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#187 クマ大量出没で“緊急”対策は?

2023.11.13

『クマからしたら人の方が害獣だ』

『子グマまで殺そうだなんて 
        悪魔ですか?』

これは北海道札幌市で
子グマを駆除する方針に対して
殺到したクレームの一部です。

さらに、秋田県では。

苦情『(クマを殺して)子供に 
   どう教育するんですか?』
自治体『ルールにのっとって 
        やっています』
苦情『ルールは       
     やぶるもんでしょ!』

こうしたクレームの多くは、
     県外からが非常に多いと言います。

こうしたクレームの
     背景にあるのが「大量出没」です。

環境省によると、
2023年、
クマによる人への被害と
        亡くなった方の数は
「過去最多」に上っています。

人や家の近くでも目撃が多発し、
この日も秋田で、
柿を取っていた女性が
背後から現れたクマに襲われ
       ケガをする事態が。

11月2日には、北海道大学の
22歳の男子大学生が、
クマに襲われたとみられる状況で
            遺体で見つかりました。

北海道札幌市が公開している
「ヒグマ出没情報」を見ると
札幌ドームや大通公園といった
       中心地からも5~6キロまで、
ヒグマが迫ってきていることが
                   よくわかります。

こうした動きを受けて
野生の生き物と
     人の関係を研究する
「野生生物と社会」学会が
  “緊急声明”を発表しました。

配慮のない電話や
 執拗なクレームなどに対しては、
命がけでクマを駆除している
    ボランティアの人々らの
「努力をくじき、
     かえってクマとの
 共存を妨げる結果を招く」
としています。

また、今年の大量出没の
      原因については…
クマのえさとなる
・ドングリの「大凶作」
・ここ10年ほどで進んだ
 個体数の増加と生息域の拡大
・集落に放置された柿など
 果物の実にクマが味をしめたこと
などを挙げ、

対策としては
・市街地周辺での捕獲
・不要な果樹の伐採
などが必要だとしています。

さらに11月13日、
北海道・東北地方、
8つの自治体の知事が連名で
国に対して
  「緊急要望」を行いました。

自治体にクレームが
相次いでいることに対しては
        知事たちからも、
「適正に行われた捕獲に
     非難を受けることは
 担い手の確保と地域の安全に
  重大な支障を及ぼしかねない」
と、政府に対して
国民へ正しい知識を伝えるよう
          求めました。

また、緊急要望では
現在はニホンジカと
イノシシだけが指定されている
 「指定管理鳥獣」にクマを加え、
そのための国の交付金を
クマの捕獲や駆除にも
使えるようにしてほしいとしました。

人間とクマのよりよい共存を
目指していってほしいと思います。

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