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#210 能登で震度5強 進まぬ公費解体

2024.06.03

6月3日「緊急地震速報」で目が覚めた
という方も多いのではないでしょうか。


 

午前6時半ごろ、
石川県の能登地方で
最大震度5強を観測する、
強い地震がありました。

今年の元日にも震度7を観測する
大地震が発生している能登地方。
3年以上前から
地震活動が活発になっていますが、
気象庁は今回の地震も一連の
活動の1つとみています。

この地震で
1人が脚の骨を折るけがをしたほか、
輪島市では住宅など5棟が倒壊。
そのうちの1軒の住人に話を聞くと。

〇けさの地震で家が倒壊
田谷昭宏さん
「市のほうから全壊(判定)もらっていたんですけど
 一応、傾いた状態でずっと保っていたんですけど、
 けさの地震で1階部分が倒れたという具合。
 大事なものだけまとめておいたんですけど
 全部下の部分にあったので
 どうやって取り出すかちょっと考えないと』

こちらの家も元日の地震のあと全壊と判定されましたが
けさの地震でさらに1階部分がつぶれたといいます。

〇けさの地震で家が倒壊
 中谷博之さん
「元々は建物たっていてくの字に曲がっていて。
 けさの地震で結局こんな形になってしまって。
 4月の20日すぎに申請は済ませていて
 あとは取り壊すのを待っていた」

男性は公費での解体を申請し、
取り壊されるのを待っていたところでした。

(藤井)
実際に輪島市役所の
「公費解体」の窓口を取材しましたが
被災者は避難所からやってくるので
書類1枚なかっただけで
その申請がなかなか進まない。
被災者も行政もどっちも一生懸命だけど
なかなか進まない現状があるんです。
公費解体が進まない現状がこうして
表に出てきている現状があるんじゃないですかね。

実は、公費解体を申請した人のうち、
完了したのは石川県全体で
わずか約2点2パーセントにとどまっています。
なぜ公費解体は進まないのか…
災害時の生活再建に詳しい
専門家に聞きました。

〇櫻井
「進んでいない理由はどういうことが考えられる?」

〇災害社会学が専門
 北陸学院大学 田中純一 教授
「公費解体の事務的な手続きが煩雑だということが1点。
 作業する人の数や機械の数が
 やはり不足しているということがある。
 解体した廃棄物、
 これを置く場所に限界があることも課題」

なかでも、現場の人手不足について聞くと。

○櫻井
「マンパワーや重機の数が間に合っていないと。
 これ全国から集めた方がいいということですか?

〇災害社会学が専門
 北陸学院大学 田中純一 教授
「僕はそう思います
 極端な言い方かもしれないが
 全国にいろいろな公共事業あるが
 遅らせてもいいところは遅らせて
 機械やマンパワーを奥能登に集中させる、
 そんなことがあってもいいのでは。」

「本当にこの先、何年間、
 自分のつぶれた家を見続けなければいけないんだろうか。
 これは気持ちがもうもたないと思う。
 だからこそ一刻も早く解体を望んでいる方については
 解体を進めていくために
 あらゆる手立てを考えていく、講じていく必要がある」

(藤井)
今、能登半島の宿泊施設の状況を
調べると能登半島の奥の方は
ほとんど施設が検索でも出てこない。
本当に安全性の面で
使えない施設もある一方で
ほかの自治体から来ている方や
重機を作業する方のために
宿泊施設を提供しているところもあって
観光客が泊まることができない状況も続いている。
この後もっとマンパワーを注ぎ込むことがあれば
宿泊施設をしっかりと確保することが必要。
けさのような大きな地震に二次被害で
巻き込まれないような安全性を確保することが大切
一方で宿泊施設を再開しているところもあるので
観光する時は施設の空きを調べてみてください。


気象庁は、今後1週間程度、
特に今後2~3日は今回と同じ、
最大震度5強程度の地震に
注意するよう呼びかけています。

 

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