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#127 中学部活“改革” 背景に「ブラック」指摘

2022.06.06

これで“ブラック”とも言われる
働き方は変わるんでしょうか。




来年度から、
公立中学校の運動部の部活動を
これまでの「学校」単位から
「地域」単位へと移行していくという改革案が
きょうスポーツ庁に出されました。




たとえば、これまで部活の大会があるときは
学校を代表して出ていました。
それが、これからは「スポーツクラブ」や
「スポーツ少年団」など
地域の代表として出るかもしれない。
こうした改革を進める
背景の1つとなっているのが…




部活動の顧問を務める先生たちに
のしかかる“ブラック”とも指摘される働き方です。

そもそも、深刻な少子化で
日本の中学生は最も多かった
589万人から296万人へと
ほぼ半減しています。

にもかかわらず、
中学校の先生の1か月の「時間外勤務」は
100時間近くに達し、
中でも「土日の部活指導」は10年間で倍増。
長時間労働の大きな原因の1つになっています。




しかも、この100時間の時間外勤務ですが…
法律で原則「残業代や休日手当は支給なし」
と決められています。
月給の4%が残業代扱いで
あらかじめ定額で支給されているためです。




実際に部活動を指導する現場のある先生からは
「正直厳しい。
 3時間やっても4時間やっても
 お金は変わらない。
 そのうえ時間を超えると上司から注意される」
といった声が上がっています。

熱心な先生ほど大きな負担になっているのが
現状なのです。




そこで、まずは
来年度から3年後を目標に
「土日・休日の部活動」をなるべく早く
地域に移行していこうという
方針が示されています。




実際に、茨城県つくば市の
谷田部東中学校ではすでに週1回、
部活を地域のスポーツクラブの指導者や
筑波大学の学生などに任せています。
生徒側の負担は1か月1250円。

生徒からは
「専門的に教えてもらえて、
 満足感が高かった」

先生方からは
「余裕ができて授業の準備や
 こどもたちのケアに
 時間が使えるようになった」
といった声があるとのことです。




こうした取り組みの課題としては
・指導者や場所の確保
・保護者らの出費が増える
ことなどがあげられていて、
たとえば、学校の施設を
安く利用しやすくするなど
国や自治体の支援が求められています。


室伏スポーツ庁長官は、生徒たちが
「色々なスポーツ、指導者に触れるチャンス」
とも述べていますので、
運動部のあり方そのものが
大きく変わっていくきっかけになりそうです。

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