あらためて「コク」と聞かれてもはっきりと答えられませんよね?
では、なぜ正体不明のコクがこれだけ世に溢れているのか?
街で「コク」について聞いてみると、その言葉に魅力を感じている人が多数。
そこで、コク、まろやか、濃厚の3つの言葉の中でどれが一番おいしそうに感じるか聞いたところ30人中18人が「コク」を選択するという結果に。
そこで、まずは「コク」という言葉について調査!
語源について多数の著書がある、作家のわぐりたかしさんに聞いてみると、コクには濃いが名詞化された「濃く」と、熟成されたという意味を持つ「酷」からきているという2つの説があるとのこと。
さらにコクと名がつく商品を販売している、食品メーカー10社に対し「コクってなんですか?」という問い合わせをしたところ、森永乳業株式会社の回答は「コクとは味の深みしっかりしたあじ」。
続いて、サントリーの回答は「コクとは複雑で奥行きのある味わい 」。
日本コカコーラの回答は「コクを別の言い方で呼ぶと多味」。
というよう、メーカーによって定義は様々でした。
またもや調査は難航するかと思いきや、ある共通点を発見!
それは「味が複雑」というもの。
「味が複雑」ということは、単純に材料の数に違いがあるのでは?
そこで、同じメーカーの、コクと名がつく商品と通常の商品で材料の数を調べてみると、スライスチーズの場合、通常の商品に使用されている材料はナチュラルチーズと乳化剤の2つ。
「コクとうまみのとろけるスライスチーズ」の場合は先ほどの材料以外にバター、食塩、増粘多糖類の3つが加えられていました。
そして、おっとっとの場合も、通常の商品に使われている材料が25個なのに対しおっとっと コクのウマ塩には28個の材料が使われています。
そこで、そのほかの商品も比較したところ、コクと名がつく商品のほうが、1~5個ほど材料が多いことが判明!
多くの材料を使うことが「コク」の条件、だということは分かったのですが、具体的にはどのような味なのか?
そこで世界最優秀ソムリエ、田崎真也さんに直撃取材!
神の舌という異名を持つ田崎さんによると「コク」とは、甘みやうま味、苦みなどに比べ、酸味が抑えられている味だとのこと。
しかし、田崎さんいわく、それだけではなく味の余韻が大切だいうことでした。