2015.05.07 PM08:00
1969年公開の東宝映画「日本海大海戦」。
特撮の父、円谷英二氏が特技監督として参加した最後の映画といわれ、最大13メートルもの巨大な艦船ミニチュアを使って撮影されるなど、特撮技術の歴史でも重要な映画のひとつです。
熊本展では、この映画で実際に使われた、長さ6メートルのミニチュア、「戦艦 三笠」が展示されています。
そして、特撮博物館は熊本が最終巡回地ということで、特撮博物館では最初で最後の展示となります。
さて、「『日本海大海戦』ってどんな映画だろう?」という方もいらっしゃるかと思いますので、少しご紹介します。
この映画は、日露戦争開戦から、東郷平八郎率いる日本連合艦隊が、当時世界最大といわれていたロシアのバルチック艦隊に、日本海での海戦で勝利を収めるまでを描いた作品です。
連合艦隊の旗艦として大きな役割を果たした「戦艦 三笠」ですが、日露戦争後の連合艦隊の解散式で、東郷平八郎が解散を伝える訓示を述べたのも、「三笠」の船上だったそうです。
(さらにさらに、この「聯合艦隊解散の訓示」の草稿を書いたのは、司馬遼太郎の長編小説でテレビドラマにもなった「坂の上の雲」にも登場する、秋山真之(さねゆき)だった...という歴史ファンの方にはたまらないエピソードも。)
まさに「戦艦 三笠」は、日本の歴史が動いた場所でもあるのです。
日露戦争終戦から110年。ミニチュアの「戦艦 三笠」もすでに50年近く前に作られたものです。
特撮博物館で展示中の「三笠」前で、日本の歴史、特撮の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
「館長庵野秀明 特撮博物館」熊本展
開催中~6月28日(日)
熊本市現代美術館
http://www.kkt.jp/event/tokusatsu/