放送内容

HATENAVI

2013/08/12 放送
ナツナビ 冷やし王国山形!真夏の冷やしグルメ

伝統を大切に受け継ぎながら独自の進化を見せる山形の「冷やし文化」

猛暑が続く日本列島。
ここ数年、「冷やしパスタ」や「冷やしから揚げ」など、様々な冷やしグルメが誕生していますが、実は、こうした冷やしグルメのルーツは、意外にも「東北・山形」にあるってご存知でしたか?

最高気温、全国歴代2位!40.8度の記録を持つ酷暑の山形で、猛暑を乗り切るヒント「冷やし文化」を徹底調査!

最初に向かったのは、山形市の中心部にある冷やしグルメの王道のお店「栄屋本店」。

今では全国的に食べられている冷やしラーメンは、山形のこの店が発祥。
山形県内ではほとんどのお店が、夏は冷やしラーメンを出している程なんです。

一体なぜこの冷やしラーメンが誕生したかというと、山形市は昭和8年、当時の日本の最高気温となる40.8度を記録。
6年前まで、70年以上も日本一暑い町でした。
そんな山形でこの冷やしラーメンが生まれたのはなんと昭和27年、クーラーのない時代、暑い山形でラーメン好きのお客さんの願いから生れたのが冷やしラーメンだったのです。


続いては、究極の冷やしグルメで話題のお店「キッチンラーメン濱」の氷ラーメンです。

氷の中は、夏にピッタリの具材がなんと12種類。
その具材を覆い隠すようにかき氷をのせていきます。
うず高く盛られたかき氷は付けダレに投入。
これぞ「究極の冷やしつけ麺」。
氷ラーメンは40年前から夏の看板メニューなんです。

続いては歩きながら食べられる山形ならではの冷やしファストフード!
氷でキンキンに冷やした玉こんにゃく。

夏場は、この「冷やし玉こんにゃく」が大人気なんです。
普通はあつあつで食べる玉こんにゃくの進化系。
生醤油で煮た玉こんにゃくを氷で一気に冷やしました。

山形はものすごい暑いから名物の玉こんを冷やすと冷めにくい。
冷たさが長持ちするこんにゃくは、火照った身体を内部から冷やしてくれるそうなんです。
山形市は実はこんにゃくの消費量が日本一。
こんにゃく大好きな山形県民が生み出した夏のファストフードでした。

続いては冷やしがっつりご飯「水かけご飯」。
山形では「水まんま」と言います。

山形では、家庭でも食べるという「水まんま」。
お漬物と一緒にいただくんですが、ただのご飯じゃないんです。
冷たい水で洗い、表面の粘り気をとったご飯なんです。
程よい具材をのせて、具材をかじってさらさらと食べる。お茶づけの水バージョンといった感じ。
洗ったご飯に冷水をかけ、漬物と一緒にさらさらと流し込みます

山形は何といっても暑いんです。              
その暑さで炊いたご飯がすぐいたんでしまう。
冷蔵庫がないから軽く水でぬめりをとってご飯を食べるという昔ながらの知恵。
米どころの山形の、ご飯を大切にする気持ちが今に受け継がれているんですね。

ちなみに、今や全国の理髪店で見かける「冷やしシャンプー」。
実は山形が発祥の地なんです。

山形の冷やしグルメの最後は驚きのデザート。
駄菓子屋・一竜の「名物 酢だまり」。
これがまさにこの山辺町にしかないかき氷です。

山辺町にしかない「酢だまり」とはいったい何なのでしょう?
この瓶に入っている黒っぽい液体が酢と醤油を合わせた「酢だまり」。

山辺町ではこれをイチゴのかき氷の上からたっぷりとかけて食べるんです。
瓶に刺さっているのは杉の葉。
殺菌作用があり、酢だまりが一気に出ないようにする役目もあります。

なぜ、かき氷に酢だまりをかけて食べるようになったのでしょうか?
山形で郷土史を研究している佐藤さんに伺うと…。
戦前、ところてんをさらに冷たくして食べるためにかき氷を上に軽くすって酢だまりをかけて食べていた。ということでした。