先日、山開きが行われ、登山シーズンを迎えた富士山。
その富士山をめぐって、静岡・山梨の両県の方々は激しく対立する両県。
ならばどちらの県が、富士山の持ち主にふさわしいのか?
静岡・山梨以外の出身の方に調査したところ、あいまいな意見が多かったんですが、静岡・山梨両県の出身者が多く通っているという、こちらの大学で「当事者」に伺うと、他県民とは全く違った桁違いの熱量!
その負けられない戦いを、さらにヒートアップさせたのは、先月の出来事でした。
国土地理院がウェブの地図上で、富士山頂を「静岡県」と表示したところ、「山梨県」が異議を唱え、訂正されたというニュースが注目されました。
そこで実際にその地図を調査。
まずは、ふもとの街に矢印を合わせて、クリックすると住所がちゃんと表示されますが、「富士山頂」を調べてみると、問題の部分に住所はないんです!
そして、周辺の県境は途切れていたりと、かなりあいまいなもの。
隣り合う両市の主張が異なっているため、記載を控えているんです。
静岡・山梨両県では、「県境を定めない」という取り決め。
スッキリしない富士山の「県境問題」を両県民はどう思うのか。
まずは、富士山の南側・静岡県富士宮市で、観光PR担当の方に伺うことに。隣のゆるキャラは、富士山の神様をモチーフにした「さくやちゃん」。
富士山頂を社有地とする神社があるのが、静岡県の富士宮市だったんです。
一方、今度は富士山の北側、山梨県の街へ。
山梨県富士吉田市のPR担当者に伺うと、ご当地グルメ・吉田のうどんがモチーフの「うどんぶりちゃん」が応援。
富士山のてっぺんに立ち、日本一をアピール!
富士山の姿形、その「見え方」に注目してほしいという主張!
静岡と山梨、富士山の見え方に違いはあるのでしょうか?
まずは、東京の街で富士山の見た目について調査。静岡・山梨以外の方々に、富士山の絵を描いてもらったところ、皆さん当たり前のように、左右対称の整った台形を描きました。
ところが!
静岡県では、当たり前ではなかったんです!
静岡県民に絵を描いてもらうと、右側の一部が変形しています!
ほとんどの方が、右肩に「宝永山」という山を加えた絵を描いたんです。
「宝永山」とは、江戸時代の噴火により出来た中腹にある火口。
静岡から見る富士山は、宝永山を含めた形が常識!
その宝永山は、山梨県からは、ほぼ見えないんです。
これが、大きな違いでした。
さらに、静岡・山梨両県には、それぞれ自慢の絶景がありました。
まずは、山梨県の子供達の主張。
朝日や夕日に赤く染まり、表情を一変させる「赤富士」。
富士山の北に位置する山梨の方が見える機会が多いそうです。
どれほど身近なものなのか、地元のスーパーで展示されていた子供達の絵を見せていただくと…ありました赤富士!
なんと富士山への感謝の言葉まで添えられていました。
8人に1人の割合で、赤く描くほど身近な風景だったんです。
さらには、まるで鏡に映ったような富士山。
富士吉田市内の夏の日常風景。
通学路でもよく見かける絶景だそうです。
一方、女子高生の一押しは、という山梨県民に対して、静岡県民はどう思っているのか?
地元の小中学生で賑わうプールで調査。
そこで、山梨側の富士山の数々の「絶景」を見せたところ朝日がちょうど富士山頂から昇る、幻想的なダイヤモンド富士。
富士宮市内の湖・田貫湖から、4月と8月に見られる絶景です。
さらに、静岡と言えば、同じ様に世界遺産となった三保の松原から見える富士山の絶景。
まさに世界に誇る「日本の原風景」といえます。
甲乙つけがたい両県の富士山でした。
富士山を愛するが故の、両県のライバル関係はまだまだ続くようでした。