#153 世界のビッグマック価格は・・・どうなる賃上げ
SNSでは
「悲報」という言葉も飛び交った
マクドナルドの値上げなんですが、
実は、この1年で
ビッグマックだけを見ても
2022年9月は
390円が410円に
そしてきょうからは
410円が450円に
と急上昇の感があります。
では、世界の中で見ると
高いのか安いのか?
面白い指標があるんです。
「ビッグマック指数」
これは、世界的経済誌
「エコノミスト」が
世界の国や地域の
「ビッグマック」の価格を調べて
それを元に物価の水準を
比較したランキングなんです。
さっそく、まずは今から
およそ12年前。
2011年7月のランキングです。
日本のビッグマックは
「320円」だったんですが、
当時は記録的な「円高」で
円の価値が高く…
日本は43か国中「15位」
イギリスやアメリカ、
韓国よりも高いですよね。
当時のレートで見ると
アメリカでおよそ285円出せば
ビッグマックが食べられたんです。
ところが、
最新のデータは2022年7月。
日本のビッグマックは
「390円」と値上がりして
いたんですが、
順位はどーんと下がり、
53か国中「41位」
アメリカやイギリス、韓国、
パキスタンよりも安く、
2011年と比べると
アメリカは2倍以上の
710円になっています。
1位のスイスは
およそ925円出さないと
ビッグマックが食べられない
イメージです。
あくまで一つの目安ですが、
海外に比べれば
日本の物価はまだ安いという
見方もできます。
みずほ証券チーフエコノミストの
小林俊介さんは
物価だけが上がって
賃金が上がらなければ
日本は世界と比べて
貧しくなっていくだけ。
「物価以上に賃金を
上げないといけない」
と強調しています。
企業と労働者の
賃上げ交渉の場となる
今年の「春闘」に向けて、
岸田総理は
「ぜひ、インフレ(物価の上昇)率
を超える賃上げを」
と求めていますし
労働組合の代表である「連合」は
「5パーセント程度の賃上げ」
を求めています。
では、本当に物価高を上回る
賃上げは実現するのか?
12月、東京23区の
消費者物価指数、
つまり「物価の上昇率」は
前の年の同じ月と比べて
「+4.0%」
となっています。
これに対して、
大手の研究機関がそれぞれ
今年の春闘「賃金上昇率」の
見通しを出しているのですが…
「+2.7%」
(第一生命経済研究所)
「+2.75%」
(ニッセイ基礎研究所)
「+2.59%」
(みずほリサーチ&テクノロジーズ)
と物価の上昇には
追いつかない見通しとなっています。
あくまで予測ですので
物価高に負けない賃上げの流れ、
7割の人が働く中小企業まで
届くようさまざまな後押しを
期待したいと思います。