#158 北朝鮮“不意打ち”ミサイル発射のワケ
2023.02.20
異例のミサイル発射から見えた
北朝鮮の思惑とは。
北朝鮮がおととい発射したと発表した
ICBM=大陸間弾道ミサイルの
「火星15」。
実はこの発射、
金正恩総書記が命令をだした
「不意の奇襲発射訓練」。
つまり、軍も事前に
知らされていなかった
“抜き打ち”発射だというんです。
この意図として礒﨑敦仁教授は
「正恩氏から命令が下されてから
どれくらいの早さで撃てるのか
試している」といいます。
今回、「発射実験」ではなく
「発射訓練」という
表現を使ったことからも、
できあがったミサイルを実戦配備して
訓練している段階だと指摘しています。
また、軍事ジャーナリストの
黒井文太郎さんが注目したのは、
金与正氏の発言として
朝鮮中央通信が伝えた
「燃料のアンプル化」というもの。
黒井さんによりますとアンプル化とは、
燃料を容器に
あらかじめ入れておく方式を
指すとみられています。
従来の液体燃料を発射直前に
ミサイルに注入する方式に比べ
発射までの準備時間を
短縮することができるということです。
つまり抜き打ち訓練もして、
発射までのスピードアップも計って、
準備万端だとアピールしていると
みることがきでそうです。
北朝鮮は
飛距離400キロ超の大型ロケット砲で
韓国にいるアメリカ軍をけん制しつつ、
飛距離およそ1万4000キロの
ICBMで
アメリカ本土を射程にとらえるという、
いわば「二刀流」で
挑発を続けているんです。
ここ数年の
北朝鮮のミサイル発射数を見てみると
2022年は59発、
その前は3年間で39発、
一方、2018年はゼロでした。
2018年に何があったのかというと
こちら。
トランプ前大統領と
金正恩氏の米朝首脳会談が
あったんです。
礒﨑さんは
「外交でできることにも限界はあるが
無駄だと考えず、粘り強く戦略を
立てていく必要がある」
と話しています。