能登地震半年…珠洲市の今とこれから
○櫻井
「左右に崩れてしまった家屋が
そのままになってますね」
あの日、震度6強の揺れに加え、
津波が襲った珠洲市。
○櫻井
「海に近い家屋は津波の影響で、
ほぼすべて
倒れてしまっています。
静かですね
波の音と鳥の音。
重機の音などの作業の音が
聞こえてこないですね」
半年たっても、
手つかずのままの光景が
広がっていました。
残る課題は、他にも。
市内の宝立小中学校を訪ねると、
持ち込んだペットボトルに
水を入れる住民の姿がありました。
○櫻井
「水の状況は?」
○珠洲市民
「私たちの住んでいるところは
復旧困難地域らしくて
水道とかまったく全然」
○櫻井
「上下水道とも断水状態?」
○珠洲市民
「そうです。
トイレももちろん使えない」
市内の一部地域は、
「早期復旧困難地区」として
断水が続いているといいます。
(2024年6月時点)
水が出ない住民のために
発災当初から
続けられている支援も…。
○櫻井
「こちら自衛隊の
入浴の災害支援ですね。
尾張の湯と書いてあります」
自衛隊による「入浴支援」です。
○珠洲市民
「スッキリする」
○櫻井
「自衛隊のみなさん来ていただいて
ありがたい?」
○珠洲市民
「もちろん。
いつもありがたいと思って
感謝して入っています」
そしていま、被災地の
大きな問題となっているのが、
「災害関連死」です。
慣れない避難所や
仮設住宅での生活による
疲れやストレスなどから
体調を崩し、命を落とすもので、
石川県全体では
200件あまりの申請があり、
今後、さらに増える可能性があります。
(2024年6月28日時点)
災害関連死を防ごうと
活動を続けている
介護福祉士の角井栄美(かくいしげみ)さん。
○櫻井
「角井さんは、どういった活動を
されているんですか?」
○珠洲ささえ愛センター
介護福祉士 訪問相談員
角井栄美さん(39)
「お家をなくされた方々が
仮設(住宅)に入られるので
心のケア・困りごととかを
お聞きしています」
○珠洲ささえ愛センター
介護福祉士 訪問相談員
角井栄美さん(39)
「角井です」
訪ねたのは、
仮設住宅に1人で住む
刀祢(とね)春子さん85歳。
○珠洲ささえ愛センター
介護福祉士 訪問相談員
角井栄美さん(39)
「いかがですか、生活の様子?」
○仮設住宅で1人暮らし
刀祢 春子さん(85)
♪1556
「結構慣れました」
○珠洲ささえ愛センター
介護福祉士 訪問相談員
角井栄美さん(39)
「よかったです。
最近暑いですけど、
熱中症対策できてますか?」
○仮設住宅で1人暮らし
刀祢 春子さん(85)
「網戸全開にして、
カーテンも開けて」
刀祢さんは、珠洲市内で、
夫や息子家族たちと
6人で暮らしていましたが
自宅や
66年続けていた日用品の店は
地震で全壊。
息子家族は仮設住宅の別の棟に、
夫は体調を崩して
県外の老人ホームで生活していて、
いま家族はバラバラに…。
○櫻井
「ここでお一人で、というのは
さみしさはいかがですか?」
○仮設住宅で1人暮らし
刀祢 春子さん(85)
「さみしい、さみしい。
すごいです。
もうストレスたまって」
刀祢さんのように
1人暮らしの高齢者は、
異変に気づきにくいため、
災害関連死のリスクが高く
定期的に訪問して
様子を確認しているといいます。
○櫻井
「訪問してもらえるのは
気持ちは?」
○仮設住宅で1人暮らし
刀祢 春子さん(85)
「うれしいです。
この姿見るとほっとします」
今後、角井さんは、
人とつながれる場所を作って
災害関連死を
防いでいきたいといいます。
○珠洲ささえ愛センター
介護福祉士 訪問相談員
角井栄美さん(39)
「各仮設住宅に集会場が
もうけられている。
皆さんが集まって
お茶を飲んだり
(被災者の)自分の居場所を
作っていけたら」