#097 台風16号…“魔の海域”とは?
もし接近すれば非常に危険な台風が日本列島に迫ってきます。
こちらは台風16号の様子です。
はっきりとした「目」ができたりと、
台風の雲が大きくなっていく様子がよくわかります。
9月27日現在は日本のはるか南海上にある台風16号なんですが、
今後は発達しながら北上する見込みで、
9月30日木曜日には進路をやや東よりに変えて10月1日金曜日には伊豆諸島にかなり接近。
西よりの進路を通った場合関東にも接近し、大荒れの天気になる恐れがあります。
直撃の進路から外れたとしても警戒を緩めるわけにいかない理由があります。
それは、この台風が「魔の海域」を通っているということです。
横浜国立大学の筆保教授によると、
この赤いエリアを通る台風は急速に発達しやすいということが分かっていて、
専門家たちから「魔の海域」と呼ばれています。
台風16号も9月27日現在は「非常に強い」勢力になっていますが、
9月28日には最も危険な「猛烈な」勢力へと再び発達する見込みなんです。
この「魔の海域」の特徴は海水温が特に高いということです。
「魔の海域」はいわば「台風のパワースポット」。
毎年ほぼ必ず水温が上昇し、水深100メートルまで温度が高い状態になるといいます。
深いところまで温かいと台風がより発達しやすいとされています。
実際、9月27日の海水温がこちら。
台風のパワーがどんどん増していく目安となる温度は、オレンジ色の「27℃以上」。
魔の海域の海水温は赤色の「30℃以上」になっています。
ここまで高くなっているのは、
8月下旬以降の「猛暑」によって海水が温められたことや、
そこをかき回して冷やすような「大型の台風」がこの付近を通っていないこと。
さらに、気象庁は「地球温暖化」の影響も考えられると説明しています。
今回、伊豆諸島を中心に
これまであまり経験がないほどの暴風が吹く恐れがありますが…
思い出していただきたいのは2019年の台風15号です。
千葉県に上陸し、多くの電柱や送電鉄塔が倒れ
およそ2週間の長期にわたり停電した地域がありました。
今回も、大切な備えの1つが「停電」への備えです。
災害による停電を経験した人たちからは…
「照明」
懐中電灯やランタンなど明かりになるもの。
「予備電源」
モバイルバッテリーの充電や発電グッズなど。
「ペットボトル保冷剤」
使用済みのボトルに水を入れて、何本か凍らせておけば、
短期間なら冷蔵庫の食材を守り、飲料水にもなります。
水は凍ると膨張するので、少し減らした量を凍らせましょう。
こうしたものなどが便利だった、という声が上がっています。
台風接近まであと3日から4日。
ぜひ今のうちに、命を守る備えをお願いします。