#144 円安「覆面介入」ナゼ?どこまで
記録的な円安。
プライチも「為替介入」について
お伝えしました。
キーワードは「覆面介入」です。
政府・日銀は先週末に為替介入を実施、
24日朝も介入したとみられます。
21日の夜から22日の未明にかけて
一気に6円近く。
24日朝は、
わずか10分足らずで4円以上
円高に急上昇しましたが
政府は介入したかどうか
「公表しない」としており、
こうした介入を経済の世界では
「覆面介入」と呼んでいます。
では「覆面介入」には
どんな意味があるのか?
為替介入は政府と投資家たちとの
「心理戦」です。
21日の夜は、
1ドル152円目前と
歴史的な円安に進んでいました。
政府はこの動きを、
為替でお金を儲けようとする
「投資家」などが円を売りまくる
「過度な変動」だとして、
やり過ぎだ!止めよう!と
「覆面介入」に踏み切ります。
政府が持っている「ドル」を売って
「円」を一気に大量に買うことで、
円の価値が一時的に高まり
「円高」になりましたが、
これ、やったことを公表してしまうと
手の内がばれてしまいます。
あえて公表しないことで
「介入がいつ来るかわからない」
投資家の「疑心暗鬼」を誘い、
やり過ぎを抑えようという効果を
狙っているとも言われています。
ただし、野村総合研究所の
木内登英(きうち・たかひで)
さんによりますと、介入は
「円安の流れが変わるまでの
時間を買う政策」
つまり、時間稼ぎ。
9月にも1ドル145円台で
介入が行われ
一時、140円台まで円高と
なりましたが、
その後はおよそ1か月で
150円を超えるほど
再び円安が進みました。
鍵を握るのはアメリカです。
いま急激なペースで
「利上げ」をしていて
金利が高いため、円を売って
「ドルを持っている方がお得」
と考える投資家が多いのが現状です。
アメリカの利上げのペースが
ゆっくりになるまで円安の流れは続く、
その流れが変わるまでは
時間稼ぎの介入も続くと
木内さんは指摘しています。
では、円安の流れが変わるのは
いつごろになるのか?
木内さんによると、
現時点での予測ですが
「早ければ今年の年末、
来年の1月から3月ころまでに
歯止めがかかるのではないか」
すでにアメリカの金利は
かなり高くなっているし、
ドル高でアメリカの輸出に
悪影響が出てきているので、
「(円安の)ターニングポイントは近い」
と見ているとのことです。
歴史的な円安に
歯止めがかかるのかどうか、
私たちの生活や旅行にも影響するので
しっかり見ていきたいと思います。