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#219「能登を忘れないで」 語り部列車が運行開始

2024.09.16

私が2024年4月に
全線再開を取材した、のと鉄道。
能登半島地震の経験をもとに
きょう新たな一歩を踏み出しました。


車窓から望める能登の輝く海。
きょう初めて運行したのは、
自身も被災したのと鉄道の乗務員が
被災体験などを話す「語り部列車」です。

○のと鉄道 語り部
 宮下左文さん
「見てください。
もうことごとく崩れ落ちている瓦の姿。
そして雨漏りを防ぐために
ブルーシートかけているのは
そのためなんです。
こんな感じで(建物が)
壊れているものなんですね。
私自身、
災害をしっかり受け止めた一人なんです。
(マグニチュード)7.6の
揺れが起きたわけです」

「語り部」は団体客を相手に、
穴水駅から和倉温泉駅までのおよそ30分、
あの地震の記憶を伝えました。

地震の前は「観光列車」を走らせていた
のと鉄道。
その乗務員が今度は
「語り部列車」で能登のいまを伝えています。
私はまさに語り部として再スタートを切った
宮下左文さんに話をうかがいました。

○櫻井
「今日語り部としてどんな話をしたんですか?」

○のと鉄道 語り部
 宮下左文さん
「今日はお天気がよくて海がきれいに
ご覧いただけた日だったものですから
海のご案内を交えて
震災の話を進めさせていただきました」


「あー海がきれいだねっていっていただくと
本当ですよね、とってもきれいでしょって。
「きれいなのは私のことですか?
って、つい言ってしまったんですけどね」
 
ほがらかに話してくれた宮下さん。
ですが、あの日も乗客を案内していたときに
地震が起きました。

 

○のと鉄道 語り部 宮下左文さん
「(元日に)観光列車の中で震災にあいました。
お客様を誘導して津波がくるということで
高台まで逃げたわけですけども
翌日の夜にやっと   
(自宅がある輪島に)戻れたんですよ。
見事に家がつぶれていました」

○櫻井
「想像していなかった景色だったわけですよね?」 

○のと鉄道 語り部
 宮下左文さん
「地震が起きても自分の家が全壊するなんて
思ってもいなかったですね」

「能登ではまだ再開できていない観光地もある」
と話したうえで、
最後、こう訴えかけました。

○のと鉄道 語り部 宮下左文さん
「震災や災害は決してひとごとではない。
私たちは大変なことがあっても能登が好きです。
能登の自然とってもきれい。
絶対に復興に向けてゴールに向けて
頑張ってまいりますので
ぜひ能登を忘れずにいらっしゃってほしいです」

○藤井
ボランティアで力仕事はできないという方が
たくさんいらっしゃるかもしれませんけれども
この語り部列車に乗って知ることも
大きな支えの一つになるんじゃないかなと考えます。

 

○櫻井
「語り部列車」は現時点で個人では申し込めず、
旅行会社の団体ツアーに参加するか、
のと鉄道のホームページを通じ団体で申し込んでください。

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