物価高に苦しむ「子ども食堂」政治に求めるコト
お邪魔したのは東京・板橋区にある子ども食堂。
○櫻井
「失礼します。お世話になります。」
マンションの一室を借りているこちらでは、
月曜日を除き毎日、子どもは無料のお弁当を、
夕方から提供。
週に1 度、木曜日は食堂として開放し、
子どもたちに夕食を出しています。
午後2時、すでにその仕込みが始まっていました。
○櫻井
「まだ2時ですけど、結構…」
○まいにちおいで子ども食堂
木崎美和子 副理事長
「なんせ50人分だから。大体うちは毎日50人」
○櫻井
「こうした食材はどうやって調達?」
○木崎さん
「買ってるものもあります。このじゃがいもは
個人で農園みたいなのをやっている人が寄付してくれます」
○櫻井
「実際、物価が上がってることの影響は感じますか?」
○木崎さん
「あります。肉の質下げたり、
バラ肉買ってたのをコマ切れ肉に代えたり」
食費や食材は一般からの寄付に支えられ
作業は日替わりのボランティアスタッフが行っています。
○まいにちおいで子ども食堂
武井重雄 理事長
「まいにちおいで子ども食堂ですが…」
食事・お弁当は予約制で、1週間先まで常にいっぱいの状態。
○武井さん
「(利用者は)必要としてる方が多い。徐々に増えているという印象」
○櫻井
「利用される方は、やはりお子さんが中心?」
○武井さん
「制限は設けていない。
通勤で疲れちゃって、作るのが辛い(大人)とか(が来る)」
♪ ピンポ~ン
スタッフ
「どうぞ~」
学校を終えた子どもたちが遊びにき始めた午後3時すぎ。
キッチンでお弁当と食事の準備を手伝わせてもらいました。
この日のメインは鶏の手羽先の煮物。
お弁当・食事は同じメニューで、これにご飯とお味噌汁がつきます。
担当したのは、大根サラダの盛り付けです。
○櫻井
「どれくらい入れたらいいんだろう。まぁ、こんなもんか」
○ボランティア 高校3年生
「もうちょっとだけ多め」
○櫻井
「足りなかった?」
教えてくれたのは、毎週手伝っているという高校3年生の
ボランティアスタッフ。
○櫻井
「いつ頃まで続けよう、とかあるの?」
○ボランティア 高校3年生
「大学入っても続けようかなと考えていて、
自分の今の夢が管理栄養士なんですけど、
“食”で人を救いたいなと思っていて、
子ども食堂も人を救うことにつながるから
ボランティアしてみたいなと思ってやってます」
○ボランティア 高校3年生
「こっち!こっち!下!下!」
○櫻井
「こっち?完全にバイトの先輩と後輩…」
そして午後5時半。食事をする子どもたちが集まり始めました。
○櫻井
「ここで遊ぶの楽しい?」
○子ども
「うん」
○櫻井
「ご飯は?おいしい?」
○子ども
「うん…」
○櫻井
「……今じゃなさそうだな」
学校や学年も違う子どもたちが、週に1度、
この子ども食堂での夕食を楽しみにしています。
一方、子どもと自分のお弁当を受け取りにやって来た
保育士の女性は…
○櫻井
「どういったきっかけで利用?」
○弁当の受け取り 40代保育士
「仕事が忙しくて、ご飯つくるの大変で、
ここだと栄養バランスがすごく良くて子供も大好きなので」
○櫻井
「日々の生活で物価高の影響を感じる?」
○弁当の受け取り 40代保育士
「感じます。お弁当作るにしても、
冷凍食品もどんどん値上がりしていて調味料買っても
量が少なくて、なのにお給料が上がるわけじゃないので」
そんな中、取材中…
30キロのお米が届きました。
○ディレクター
「これは?」
○木崎さん
「寄付です。どなただか見ます。知らない人だ」
○櫻井
「全然面識のない方?」
○木崎さん 「はい」
時々、こうしたお米や野菜を寄付してくれる方がいると言います。
○木崎さん
「こういう感じで助かっちゃうんですよね。」
○武井さん
「非常にありがたいことです」
○ディレクター
「寄付がなくなると…」
○武井さん
「厳しいです。なんとかギリギリでやってる感じですけど
今年度が金銭的には一番厳しいかなと。物価高騰なんで。」
食材費は今、去年と比べ1.5倍ほどに。
公的補助はあるものの、細かい手続きが必要なため
人手もない中、今年は申請をあきらめていると言います。
○櫻井さん
「今度の選挙で期待することは?」
○木崎さん
「弱い人が守られる政治にしてほしいし、
今ここに来てる人は弱い人たち。本当に弱い人たち。
その人たちにプラスになるようにして欲しい。」