ローマを見下ろす小高い丘の上、 ピラーノ通り49番地。 ここにトランペット奏者、 ニニ ロッソの家があります。 |
1980年、54歳でこの家に越してきたとき、 彼は、「長年の夢がかなった」と喜んだそうです。 ナイトクラブの二階にある小さな部屋で生まれたニニ ロッソは、 貧しかった幼い頃から、いつか一軒の家を持とうと心に決めていました。 自然に囲まれた大きな家を。 そして68歳で亡くなるまで、 この緑あふれる美しい家で家族と一緒に暮らしました。 部屋は、彼が演奏で訪れた国々のコレクションで溢れています。 |
父親がサーカスのトランペット吹きで、 物心ついたときからその魅力にとりつかれたニニ ロッソ。 |
兵隊として戦争に招集された時も彼を励ましたのは、 敵の陣営から聞こえてきたラッパの音。 その音色は、国境をも超える音楽の素晴らしさを教えてくれました。 |
その体験から生まれたのが、名曲「夜空のトランペット」です。 |
大切な家族と暮らしたこの家の庭で、 彼は毎日、練習を欠かしませんでした。 満天の星空に抱かれながら…。 |
■ニニ ロッソ「星空に抱かれた家」 2001/7/11放送 |
ディレクター日記 |
来週の「心に残る家」は、 夏目漱石「留学時代に下宿した家」 をお送りします。 |