#048 「熱中症警戒アラート」
来月から熱中症に警戒を呼びかける新たな試みが始まります。
それが『熱中症警戒アラート』と呼ばれるものです。
これは気象庁と環境省が今年7月から
関東の1都6県と山梨県、長野県で試験的な運用を始めるものです。
熱中症の危険が特に高いと予想される場合に出されます。
具体的にどういうときかといいますと
「暑さ指数」が33度以上になりそうなときです。
「暑さ指数」は気温だけでなく湿度や日射・輻射熱を取り入れた
熱中症予防を目的に作られた国際的な指標です。
それぞれのウエートは、1:7:2で湿度を重視。
湿度が高いと汗をかいても蒸発しにくくなり
体温が下がらず熱中症になりやすいためです。
たとえば6月15日(月)の栃木県佐野市は
最高気温35度を超える猛暑日でしたが
湿度はそれほど高くなかったため「暑さ指数」は30度でした。
この場合だとアラートの基準には達しません。
アラートはテレビや防災無線、メールなどで私たちに伝えられます。
危険な暑さが予想される前日の夕方や当日の朝に出されます。
発表は「東京都」「神奈川県」など都県単位で。
熱中症への注意を呼びかけるものとしては
これまで気象庁は原則、気温35度以上が予想されるとき
「高温注意情報」を出していて、去年、東京では23回でした。
これがアラートの場合
東京で年に10回程度出されると想定されています。
「最後通告」と言われていて
本当に気をつけたいときに出されます。
ではそのとき私たちは何に気をつければいいのか?
そこを細かく呼びかけるのもアラートの特徴です。
今の案ではたとえば
一般の人に対しては「エアコンの効いた涼しい部屋へ」
学校に対しては「臨時休校も」。
スポーツ選手に対しては「大会の延期検討も」。
工事現場などで働いている人に対しては
「作業時間の短縮」などとしています。
今年の関東甲信の実施内容を踏まえて
来年夏からは全国で実施が予定されています。
もちろんアラートが出ていない日、出ていない地域でも
熱中症には十分、気をつけてください。