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#090 片膝ポーズも容認 五輪選手のメッセージ

2021.07.26

今大会では
これまでのオリンピックにないシーンが見られました。



土曜日のなでしこジャパンとイギリスの対戦。
試合開始前
両チームの選手たちがピッチで
片膝をつくポーズ。
実はこれ
“人種差別への抗議”を示したものなんです。


なでしこのキャプテン・熊谷選手は
イギリスの選手たちが
この行動をしたことへの
リスペクトの意味を含めて
「私たち自身も人種差別はあってはならない
  と思い理解した上でやった」
と話していました。




同じサッカー女子では
オーストラリア代表が
先住民・アボリジニの民族旗を掲げました。
また
ドイツのホッケー女子代表のキャプテンは
LGBTQの象徴であるレインボーカラーを
身につけて試合に出場しました。




いまから50年以上前の
メキシコオリンピック。



表彰台でアメリカの陸上選手が
黒い手袋をはめ、拳を掲げるポーズで
黒人差別に抗議したんですが
ルールに反するとして
大会から追放されたことがありました。



というのも、オリンピック憲章50条には
「いかなる種類のデモンストレーションも
 あるいは政治的、宗教的、
 人種的プロパガンダも許可されない」
と書かれていて
こうした表現は一切
認められていなかったんです。




5年前。
アメリカンフットボール・NFLの選手が
人種差別への抗議として
片膝ポーズをして大きな話題となりました。
去年「ブラック・ライブズ・マター」を掲げ
アメリカやヨーロッパで広がった
黒人差別に対する抗議でも
この片膝ポーズは見られました。




こうした機運を受けIOCでも
選手の表現の機会を広げるための議論が行われ
オリンピック憲章の「ガイドライン」を改訂。
競技前などであれば
特定の人や国を攻撃しないこと
対戦相手の集中の妨げになるような行為をしないこと
などを条件に認められるようになりました。

一方で開・閉会式や
メダルセレモニー、選手村などでは
引き続き認められていません。

選手たちのプレーもそうですが
「多様性と調和」を掲げる今大会
選手たちが発するメッセージについても
考えていきたいですよね。

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