慣がついてないと
大きな決断もできませんし
またあらゆる事が“夫のいいなり”になっていく」
「こうした状況で被害者はどうすればいいか」についても
うかがいました。
DVを受けている人、これは女性に限らず男性の場合もありますが
自分だけで抱え込まず友人など誰かに頼る、
また、警察や行政機関などに相談してほしいといいます。
それでも状況が変わらないときは加害者から離れること、
たとえば被害者を保護するシェルターなどに逃げることも
考えてほしいと話しています。
そして虐待に気づくにはやはり「外からの目」も必要になります。
「誰が児童相談所に虐待を知らせたか」を見てみると
一番身近な「家族」からは7%。
「警察」が圧倒的でおよそ半数を占めています。
こうしたなかで重要な役割をしめているのは
「近隣・知人」で13%となっています。
厚生労働省は
たとえば「いつも子どもの泣き叫ぶ声などが聞こえる」
「子どもが1人ぼっちで外に出されている」など
虐待かなと思ったときは児童相談所に相談してほしいとしてます。
「通告者の秘密は守られるので『189番=いちはやく』に
電話をかけてください」ということです。
お近くの児童相談所につながります。
ただ今回の事件では心愛さんは学校にSOSを出し
市や児童相談所なども虐待の兆候を把握していました。
それだけになぜ命を守れなかったのか本当に悔やまれます。