#089 ”コロナ後遺症”半数以上が「半年続く」新研究
4度目の宣言に入った東京、
7月12日の新たな感染者のうち
20代・30代がおよそ半数を占めています。
その若い世代の感染による
後遺症をめぐって
新たな研究結果が明らかになりました。
愛知県内の
「後遺症外来」を訪れた30代の女性。
2021年5月に感染し
6月には仕事復帰しているんですが
いまも後遺症とみられる症状に
悩まされているといいます。
女性が訴えているのは
「胸部の圧迫感」「息苦しさ」
「しゃべると息切れ」。
在宅勤務が続いていますが
「治って1か月もたっているのに
まだ症状が続くのはおかしい」
といった職場からの“圧”を感じたほか
「どうして元の体調に戻らないのか」
「こんな症状が続くのが自分だけだったら…」
という思いに悩まされているといいます。
女性が通うクリニックでは
コロナ陽性となって症状が出た人のうち
半数を超える人が感染から
1か月たっても
何らかの症状に悩んでいることがわかったんです。
実は「1か月じゃ済まない」
もっと長い間、
若い世代で後遺症が続く
という研究結果が海外で報告されています。
ノルウェーの大学の研究者らが
医学誌で発表した調査結果なんですが
調査の注目ポイントは2つ。
ひとつはコロナ患者で入院せずに自宅隔離
つまり比較的症状が軽い人を調査したこと。
もうひとつは
16歳から30歳の若い世代に着目した点です。
このうち、52%の人が感染して6か月がたっても
何らかの後遺症を訴えたということなんです。
症状で目立ったのは
「味覚・嗅覚障害」や
「倦怠感」だったんですが
「集中力の低下」
「記憶力の低下」なども報告されていて
学生の学業に影響を与えかねないと指摘しています。
論文でも
「入院せずに自宅隔離だった若い世代でも
長期にわたる後遺症のリスクがあるとわかったことで
ワクチン接種や感染対策が重要であることが浮きぼりになった」
と結論づけています。