#230 ホンダ日産統合へ…外資に狙われる日本企業
ホンダと日産が
経営統合を目指すなか
実はもう1つ、
「日本企業を狙う
海外企業の動き」があります。
それがこちら、
台湾の企業「ホンハイ」。
iPhoneを受託生産している
電子機器メーカーなんですが、
このホンハイが、
日産の買収を検討していることも
経営統合へ
協議を加速させたといいます。
日本の自動車メーカーがほしい
「ホンハイの狙い」を
自動車業界に詳しい
ジャーナリストの
川端由美 さんに聞きました。
○櫻井
「(買収対象が)日本企業である
メリットは何ですか?」
○自動車業界に詳しい
川端 由美 さん
「外資からすると、
日本の会社は
技術者も素晴らしいですし
人材も素晴らしい。
日本のエンジニアは
とても真面目ですが
給料は世界の水準からすると
少し低い。
それで
『海外に行ってしまおう』
というよりも
日本語で、技術をちゃんと
国内でやりたいという方が
多いので
買った後も技術職の高さが
担保できる。
ホンハイは技術の会社なので
日本の技術はすごく魅力」
○櫻井
「ホンハイは
なぜ自動車産業に
入りたいのですか?」
○自動車業界に詳しい
川端 由美 さん
「ホンハイはApple製品の中身を
すごくたくさん作っていて、
スマホは世の中で、
持ってない人がいないくらいです。
携帯からつながれる
残されたところは、
運転している時は
スマホが使えないじゃないですか」
○櫻井
「使えないですね」
○自動車業界に詳しい
川端 由美 さん
「そこで
ドライバーとつながりたい」
○櫻井
「情報がほしいということですか?」
○自動車業界に詳しい
川端 由美 さん
「移動データが
これからお金になると言われていて、
例えば(ホンハイの技術で)
運転手のスマホでつなぐ、
後ろの人がiPadで
子供向けの番組見ていれば、
このファミリーは
こういう世帯構成で
こんな広告出したらいい
とかがあります」
○藤井
日産ほどの大きな企業でも、
海外の企業が買収しようとして
いること自体に驚きですね。
○櫻井
そうですよね。
今回のような、
海外企業による買収の動きは、
ほかの業界でも起きています。
今年8月、
「セブン&アイ・
ホールディングス」に
買収提案をしたのは、
カナダのコンビニ大手
「アリマンタシォン・
クシュタール」。
その買収提案額は、7兆円とも
言われています。
いわゆる日本の大手企業を
なぜ海外企業が
買収しようとしているのか。
日本テレビ経済部の
安藤佐和子解説委員は、
「背景には①『お買い得』
そして
②『日本政府の買収"後押し"』が
あると指摘しています。
もともと日本企業は
株価が安いところに、
さらに円安で、海外から見れば、
非常に
お得な買い物になっています。
また、『買収』と言いますと、
かつては
「ハゲタカファンド」など
買収する方が悪いという
イメージがありましたが、
去年、経済産業省は、
「買収提案を受けたら、
すぐに断るのではなく、
それが自社の株主にとって
プラスなのかどうか、
十分検討すべき」として、
“良い買収を促すための指針”を
出したというんです。
企業の価値を高めて
日本全体の経済成長につなげる
狙いがありますが、
これで雰囲気が変わり、
買収提案も出てきやすくなったと
言うことです。
海外との競争も激しくなるなか、
生き残りをかけた
買収や統合の話が
これからも続きそうです。