能登地震3か月…酒造りに通学の足 “再開への思い”
櫻井は石川県・小松市へ。
○櫻井
「こんにちは
今日はよろしくお願いします」
再会したのは、
造り酒屋を営む、日吉智さんです。
案内してもらった酒蔵には…
○櫻井
「白くてポコポコと
泡のようなものが見えますね」
○日吉酒造
日吉 智さん(49)
「発酵していてガスが出てる状態」
○櫻井
「マスク越しにも
お米の甘い香りが漂ってきてますね」
○日吉酒造
日吉 智さん(49)
「震災当初は、今年は
酒造りできないと思っていた」
2か月前、
輪島朝市を取材していた時に
出会った日吉さん。
酒蔵は地震でめちゃくちゃに…。
○日吉酒造
妻・童子さん
「これが井戸なんですけど」
酒造りに欠かせなかった井戸水は、
水位が下がり使うことができず
復旧のメドはまったく立っていないといいます。
そうしたなか、
日吉さんは、3月から
酒造仲間である
「加越酒造」の酒蔵で酒造りを再開。
いま、能登の酒を助けようと
共同で酒造りをする支援の輪が
全国で広がっているといいます。
○日吉酒造
日吉 智さん(49)
「久しぶりにお米を触って
酒造りしてるのが、
より新鮮に感じて
楽しかったしうれしかった」
○櫻井
「もうできないと
思っていたから?」
○日吉酒造
日吉 智さん(49)
「はい」
○日吉酒造
日吉 智さん(49)
「1~2年で
復興できる状態ではない。
何年間もここで(酒造りを)
させてもらうわけにはいかない。
先のことを考えると不安がいっぱい」
○櫻井
「大変なことも見えてきた?」
○日吉酒造
日吉 智さん(49)
「大変なものは見えていたけど
よりそれがリアル感を増してきた。
再建の中での苦労が出てきて
どうしようかと」
それでも、
いつか輪島で再開するために、
歩みを止めないといいます。
○櫻井
「やっぱり輪島で?」
○日吉酒造
日吉 智さん(49)
「地元の方に
飲んでもらう酒だった。
輪島で復活することが
うちの先代から続く流れかなと」
○日吉酒造
日吉 智さん(49)
「復興の足並みは一緒に
そろわないかもしれないけど、
戻る人が増えれば増えるだけ
戻ろうかなという気持ちになる。
うちも早く再建して
輪島で頑張っていきたい」
そして目の前に迫る再開を
心待ちにしている人も。
七尾高校の3年生・畠野千怜さん。
普段サッカー部で練習している
グラウンドは…。
○七尾高校3年
畠野 千怜さん(17)
「(照明が)結構傾いてて…」
○櫻井
「本当だ」
今も残る爪痕。
■勉強する畠野さん
春休み中ですが
自主勉強するため
学校に来ていた畠野さん。
気にしていたのは…。
○七尾高校3年
畠野 千怜さん(17)
「帰りの時間、
バスや電車の時間が
限られている。
勉強とか学校に残ってしたくても
早く帰らなきゃいけないので大変」
○櫻井
「最後の時間が
決まっちゃうんですね」
○七尾高校3年
畠野 千怜さん(17)
「終電が短くなったりとか
今まで通りにはいかない」
普段畠野さんは
のと鉄道で通学していますが、
地震で今も一部の路線が使えず、
自宅がある穴水駅から
学校がある七尾駅まで、
列車とバスを乗り継いで
1時間以上かけて通っています。
車内で勉強をしていると…。
○アナウンス
「ご乗車ありがとうございました。
終点、能登中島。到着いたします」
途中で切り上げ、バスへ、
本数にも限りがあるため、
時間を気にしながらの通学が
続いていました。
○櫻井
「通学は大変でした?」
○七尾高校3年
畠野 千怜さん(17)
「時間もかかるし
道もガタガタで大変でした」
4月6日、
全線再開を迎えるのと鉄道。
○七尾高校3年
畠野 千怜さん(17)
「改めて心が『よし勉強するぞ』
みたいな感じになる」
○櫻井
「開通して時間もそうだけど
車窓から見える景色も含めて
気持ちを前に向かせてくれる?」
○七尾高校3年
畠野 千怜さん(17)
「きれいな景色なので
それを見て
また元気もらえればいいなと」