日本食が今年中にも無形文化遺産に登録されようという動きがありますが、その日本食の鍵であるうま味が今、世界中から注目されているんです。
先週、千葉県の幕張メッセで開催されたのはアジア最大級の食の見本市、フーデックスジャパン。
世界66の国と地域の名物食材が一堂に会するとあって4日間でおよそ7万人が会場を訪れました。
その中で一際目を引いたのは、日本の食材を求める外国人の姿。
実は今、日本のうま味食材が世界中から注目を集め、各国の料理に取り入れられているんです。
ニューヨークの料理学校では和食のダシの取り方を学ぶ外国人の姿まで見られるようになりました。
ところで、良く耳にするこの『うま味』って、どんなものだか説明出来ますか?
実はうま味とは、塩味、甘味、苦味、酸味の4つとは異なる、独立した第5の味なんです。
例えば昆布や鰹節でとったダシにはうま味が凝縮されています。
実はこのうま味、日本人が発見したものなんです。
1908年に日本人科学者、池田菊苗がうま味の主成分であるグルタミン酸を発見。
更にその翌年、小麦からグルタミン酸を抽出する方法が発明され、世界で初めて、うま味調味料として発売されました。
その後、日本でうま味の研究が進み、うま味にはグルタミン酸の他にもイノシン酸、グアニル酸という成分があることが発見されたんです。
このように、うま味は感覚的なものではなく、科学に裏打ちされた味覚の1つなんです。
ではなぜ今、日本のうま味が世界から注目されているのでしょうか。
世界の食材にもうま味は含まれています。
例えば同じグルタミン酸を含む昆布とチーズ。
その量を比較してみると、昆布はグルタミン酸が突出していることが分かります。
つまり、昆布を使えばうま味成分が濃い、純粋なダシをとることが出来るんです。
この純粋なダシこそが世界で日本のうま味が注目されいてる理由なんだそうです。
そのため、今世界では日本のうま味を取り入れようと和食の料理人を招いたうま味のシンポジウムが各地で開催されているんです。
こちらはニューヨークにある料理学校CIA。
料理界のハーバード大学と呼ばれ、世界中から料理人の卵が集まるトップレベルの学校です。
ここでも先月、うま味の講義が開催されました。
日本のうま味は各国の料理に巧みに取り入れられていることが分かりました。
ここで、家庭料理でうま味をアップさせるにはどうすれば良いのか、家庭料理のスペシャリスト 平野レミさんに教えてもらいました。
平野レミのうま味ちょい足しレシピ
■1つ目はみそ汁
具材を煮て和風の風味調味料を入れ、後は味噌を混ぜるだけ!
とここで平野さんがうま味をちょい足し!
「イノシン酸が入っているツナ缶」
魚を原料とした和風の風味調味料にはうま味であるイノシン酸が十分入っていますが、ツナを入れることでうま味が強くなり、より美味しくなるんだそうです。
■2つ目は豚肉の炒め物
塩・胡椒した豚肉とタマネギを炒めた所にちょい足ししたうま味食材はトマト。
豚肉のイノシン酸に、トマトのグルタミン酸が加わり、種類の異なるうま味がかけあわさってうま味の相乗効果が生まれるんだそうです。