• ドウスル?

#015 ヤングケアラーの悩み

2021.07.19

今回参加してくれたのは、 
幼いころから家族のケアをしているという二人。 




母子家庭で育った大学生の清﨑さんは
知的障害のある弟を。 




両親が共働きの山本(仮名)さんは、 
小学生の時、認知症の祖母をケア。 
大学生になってからは 
精神的に不安定な母親のケアを続けています。 

○櫻井
「まずヤングケアラーとして、これまでに苦労してきた点は?」 
○母・祖母をケア 山本さん
「認知症の祖母が深夜の徘かいなどがあったので
 そういうのを見守っていくうちに
 生活リズムがすごく狂って、 
(小学)5年生の終わりごろまで 
 不登校という形になってしまって
 友人関係が築けない。 
 そういうので孤立してしまったりとか」 

○櫻井
「清﨑さんはそういうことはあった?」 
○弟をケア 清﨑さん
「そうですね。 
 家のこととかを考えて
 休みの日は家にいた方がいいな、というときに

 友達から誘いが来たとき
 断っていくとどんどん誘われなくなって
 孤独というか… 

 あとは『経験格差』って
 どうしても生まれてたなと思っていて
 弟だと鉄板触ったら危ないから 
 焼き肉とか鉄板焼きみたいなところは
 絶対行かないし 
(弟は)熱いものを食べて
 熱いってわかってるのに 
 そのまま食べるから「熱い」って怒り出す。 
 それでわちゃわ
ちゃしちゃったら
 お店に迷惑かかるので
 どこにも行けないし」 

○櫻井
「自らが『私、ヤングケアラーかもしれない』と 
 気づいたときは?」 
○弟をケア 清﨑さん
「ヤングケアラーであるというのは
 大学に入るまでわからなくて 
『清﨑さんってヤングケアラーなんやで』って言われて 
 初めてそんな言葉あるんだ。
 みたいに意識し始めた感じ」 

○母・祖母をケア 山本さん
「小学生、中学生って
 特に自分の世界が
 家庭か学校かくらいの2つの世界で、
『ケアしてることが当たり前じゃないんだ』って 
 なかなか気がつけないなっていう…」 

そして
他の誰かに相談することも
難しかったと言います。 

○母・祖母をケア 山本さん
「小学生の時、当時の担任の先生に 
『おじいちゃんが、おばあちゃんが』
 と話した時に 
『母親は何してるの?』と、 
 親が責められてしまう
 ということがあって
 それが当時の私はすごくショックというか
『めっちゃ頑張ってるお母さんが
 責められてしまうんだ』 
 と思って、そこで
 家の状況を隠すというか…」 

○弟をケア 清﨑さん
「『お母さんに任せたらええやん』
 みたいなことを 
 その人は悪気なく言ってるが
 いやいや違うと
 私自身も悲しい気持ちになる」 

○櫻井
「なるほど。 
 今、抱いてる将来に対する
 不安のようなものは?」 
○弟をケア 清﨑さん
「私の場合は
 親亡きあとのことであったりとか、 
 弟自身の将来のことは悩みというか
 不安というか…」 

弟をケアする若い世代ならではの不安。 

○櫻井
「櫻井です。櫻井翔です」 
○清﨑さんの弟
「こんにちは 櫻井翔です」 
○清﨑さん
「うれしいな」 
○櫻井
「そうそう。
 知ってくれてるの、うれしいな」 
○清﨑さんの弟
「バイバイです。さようなら」 
○櫻井
「さようなら」 
○清﨑さん
「親が亡くなってから、
 私は支えていきたいと思っている
『きょうだい』だけど 
 どうやって支えていくか
 という方法もわからないし、 
 今後向き合っていかないといけないし、 
 不安に思っているところ。 

「櫻井さんに聞きたいが
『ヤングケアラー』って 
 ヤングケアラーじゃない人っていうと
 言い方が悪いが
 そういう人がどう感じてるんだろうと」 

○櫻井
「今日、お2人と話して思ったのは
 ヤングケアラーは『多様だ』というところ。 
 これがヤングケアラー 
 これはヤングケアラーじゃない、
 学校行けてないからヤングケアラー
 そういう話じゃなくて 
 答えになっていないかもしれないけど 
 決められないんだなと、他の人が」 

○弟をケア 清﨑さん
「ケアって薬の管理をしているとか 
 見守っている、というのもケアに入る。 
 本当にケアって多様で 
 自分がヤングケアラーかもしれないって
 思ったら、それって本当というか 
 その気持ちを大切にしてほしいし 
 逆に自分はヤングケアラーって
 思いたくない気持ちも 
 それはそれで大切だと思っていて」 

○櫻井
「すごくよくわかりました」 
「周囲や社会に対して
 こうしてほしいという思いは?」 

○母・祖母をケア 山本さん
「人ごとじゃないというか
 いずれ自分の子供であったり 
 パートナーであったり
 そういうところに 
 関係するのではないかという
 視点を皆さんに持ってほしい」 
 
○弟をケア 清﨑さん
「すれ違う町のおっちゃん
 おばちゃんに『おはよう』と 
 挨拶されるだけでも
 大きなことなのかなと思っていて
『ごみ捨て手伝うで』くらいの
 ちょっと人に頼れる
 助けてもらえるというだけで、 
 ヤングケアラーの生きづらさというのは 
 解消されるのかなと思っています」 

こちらの記事もオススメ!