#212 6月から警戒「梅雨型熱中症」とは
きょう私が話を聞いたのは
「日本一暑い街」熊谷で
25年間、熱中症患者の
救急医療に携わっている
埼玉慈恵病院 副院長の
藤永剛(ふじなが・つよし)医師です。
藤永医師によると、
今の時期から
特に気をつけてほしいのが
「梅雨型熱中症」だといいます。
そこで、2つのポイントで話を伺いました。
まず1つ目は「湿度に要注意?」
○櫻井
「気温は30℃後半とか40℃に
ならないですが、こういった
時期でも熱中症で運ばれる
というのは?」
○藤永医師
「最近注目されているのは
湿度ですね。
同じ気温でも湿度が高いと
汗が蒸発しにくいので
体の中に熱がこもってしまって
熱中症を
おこしやすくなってしまう」
「これ見ていただくと
わかるかもしれないが
去年のグラフですが、
6月くらいから
徐々に上がってくる」
グラフを見ると
ちょうど今の時期、
6月の後半から急激に
熱中症で搬送される人の数が
増えているのがわかります。
○櫻井
「どういった人が
(梅雨型熱中症に)なりやすい?」
○藤永医師
「ご高齢であるとかあるいは
小さいお子さんの方が
なりやすいですよね。
ただ若者でもやっぱり
高湿度の中で油断していると
特に体育館での運動であったりとか
応援であったりとか
熱中症で運ばれてくる方、
若い方いらっしゃいますね」
若い人でも油断できない
「梅雨型熱中症」という話でしたが、
15日に搬送されてきた10代の女性も、
エアコンがなく湿度の高い
体育館でスポーツを観戦していたところ、
頭痛や嘔吐などがあり、
救急搬送されたということです。
こちらは、
熱中症の危険度をあらわす「暑さ指数」を
見やすくしたものなのですが、
タテが「気温」で
ヨコが「湿度」になっていまして
たとえば、
「室内の気温が28℃」だったとしても
「湿度が65%」になると
「警戒」となっています。
では「梅雨型熱中症」を防ぐために
どんな注意が必要なのでしょうか?
2つ目のポイントは、「○○抜きは厳禁」
○櫻井
「予防するには?」
○藤永医師
「この時期 特有の特徴があって
暑さに体が慣れていない
暑熱順化をみなさんまだ
獲得していらっしゃらないから
ちょっと暑くなっただけでも
熱中症になりやすい」
○櫻井
「暑熱順化するためには具体的に?」
○藤永医師
「じわっと汗をかく
くらいの運動ですね」
「とにかく汗を自発的に意識的に
かくというのが大事」
○櫻井
「例えば入浴とかでも?」
○藤永医師
「そうです。毎日できることとしては
入浴ですね。
半身浴でもいいです。
汗をかく練習をしたほうが
いいと思います」
○櫻井
「加えて水分補給?」
○藤永医師
「もちろん水分を飲むということが大事。
あと食事にも水分だけじゃなくて
ミネラルとかいろんな大事なものが
入っているので、
まず朝食を食べていただきたい」
○櫻井
「食事で気を付けたほうが
いいことは?」
○藤永医師
「運動した後にヨーグルト
あるいは牛乳などの乳製品、
乳タンパクをとったほうがいい」
「適度にタンパク質が入ってくるので
筋肉がつきやすくなる」
「筋肉はすごく大事
筋肉の中に水分を蓄えられるし
筋肉が動くことによって
血液が循環していくので」
○櫻井
藤永医師によると、
雨の時期なので、
運動は家の中での筋トレとか
家事や掃除を
できる範囲で頑張るだけでも、
「梅雨型熱中症」の
予防になるということです。