#081 職場や大学でも…新たな“検査”戦略
みなさんの職場や大学でも、体調が悪い人に広く、
コロナの「検査」が行われることになるかもしれません。
政府と専門家の分科会は、「抗原検査キット」を使った
新たな戦略を打ち出しました。
いったいどんなモノなのかと言いますと…
まず、「健康確認アプリ」などを使って
職場や大学で毎日みなさんの体調を登録してもらいます。
そして、その中の誰かが
「ちょっとだるいな」とか「少し味がしないな」とか…
軽い症状がある場合。
そういう人たちに、職場にいる医師などが「抗原検査キット」を使って、
その場ですぐにコロナの検査を行います。
そこでもし、「陽性」となったら、
今度はその陽性の人の周りを「無症状」の人も含めて、
できるだけ広く「PCR検査」します。
こうして、より早く感染者を見つけることで
大規模なクラスターの発生を防ごう、という戦略です。
政府は5月中旬をめどに抗原検査キット
およそ800万回分を確保し、
高齢者施設、そして職場や大学などにも配布する見通しです。
抗原検査のあと、周囲にPCR検査、
ここが大事なポイントです。
「抗原検査」は、
PCR検査よりも精度が低いとされてきましたが、
最近の研究で「ウイルス量が多い人」では
およそ95%という高い精度で
陽性を判定できることがわかってきました。
検査に特別な設備がいらず、30分程度で結果が出るため
ウイルスが多くうつしやすい人を「簡単に素早く」見つけることが期待できます。
そして、見つかった人の周囲を広く「PCR検査」すれば、
無症状の人でも高い精度で陽性者を見つけられるため、
これで大きなクラスターを徹底的に防ごうというんです。
ではなぜ「職場」なのか?
実は、最近の調査で「体調不良でも働く人がいる」ということが分かったんです。
長崎県が調べたところ、
「のど痛み」とか「だるさ」といった軽い症状のまま働いている人が、
最大10%ほどいました。
さらに、広島でこうした軽い症状の人たちを検査してみると
無症状の人たちに比べて軽い症状の人たちは感染率が高いということもわかりました。
簡単には休めないと出歩いた人たちが、コロナを広めてしまっている可能性があるんです。
体調が悪いのに無理して働いたり、大学に行ったりすれば、
クラスターが発生しかねないということで。
分科会の尾身会長は、
「大規模なクラスターが起きれば重症者が増え、医療の逼迫につながる」
「(新しい戦略で)ここをなんとか防ぎたい」
と検査の狙いを話しています。
いずれにしても、
そもそも体調が悪い時は、会社や学校には行かず、
早めの受診が大切、ということはこれからも変わりありません