世界遺産に登録される見通しの「和食」とは?
文化庁によると、伝統的な食文化のことで「新鮮な食材の持ち味」や「季節を表現した盛り付け」といった特徴があげられていますが、外国人の方はどんな和食が好きなのか?
街で調査したところ好きな日本料理ナンバー1は、やはり「お寿司」という結果だったんですが、みそ汁や照り焼き、揚げ出し豆腐のあんなど、薄味よりもしっかりとした濃い味付けの和食が好みという意見の方が多かったんです。
さらに和食の代表「懐石料理」のお店でも調査。
お客さんとして訪れていたドイツ人の方が、「お造り」「天ぷら」「土瓶蒸し」など、様々な和食料理から選んだ最も好きな和食は、西京みそで、しっかり味を付けた焼き魚が選ばれました。
外国人の味付けの好みについて、食文化に詳しい専門家に伺うと、「塩漬け肉文化。ハム・ソーセージ・ベーコンなどのきつい味付けに慣れていて、かつクリスピー・焼き目は世界共通でおいしく感じる」ということでした。
今度は逆に、外国人の「苦手な和食」を調査!
街での聞いたところナンバー1は「納豆」という結果でした。
さらに、和食の代表「懐石料理」では、どんなものを苦手と感じるのか実験。
前菜から酢の物まで10種類以上の料理を、和食を食べ慣れていない2人の外国人女性に試食してもらい、その反応を見させていただくことに。
お二人の意見を合わせた結果、苦手な料理 第3位は「うに」、第2位は「漬物」。
そして第1位は…なんと「イカの刺身」だったんです!
もともとイカとタコは、日本をはじめ東アジア諸国と地中海沿岸など限られた地域でしか食べられないため、食材という感覚がないという方も多いんです。
そこで、どうしたらイカ・タコの和食文化を受け入れてもらえるのか調査。
伺ったのは、ハリウッド俳優・ロバート・デ・ニーロさんとの共同経営で知られ、世界各国に和食レストランを展開、数多くの外国人から好評を受けている「NOBU」。
そこで出される、外国人向けの和食の秘けつを伺いました。
例えば、サーモンの刺し身は、アツアツのオリーブオイルをかけ、臭みを最小限に抑える工夫がされたことで、人気メニューとなったそうなんです。
ほどよい加熱で「チューイング」と呼ばれる食感を減らしたり、にんにく・しょうがなどの味付けで、「フィッシー」=魚臭さを消すこと。
これが、苦手な和食を外国人に受け入れやすくするポイントだったんです。
では実際に、調理の工夫で苦手意識はどのくらい減らせるのか?
世界各国で「デビルフィッシュ」の呼び名でも知られる、「タコ」が苦手な外国人に集まってもらい実験。
イカも苦手だったイギリス人女性をはじめ、和食「タコ料理」初体験の3人。
調理は、外国人向け料理教室の先生に依頼しました。
和食料理店「NOBU」のアイデアをもとにチョイスした、伝統的なタコ料理を試していただくことに。
タコの刺身は、反応はよくありませんでしたが、甘辛い味付けプラス長時間煮込むことで、苦手な食感と臭みを徹底的になくした「やわらか煮」は、タコ料理のよさを受け入れていただけたようです。